スポーツ伝説

7月4日~8日の放送内容

【プロ野球 樋笠一夫選手】

 80年を越えるプロ野球の歴史では、これまでに95000本以上のホームランが生まれています。その中でも滅多に見ることができない貴重な一打が、代打逆転サヨナラ満塁ホームランです。あまりにも劇的なこのホームランは、10年に一度の記録と言われています。
 その最初の一打を記録したのが、巨人の樋笠選手。1956年3月25日に後楽園球場で行われた巨人対中日戦での出来事でした。樋笠選手はもともと広島で四番打者を務めたこともあるスラッガーでしたが、わずか1年で退団。一度は引退をしかけたものの、思いとどまり巨人に入団。一発が魅力の代打専門バッターとして活躍していました。この日の中日のマウンドには、フォークの神様と呼ばれた杉下茂投手。ファンの注目は杉下投手の“消える魔球”でしたが、樋笠選手はストレートに狙いを絞っていました。史上初の代打逆転サヨナラ満塁ホームランが生まれた瞬間、43000人の観衆は一斉に歓声と悲鳴をあげたといいます。



【プロ野球 飯島秀雄投手】
 
 野球の試合で1点を争う緊迫した場面で起用されることが多い代走は、足の速さはもちろん、勝負度胸や高度な走塁技術も求められます。1964年の東京オリンピック、68年のメキシコオリンピックに陸上100mの日本代表として出場した飯島選手は、世界初の代走専門選手として、68年にパ・リーグの東京オリオンズから9位指名を受けました。
 注目の一軍デビューは1年目の開幕直後、東京オリオンズからロッテオリオンズへとチーム名が変わった、69年4月13日の南海ホークスとの一戦でした。この時は相手キャッチャーの野村克也選手の意表を突く走りで見事に盗塁に成功。飯島選手の活躍で、ロッテがサヨナラ勝ちを収めました。しかしその後は、盗塁成功数と同じくらい失敗を重ね、結局わずか3年で現役引退。通算成績は117試合に出場して23盗塁で、一軍では守備につくことも打席につくことも一度もないまま、ピンチランナー専門としての役割を全うしました。



【大相撲 佐藤貴信関】

 5月の夏場所から新十両となり、いきなり11勝。佐藤関は角界の将来を担う逸材として大いに期待されています。佐藤関が師匠に選んだのは、平成の大横綱・貴乃花親方。実は佐藤関のお父さんは現役時代から貴乃花親方の大ファンで、後援会にも入っていました。息子につけた「貴」の字は、将来、横綱・貴乃花のようになって欲しいという願いが込められていたのです。
 中学・高校と無敵の強さを発揮して、憧れの貴乃花部屋の門を叩いた佐藤関。今年3月の大阪場所は7戦全勝で幕下優勝を飾り、文句無しの成績で十両に昇進。モンゴル出身の貴ノ岩関に続き、貴乃花親方にとっては待望の日本人関取の誕生となりました。
 


【大 相 撲 遠藤聖大関】

 日大相撲部時代はアマチュア横綱と国体横綱の二冠を獲得し、2013年春場所に史上2人目の幕下十枚目格付出で追手風部屋からデビューした遠藤関。あまりのスピード出世に髷も結えず、幕内3場所目の2014年初場所で11勝を挙げ、初の三賞・敢闘賞を受賞しました。しかし三役を目前にして故障に悩まされ始め、今年の初場所では3年ぶりの十両陥落も味わいました。
 春場所は11勝を挙げ、1場所で幕内に復帰。返り入幕となった5月の夏場所では、幕内自己最多タイとなる11勝を挙げ、4場所ぶりに幕内での勝ち越しを決めました。番付が上がる今場所は、初の三役、大関を目指す上で重要な場所。人気スター力士の完全復活に期待です。 

 

【大 相 撲 御嶽海久司関】
 
 御嶽海関は、東海大学時代にアマチュアの個人タイトルを15個も獲得。一昨年の4年生時に学生横綱とアマチュア横綱の二冠を制し、幕下十枚目格付出で大相撲入りできる権利を得ました。
 しかしプロ入りには消極的だった御嶽海関。出羽海親方の度重なるラブコールと故郷・長野で起きた御嶽山の噴火に思いを寄せ、「自分が力になれれば」と決断しました。去年の春場所にデビューすると、九州場所で早くも新入幕。今年の春・夏場所で連続2ケタ勝利を挙げて、同じ幕下付出の先輩・遠藤関も追い抜きました。この勢いのまま今場所の台風の目となれるか、注目です。

 

来週のスポーツ伝説は……

  7月11日(月) プロ野球 山本和範選手
  7月12日(火) プロ野球 オールスター名勝負
  7月13日(水) プロ野球 SHINJO選手
  7月14日(木) 大リーグ イチロー選手
  7月15日(金) プロ野球 古田敦也選手
            
                       お楽しみに!!
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