スポーツ伝説

6月22日~26日の放送内容

【プロ野球 広澤克実選手】

 1984年のロサンゼルス・オリンピックで野球日本代表の主砲として金メダル獲得に貢献し、85年に鳴り物入りでヤクルトに入団した広澤選手。この年、ルーキーながら18本のホームランを放ちましたが、リーグ最多となる102三振も記録しています。プロ初打席での三振以降、8年連続で実に100三振以上を記録。通算306本のホームランを放った一方、1529三振は歴代11位です。
 三振を恐れないバッティングを続けた結果、広澤選手は入団から11年連続で2ケタのツーベースとホームランを記録。ヤクルト時代の91年と93年には打点王のタイトルを獲得するなど、中長距離砲としてチームを支えました。また95年からは巨人で、2000年からは阪神でプレーし4番を経験。巨人と阪神、ライバルチームの両方で4番を務めた唯一の選手でもあります。

  

【プロ野球 河野博文投手】

 学生時代は、駒澤大学のエースとして活躍した河野投手。4年生の秋には、東都大学リーグの最優秀投手と、ベストナインに輝く活躍で母校の優勝に貢献。即戦力左腕として1985年、日本ハムファイターズに入団しました。1年目から先発・リリーフの両方をこなし8勝13敗、2年目は1勝10敗と大きく負け越しが続いた河野投手でしたが、入団4年目の88年、ついにプロとして生き抜く武器を見つけて飛躍を遂げます。
 この年は、先発とリリーフで自己最多の46試合に登板。普通は疲れてくれば投球内容にも響きそうですが、河野投手は「登板間隔が空くと逆に調子が悪くなる」という理由から、持ち前のスタミナで好投を続けます。特に日本ハムがAクラス争いをしていた9月は、チーム20試合中、半分以上の11試合に登板。月間防御率0.40で、この年の最優秀防御率のタイトルに輝きました。96年にFA移籍した 巨人でも、疲れ知らずの驚異的スタミナは大きな武器となります。河野投手は、この年からセリーグで表彰が始まった「最優秀中継ぎ投手」に輝き、初代タイトルホルダーとなりました。



【プロ野球 栗橋茂選手】

 1973年のドラフト会議で、近鉄バファローズから1位指名され入団した栗橋選手。酒豪としても知られ、試合後に飲みに行き、翌日寝ないで試合に出場することもよくありました。しかし遠征先で飲んで遅く帰ってきたときも、深夜に宿舎の外で素振りを欠かさなかったといいます。ウエートトレーニングはほとんどしていませんでしたが、体は“和製ヘラクレス”と言われるほど筋骨隆々。外国人に負けないパワーを誇り、77年から86年まで10年連続2ケタホームランも記録しました。
 79年には全試合に出場。自己最多のホームラン32本を放って、近鉄の初優勝に貢献しています。トレード話が来ても「オレを出すならやめる」と近鉄一筋を貫いた栗橋選手。近鉄の9年ぶり3度目のリーグ優勝を見届けて、89年限りで現役を引退しました。



【プロ野球 笘篠誠治選手】
 
 1983年、ドラフト2位で西武ライオンズに入団した笘篠選手。この時の西武は、前年に初の日本一に輝くほど選手層が厚く、当然、高卒ルーキーの笘篠選手が割って入ることは出来ません。しかし2軍生活の中でアメリカ1Aへの野球留学を経験し、猛練習を重ねたことで、4年目の86年から一軍に定着。代打や代走、内外野どこでも守れる守備のスペシャリストとして活躍し、西武黄金時代に控えで欠かせないスーパーサブとして、86年から合計9度のリーグ優勝に貢献しました。
 2歳下の弟・賢治選手は、ドラフト3位で89年にヤクルトスワローズに入団。兄弟の夢は、「日本シリーズで対戦すること」。その夢が92年と93年に実現します。1度目の92年、賢治選手はセカンドで日本シリーズスタメン出場を果たします。シリーズは、最終戦の第7戦までもつれこむ大激戦の末、4勝3敗で西武が勝利。初の兄弟対決は、兄が笑いました。2度目の93年は、弟がリベンジを果たしました。
   
  
 
【プロ野球 清川栄治投手】
 
 1983年のオフ、“左の本格派”の触れ込みで広島カープにドラフト外で入団した清川投手。当時の広島はリーグ屈指の投手王国でした。右の北別府学投手、左では大野豊投手・川口和久投手といった先発にリリーフ陣も充実しており、新人が割って入る余地はほぼありませんでした。そこになんとか割って入るには、他のピッチャーがやっていないことでアピールをしなければ、とオーバースローからサイドスローへの転向を決意。清川投手は“左の変則ピッチャー”として、中継ぎで生きる道を模索します。
 その結果、プロ1年目の84年にわずか1試合だった登板数は、2年目に12試合、3年目には50試合と増えていき、いつしかチームに欠かせない存在になりました。とはいえ入団から4年間で104試合に登板しながら、残した数字はたったの2セーブ。勝ち投手にも負け投手にもならず、毎年の成績は「0勝0敗」「勝ち星ゼロ、負け数ゼロ」という珍しい記録を作りました。この珍記録も、5年目の88年についに途切れる時がやってきます。通算106試合目にプロ初勝利を挙げた清川投手。その1カ月後にプロ初黒星も喫しましたが「デビューから114試合連続で黒星なし」は、2009年に破られるまで日本記録でした。


        
来週のスポーツ伝説は……

6/29(月) MLB グレッグ・マダックス投手
6/30(火) MLB ランディ・ジョンソン投手
7/ 1(水) MLB ペドロ・マルティネス投手 
7/ 2(木) MLB トム・グラビン投手
7/ 3(金) MLB マイク・ムッシーナ投手 
                       
お楽しみに!!
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