スポーツ伝説

9月16日~20日の放送内容

【ラグビー元日本代表 吉田義人選手】

 身長170㎝に満たない小柄な体格ながら、快足を飛ばして相手のディフェンスラインをあっと言う間に突破。記憶に残る伝説のトライを何度も記録した、日本代表の歴史的左ウイング・吉田選手。相手をかわすスピードの速さとトライへの嗅覚は世界でも絶賛され、1992年4月、ニュージーランド代表オールブラックスとのテストマッチに世界選抜のメンバーとして先発出場。ニュージーランド代表の本拠地ウェリントンのピッチに日本人選手として初めて立った吉田選手に、前半30分過ぎに見せ場がやって来ます。
 世界選抜のセンターでイングランド代表・ジェレミー・ガスコット選手の上げたキックパスを、吉田選手はダイビングキャッチすると、そのまま飛び込みトライ。誰も見たことがない鮮やかなトライに、観客も総立ちで拍手。試合後、元オールブラックスの長老が「100年近く生きてきたが、あんなトライは初めて見た!ありがとう!」と吉田選手を讃えたほどです。自分にしかできないプレーを目指し、本能でボールを追ってきた吉田選手の伝説的なトライは、今も世界のラグビーファンの記憶に深く刻み込まれています。


   
【ラグビー元日本代表 元木由記雄選手】

 神戸製鋼で活躍した元木選手は、多少のケガなどものともしない鋼の肉体で世界に挑み続けたラガーマン。体格に恵まれ、少年時代から“怪物”と呼ばれていました。
2001年には全国社会人大会のトヨタ自動車戦で、味方とぶつかってほお骨を6カ所折るケガを負いながらも1ヵ月も経たないうちに復帰したことも。そんな鉄人ぶりを見せた元木選手も、10年3月に現役引退を発表。強靱な肉体を限界まで追い込み、世界と戦った鉄人・元木選手にとって、ワールドカップ4大会連続出場と日本代表79試合出場は何よりの勲章です。



【ラグビー元日本代表 大畑大介選手】
 
 テストマッチ通算69トライの世界記録を樹立した元日本代表の大畑選手は、ラグビーの醍醐味ともいえるトライで世界にその名を轟かせました。その名が日本だけにとどまらず、海外でも評判となったのが、1999年に行われた国際大会・香港セブンズです。強豪スコットランド戦での試合終了間際、自陣ゴール前から走り始めた大畑選手は、相手選手7人を抜き去って約100mの距離を独走トライ。最後のワンプレーでの逆転劇というドラマ性も加わって、大会MVPに選出されたのです。
 テストマッチ通算トライ数69は、今も世界一。引退後はラグビーの普及のため、フィールドをグラウンドの外へと広げている大畑選手。“世界のトライ王”の名と共に、今なお、ラグビーファンから愛され続けています。


    
【ラグビー元日本代表 畠山健介選手】
 
 「スポーツ史上最大の番狂わせ」と言われた、前回のラグビーワールドカップ・南アフリカ戦。何度もペナルティゴールを決めた五郎丸歩選手をはじめ、攻撃を担ったバックス陣が注目を浴びましたが、世界の強敵相手にスクラムで当たり負けしなかったフォワード陣の奮闘も素晴らしいものがありました。そのスクラム戦において、最前列のプロップを務め上げたのが畠山選手。身長178㎝、体重115kgという体格を武器に、日本代表のスクラムを牽引するだけでなく、戦術にも長け、チームのまとめ役です。
 満を辞して臨んだ2011年の第7回ワールドカップでは、3敗1引き分けと、白星を挙げることなく敗退。ちょうど東日本大震災の年であり、畠山選手自身も実家が津波で流さてしまっただけに、「被災地を元気に」という強い思いでワールドカップに臨みましたが、東北に勝利を届けることができませんでした。その後、日本代表の指揮官に、サントリー時代に自分を抜擢してくれたエディー・ジョーンズ ヘッドコーチが就任。恩師の厳しい指導で心身ともにたくましくなった畠山選手は、15年のワールドカップで南アフリカを破る大金星に貢献。「東北に勝利を」「被災地に元気を」という4年後越しの願いを叶えることができたのです。


 
【ラグビー元日本代表 堀越正己選手】
 
 世界屈指の筋肉自慢や、高い身体能力を誇る大男たちが集う、4年に一度のラグビーワールドカップ。我らが日本代表の身体能力を世界の強豪国と比較すると、ワンサイズ小さい印象もぬぐえません。ただ、小柄な選手には、小さいなりに活躍しどころがあるのがラグビーです。その代表が、元日本代表の名スクラムハーフ・堀越選手。身長160㎝ながら、華麗なボールさばきと抜群の運動量から“小さな巨人”と呼ばれ、日本代表の名勝負・名場面には欠かせない存在でした。
 早稲田史上最高のスクラムハーフとの呼び声も高く、大学2年生で日本代表入り。1989年には、世界的な強豪・スコットランドを破る大金星の立役者となりました。91年の第2回ワールドカップにも出場。日本は1戦目、2戦目と連敗。3戦目の相手がジンバブエでした。実はこのときの出場国で、ワールドカップ未勝利は日本とジンバブエの2カ国だけ。否が応でも負けられない一戦で、日本の攻撃陣が躍動します。大会最多9トライの猛攻で52得点をあげ、日本は悲願のワールドカップ初勝利を飾ったのです。その猛攻撃の中心になったのが、ピッチを縦横無尽に走りボールをさばく堀越選手でした。


        
来週のスポーツ伝説は……

 9月23日(月) 陸 上   サニブラウン・ハキーム選手
 9月24日(火) 陸 上   小池祐貴選手
 9月25日(水) やり投げ  北口榛花選手
 9月26日(木) 走り幅跳び 橋岡優輝選手
 9月27日(金) 競 歩   山西利和選手
                       
                        お楽しみに!!
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