スポーツ伝説

6月6日~10日の放送内容

【競泳 北島康介選手】

 競泳のオリンピック代表選考は、その年の日本選手権で一発勝負で決まります。個人種目の場合は、決勝に進み、日本水連が独自に定めた派遣標準記録を突破した上で、2位以内に入らなければなりません。
 アテネ・北京で2大会連続、平泳ぎで2冠を制した北島選手は、シドニー以降、5大会連続出場を懸けて今年4月の日本選手権に臨みました。しかし100mでは2位に入ったものの、派遣標準記録にわずか0.3秒及ばず。200m平泳ぎも決勝に進みましたが5位に終わり、5大会連続出場は果たせずに終わりました。大会終了後、現役引退を発表した北島選手。現役時代はオリンピックで数々の名言を残しており、その言葉を聞くたび、それぞれの瞬間が今でも鮮明に思い起こされます。 



【競泳 松田丈志選手】

 松田選手はリオオリンピックへの個人種目での出場は逃しましたが、200m自由形で2位に入り、男子800mリレーの代表に選ばれました。2004年のアテネ大会から、4大会連続のオリンピック出場となる松田選手。4年前のロンドンでは、200mバタフライで北京に続く2大会連続の銅メダルを獲得。男子400mメドレーリレーにも出場し、個人種目でメダルなしに終わった北島選手を「手ぶらで帰すわけにはいかない」と奮起。銀メダル獲得に貢献しました。
 今回、800mリレー一本で戦う松田選手。リレーのメンバーは「丈志さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」と、4年目にあやかった言葉を。32歳の誕生日を迎え、競泳日本代表の中で最年長となった松田選手は、いまや“トビウオジャパン”の精神的柱ともなっています。
 


【バレーボール 荒木絵里香選手】
 
 激闘の末、オリンピック最終予選を突破し、リオへの最終切符をつかみ取ったバレーボール全日本女子“火の鳥ニッポン”。眞鍋監督はチームに刺激を与えようと、元キャプテンの荒木選手を4年ぶりに代表に呼び戻しました。
 荒木選手は2012年のロンドンオリンピックでキャプテンを務め、28年ぶりの銅メダル獲得に貢献しましたが、翌13年に結婚して一旦引退。しかし14年1月に出産すると、その5か月後に現役復帰し、所属する上尾メディックスを3位に押し上げる大活躍を見せました。もともと荒木選手のガッツやハートを買っていたという眞鍋監督は、代表の若手選手に欠けているものを補うと同時に、カンフル剤的な効果を狙ったのです。今回、オリンピック最終予選を3位で終えた日本。荒木選手は「今大会、印象深いのはリオの出場権が取れたということだけです」と手厳しいコメントを。2大会連続のメダルを狙うリオでは、更に手強い相手が待ち構えています。



【プロ野球 DH珍事件】
 
 日本のプロ野球ではパシフィック・リーグ、メジャーではアメリカン・リーグが採用している指名打者制度・DH。攻撃の時、打力が期待できないピッチャーの打順で代わりに打席に立つ攻撃専門の選手のことで、今開催中のセ・パ交流戦では、パ・リーグ主催でゲームが行われる際にDH制が採用されます。
 1998年5月15日、グリーンスタジアム神戸で行われたオリックス対ダイエー戦では、オリックスの外国人トロイ・ニール選手が4番・DHで先発出場しましたが、タイミング悪く試合直前に激しい腹痛に襲われてしまいます。見かねたオリックスの仰木彬監督はダイエーの王貞治監督に事情を話し、王監督も交代を了承。しかし公式記録員から待ったが掛かりました。公認野球規則によると、メンバー表に名前を書かれた以上、ニール選手は最低でも1打席、アウトになるか塁に出るまでピッチャーと対戦しなければいけないというのです。仕方なく、顔面蒼白で打席に立ったニール選手。ダイエー・吉武投手の甘く入ったカーブを振り向くと、打球は2ランホームランに。ニール選手は全速力でベースを一周すると、すぐに病院に直行しました。
 91年5月29日の近鉄対オリックス戦でも、珍しい出来事が起こっています。ストッパーを務めていたドン・シュルジー投手は、リードした場面で登板しますが、同点に追いつかれて試合は延長戦へ。オリックスベンチは勝利を確信していたため、この時すでに、DHの選手を守備につかせてしまっていました。この場合、ピッチャーが打席に立たなくてはいけません。延長11回表に打順が回ってきてしまったシュルジー投手。なんと近鉄・赤堀投手の初球をレフトスタンドに運び、来日初打席・初球・初ホームランをマーク。その裏の攻撃を抑えて、勝利投手にもなりました。
 
 

【プロ野球 復活勝利列伝】
 
 中日の吉見一起投手は、5月22日にナゴヤドームで行われた中日対巨人戦で、約1年ぶりの白星を挙げました。昨年10月に右ひじの手術を受け、開幕から2週間遅れで一軍に昇格。投げては登録抹消を繰り返し、今シーズン5度目の先発で待望の今季初勝利を手にしたのです。実は吉見選手は13年にも右ひじの手術を受けており、14年は未勝利。昨年4月1日の巨人戦で708日ぶりの勝利を挙げていました。その直後のシーズン途中での再離脱ということもあり、今シーズンに懸けている吉見投手。5年連続2ケタ勝利を挙げたエースの完全復活なるか、楽しみです。
 中日の八木智哉投手は、吉見投手より更に長い間隔で復活勝利を挙げました。日本ハム時代の2006年には、新人王にも輝やいた八木投手。13年にトレードでオリックスに移籍しますが、2年間で1勝も挙げられず、14年オフに戦力外通告を受けました。その後、トライアウトで中日に入団。昨年4月4日の広島戦で、日本ハム時代以来982日ぶりに白星を手にしたのです。
 2012年9月以来、1019日ぶりの勝利を挙げたのは、東京ヤクルトの館山昌平投手。右ひじじん帯の再建手術を3度も受けながら復活。去年は6勝を挙げ、14年ぶりのリーグ優勝にも貢献しました。



来週のスポーツ伝説は……

  6月13日(月) プロ野球 連続無失点記録
  6月14日(火) プロ野球 新人投手の名言
  6月15日(水) プロ野球 高井保弘選手
  6月16日(木) プロ野球 川相昌弘選手
  6月17日(金) プロ野球 交流戦優勝伝説
            
                       お楽しみに!!
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