スポーツ伝説

9月27日~10月1日の放送内容

【体操 橋本大輝選手】

 東京オリンピックで4大会連続出場を果たした体操界のキング・内村航平選手が、種目別の鉄棒でまさかの落下。予選で姿を消す悪いムードを払拭してみせたのが、個人総合に挑む19歳の若きエース・橋本選手でした。オリンピックの1年延期を前向きにとらえ、この間で急成長。床ではG難度の「リ・ジョンソン」、跳馬では最高難度の「ヨネクラ」と、世界でも屈指の大技を次々と習得し、オリンピックの舞台へとやってきました。
 予選を1位で通過した橋本選手。決勝最初の種目の床で、大技「リ・ジョンソン」を決め、順調なスタートを切ります。あん馬と平行棒で、ともに15点台の高得点をマーク。トップとは僅差の3位で、最後の種目・鉄棒に臨みました。この緊迫した場面でも、橋本選手はG難度の「カッシーナ」など、手放し技を次々と成功させると、最後の着地もしっかり決め、逆転での金メダルに輝いたのです。19歳での個人総合金メダルは、オリンピック史上最年少の快挙でした。橋本選手は種目別・鉄棒でも金メダルを獲得し、37年ぶりのオリンピック個人種目二冠を達成しました。
  

  
【ボクシング 入江聖奈選手】

 日本ボクシング界では史上3人目。女子では史上初。さらに鳥取県出身者でも初となるオリンピック金メダルの快挙を達成した、フェザー級の入江選手。“入江スマイル”と呼ばれる天真爛漫な笑顔でも人気を集めています。伝説のF1レーサー、アイルトン・セナにあやかって聖奈と名付けられた少女が、ボクシングに出会ったのは小学2年生の時でした。ボクシングマンガ『がんばれ元気』を読んで、その深さに惹かれたといいます。
 高校1年で出場したインターハイでは、のちにオリンピック代表となる並木月海選手相手に人生初の負けを経験。こうした悔しさをバネに、時には泣きながら、時には練習中に寝てしまうほどの猛練習を重ね、ついに念願のオリンピック代表の座をつかんだのです。決勝の相手は、2019年の世界チャンピオン。入江選手は素早いステップワークを生かし、左ジャブや右ストレートを打ち込む得意のスタイルで終始リード。終わってみれば5対0の大差で判定勝ちを収め、みごと金メダルに輝きました。


 
【フェンシング 男子エペ団体】

 オリンピックのフェンシング団体は、登録された4人のうち3選手が出場し計9試合の総当たり戦で合計ポイントを競います。日本の男子エペ団体は、世界ランキング8位。個人で日本人初の世界ランク1位に輝いたこともある、34歳の見延和靖選手がリーダーとなり、国際大会で優勝経験のある若手の山田優選手、加納虹輝選手。そして、リザーブで宇山賢選手の4人がメンバーに選ばれました。そして迎えたオリンピック本番、アメリカとの1回戦で2人を残して6点ビハインドといきなり大苦戦。ここで日本はエースの見延選手に代え、リザーブの宇山選手を起用します。この作戦が試合の流れを変えて2点差までに追い上げ、最後はアンカー・加納選手が最終試合で一気に16点を挙げ、日本は大逆転勝利を収めました。
 団体戦の規定で、一度ベンチに下がった選手は、もう出場メンバーに戻ることはできません。日本はエースの見延選手抜きで準々決勝に進み、オリンピック3連覇中の絶対王者・フランスと対戦します。誰もがフランス有利を疑わないなか、ここでもアンカーの加納選手が奮闘。2点差で迎えた最終第9試合、フランスにマッチポイントを握られてもあきらめず、そこから2ポイントを連取。またしても逆転勝利をつかんだのです。絶対王者を倒して勢いに乗った日本は、その後の準決勝、決勝とあぶなげない勝利を収め、ついに悲願の金メダルを獲得。日本フェンシング界にとって史上初。さらに、この種目でフェンシングの本場・ヨーロッパ勢以外の国が金メダルを取ったのも、初めての快挙でした。



【レスリング 川井梨紗子・友香子選手】
 
 姉の川井梨紗子選手・妹の友香子選手姉妹の父親はレスリングの元・学生チャンピオン、母親は世界選手権に出場経験があるレスリング一家。梨紗子選手は小学2年生でレスリングを始めます。本当は手芸やピアノがやりたかった友香子選手も、家族の勧めで最初は嫌々始めたそうです。ともにレスリングの名門・至学館大学に入学。友香子選手が本気で世界を目指そうと思ったのは、2016年、姉の梨紗子選手がリオ・オリンピックで、金メダルを獲得したことがきっかけでした。姉の勇姿を目の当たりにして奮起した友香子選手。その日から、「一緒に東京オリンピックに出て、姉妹で金メダルを獲ろう!」が二人の合言葉になりました。
 妹と同じ階級では一緒に出場できないため、減量の苦労を承知の上で、リオの時より階級を下げた梨紗子選手。そんな姉の思いに友香子選手も応えます。19年の世界選手権で友香子選手は3位となり、梨紗子選手は優勝。姉妹で東京オリンピック出場を決めました。迎えた東京オリンピック本番。62キロ級の妹・友香子選手は順調に勝ち進み、みごと初出場で金メダルを獲得。翌日、今度は姉の梨紗子選手が、57キロ級の決勝に進出します。梨紗子選手は序盤からリードを奪うと、終盤は相手の猛攻に耐え、みごと勝利。女子レスリング史上初となる「姉妹で金メダル」の夢を実現させたのです。



【柔道 ウルフ・アロン選手】 

 オリンピック・柔道男子100キロ級で日本人が金メダルを獲得したのは、男子代表監督を務めた井上康生さんが成し遂げた2000年のシドニー大会が最後。この階級の金を取り戻すべく東京大会の代表に選ばれたのが、ウルフ選手です。身長181㎝の強靱な体から繰り出す豪快な柔道が持ち味で、大内刈りや内股の投げ技を得意としています。そんなウルフ選手の一番の課題は「減量」でした。さまざまな減量法を試した末にたどり着いたのが、110キロを超える体重を徐々に105キロまで減らし、そこから本番前の1週間で残りの5キロを一気に落とすという方法でした。
 オリンピックの計量をパスしたら、今度は急激に体重を落とすことで失われたエネルギーの回復に徹します。その源になったのがおにぎりです。試合までの間にひたすら食べた数は、なんと28個。飽きないように色々な具を用意して食べたというおにぎりパワーが、金への手助けをしてくれました。ウルフ選手の持ち味の一つが、豊富なスタミナです。東京オリンピック決勝、韓国のチョ・グハム選手との戦いは延長戦に突入します。実況で使われた、ウルフ選手が延長戦に強いことを表現する“ウルフタイム”という言葉が話題になりました。そして延長5分35秒、ウルフ選手の得意技、大内刈りが決まり一本。男子100キロ級では21年ぶりとなる、涙の金メダルでした。



来週のスポーツ伝説は……

10/4(月) プロ野球 チアゴ・ビエイラ投手
10/5(火) プロ野球 藤原恭大選手  
10/6(水) プロ野球 平野佳寿投手
10/7(木) プロ野球 牧秀悟選手
10/8(金) プロ野球 森敬斗選手

お楽しみに!!
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