スポーツ伝説

2月15日~19日の放送内容

【ウエイトリフティング 三宅義信選手】

 1964年の東京オリンピック、ウェイトリフティング・フェザー級で金メダルを獲得した三宅選手。高校2年で競技を始めると、その半年後には全国大会で入賞し、60年には法政大学在学中にローマオリンピック代表に。しかしバンタム級で出場したローマでは、金メダル有力と言われながら、現地でのコンディション作りに失敗して銀メダル止まり。東京オリンピックまでの4年間は、あまりのプレッシャーから眠れない時期もあったといいます。そうして迎えた東京オリンピック。フェザー級で出場した三宅選手は、プレス・スナッチ・ジャーク合わせて当時の世界記録となる397.5㎏を挙げ、堂々の金メダル獲得。このメダルは、東京オリンピックで日本最初の金でもありました。
 4年後のメキシコシティオリンピックでも、フェザー級で金メダルを獲得した三宅選手。73年に引退しましたが、2020年の東京オリンピック招致決定を受け、ウェイトリフティング界に再び活力を与えようと現役復帰を決意。去年9月にフィンランドで行われた世界マスターズ選手権に出場し、見事に銀メダルを獲得しました。表彰式では、1人だけトナカイの毛皮を贈られた三宅選手。“世界のミヤケ”は今も、世界が尊敬する特別な存在です。



【体操 遠藤幸雄選手】

 去年10月の世界選手権で、37年ぶりの団体金メダルを獲得した体操男子日本代表。東京オリンピックで個人・団体合わせて3個の金メダルを獲得した遠藤幸雄選手は、“体操ニッポンを作った男”と呼ばれた名選手です。東京教育大学在学中の60年にローマオリンピック代表に選ばれ、同郷で憧れの小野喬選手と一緒に出場。日本初の男子団体で金メダルを獲得しました。4年後の東京オリンピックでは、個人総合制覇が新たな目標に掲げられ、その最有力とされたのが、当時27歳の遠藤選手。遠藤選手はその期待に見事に応え、個人総合で日本人初の金メダルを獲得したのです。この時、この快挙を誰よりも喜んだ小野選手は、個人的に遠藤選手にトロフィーを贈呈。遠藤選手はこのトロフィーを「永遠の記念品」と呼び、一生の宝物にしたそうです。
 東京オリンピックでは、個人総合の他にも平行棒・団体総合と3つの金メダルを獲得した遠藤選手。続く68年のメキシコシティ大会でも、団体総合で3大会連続の金メダルに輝き、オリンピックでは金5個・銀2個の合計7個のメダルを手にしました。「大切なのは、頭からつま先まで伸びること。体操は美しくないといけない」という精神は、亡くなって7年が経った今も、代表選手たちに脈々と受け継がれています。
 

 
【プロ野球 平田良介選手】

 中日ドラゴンズでは今シーズンから、1995年に仁村徹選手が務めて以来20年ぶりにキャプテンが復活。その大役を谷繁元信監督から指名されたのは、平田選手でした。「キャプテンじゃなくても、自分がチームを引っ張っていくつもりだった」という平田選手。任命されてより強くなった気持ちと共に、11年目の飛躍が期待されます。
 年明け早々、1500人のファンを前にトークショーを行った平田選手は、「今年の一文字」を「冠」と発表しました。意味するところは、タイトル獲得。去年はプロ10年目の節目でしたが、ホームラン13本・53打点と、いずれも自己最高を更新できませんでした。今年こそと期待を高める平田選手は、「一番欲しいのは打点王。目標は100打点」と、ファンの前で宣言。今年、球団創立80周年を迎える中日ドラゴンズ。節目の年に谷繁監督の胴上げができるかは、キャプテンの活躍にかかっています。
 
 

【プロ野球 筒香嘉智選手】

 横浜DeNAベイスターズのキャプテンは、キャプテン2年目を迎える筒香選手。チームリーダーとしての自覚が芽生えた去年は、シーズンを通して4番を務め、打率3割1分7厘・ホームラン24本・打点93と、3部門でいずれも自己最高の数字をマーク。中畑監督の狙いは見事に当たりました。しかしその中畑監督も昨シーズンで辞任。後を受けたラミレス新監督は、「ウチでも4番、日本代表でも4番、引き続き筒香をキャプテンにと考えています」と明言。実際、去年11月に行われた国際大会『プレミア12』では、8試合すべてに出場。打率3割8分5厘の活躍をみせ、準々決勝以降は、負傷した西武・中村選手に代わって侍ジャパンの4番を務めました。ラミレス監督はその能力を高く評価。筒香キャプテンのもと、去年の最下位から一気に頂点を狙います。
 
 

【プロ野球 嶋基宏選手】

 2010年、生え抜き選手として初めて、東北楽天ゴールデンイーグルスの選手会長に就任した嶋選手。東日本大震災後の親善試合では、「見せましょう、野球の底力を」という言葉が注目されました。その統率力が評価され、去年から選手会長と兼任でキャプテンにも就任。去年のオフには海外FA権を獲得しましたが、今シーズンは権利を行使しないまま、引き続き楽天でプレーすることになりました。それは「梨田新監督のもと、もう一度新しい環境でプレーしたい」思いと、「再び東北の方々と優勝を味わいたい」という思いの現れ。震災から5年という節目の年に、3年ぶりのペナント奪回、そして日本一を目指します。
 去年のプレミア12では、初代世界一を目指す侍ジャパンのキャプテンに就任。「もう一度、日本の野球が世界一だということをこの大会を通じて証明したい」と語りましたが、残念ながら準決勝で韓国に逆転負けを喫してしまいました。それでも3位決定戦では、メキシコにコールド勝ちして銅メダルを獲得。来年行われるWBCでは、この大会のリベンジと、再びの嶋キャプテンのリーダーシップが期待されます。
 


 来週のスポーツ伝説は……

  2月22日 プロ野球 鈴木大地選手
  2月23日 プロ野球 福井優也投手
  2月24日 マラソン 佐々木七恵選手
  2月25日 マラソン 中山竹通選手
  2月26日 マラソン 瀬古利彦選手

                       以上の5選手をご紹介します。
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