スポーツ伝説

6月19日~23日の放送内容

【プロ野球 大逆転ゲーム】

 今週末から、リーグ戦が再開されるプロ野球。今シーズン、ここまでの試合を振り返って特に印象に残った大逆転劇といえば、5月6日に行われた、阪神タイガース 対 広島カープ戦です。0対9の劣勢をひっくり返し、阪神が12対9で大逆転勝利を収めたこの試合。9点差からの逆転勝利は、阪神としては球団初。セ・リーグとしても22年ぶりの珍事でした。しかし長いプロ野球史をさかのぼると、10点差を逆転した試合が、過去に3度もありました。
 まずは、1949年10月2日に行われた、大陽ロビンス 対 大映スターズの一戦。0対10と、10点リードされた大陽ロビンスが、6回からの3イニングで10点を返し同点に。さらに9回ウラ、押し出しデットボールでサヨナラ勝ちという波乱の幕切れとなりました。1951年5月19日の大洋ホエールズ 対 松竹ロビンスの一戦では、2対12と10点のリードを許した松竹が、終盤3イニングで一気に11点を奪い、大逆転勝利。1997年8月24日に大阪ドームで行われた、近鉄バファローズ対千葉ロッテマリーンズ戦では、近鉄はこの試合で負ければ最下位転落という、まさに崖っぷちの状態でした。しかしロッテに先制を許し、序盤の2イニングで10失点。このまま最下位に沈むのかと思いきや、3回裏と4回裏に1点ずつ返すと、5回裏には一挙4点。さらに7回裏にも3点を追加し、9対10。結局試合は延長戦へともつれ込み、迎えた12回裏、ツーアウト満塁という場面で、打席には指名打者のフィル・クラーク選手。期待に応えてサヨナラヒットを放ち、48年ぶりとなる10点差の逆転劇を演じてみせたのでした。
   
   
    
【プロ野球 ルーキートリオ】

 今シーズン序盤で注目を集めたのが、東北楽天ゴールデンイーグルスの快進撃。その投手陣を支えたのが、下位指名のルーキートリオです。
 まず12球団の新人ピッチャーの中で最初に勝利を挙げたのは、ドラフト9位のサウスポー・高梨雄平投手。次に注目を浴びたのは、社会人からドラフト5位で入団した森原康平投手。そしてもう一人が、5月4日のオリックス戦で初勝利を挙げた、ドラフト4位の菅原秀投手です。1対1の同点で迎えた5回、ツーアウト満塁という場面でマウンドに立った菅原投手は、打者1人をわずか3球で仕留め、その直後に楽天が勝ち越したため、わずか3球での勝利投手となりました。今週末からは、リーグ戦も再開。4年ぶりのリーグ優勝、そして日本一を目指し、ルーキーたちの戦いはこれからも続きます。
  
   

【プロ野球 ランディ・メッセンジャー投手】
 
 2010年に阪神タイガースに入団。今季で来日8年目を迎え、外国人選手で契約期間が球団史上最長になったメッセンジャー投手。今シーズンで3年連続、通算4度目となる開幕投手を務め、見事に白星発進。外国人投手で通算4度の開幕投手は、歴代最多です。3月・4月には5試合に登板して4勝無敗、防御率1.95。圧巻の成績を残し、月間MVPを受賞しています。
 もともと、身長198㎝から投げ下ろす豪腕投手、という触れ込みで来日。メッセンジャー投手本人としても、155キロ近いストレートを投げていれば、日本人選手など簡単にねじ伏せることができるはず、と思っていたそうです。しかし力で抑えようとすればするほど、コントロールが定まらず大乱調が続き、あえなく二軍落ち。この挫折が大きな転機となり、「必要なのは剛速球ではなく、140キロ台でも丁寧にコーナーに投げ分けることだ」と考えを改めました。チーム事情もあって、当初の中継ぎから先発への転向も決定し、三振よりも一球で仕留めるスタイルへと変更。これが功を奏し、一軍復帰後は、先発の柱として活躍するようになったのです。

   
    
【プロ野球 エルネスト・メヒア選手】

 2014年、開幕から1ヵ月程経った5月5日に埼玉西武ライオンズへの入団会見を行った、ベネズエラ出身のメヒア選手。前年、アトランタ・ブレーブス傘下のトリプルAのチームで28本のホームランを打ったメヒア選手は5月15日、札幌ドームで行われた北海道日本ハムファイターズ戦に、5番・指名打者で初出場。いきなりの来日初打席・初ホームランを記録しました。メヒア選手はその後もホームランを量産し、この年は106試合に出場して34ホーマーをマーク。チームメイトの中村剛也選手と、ホームラン王のタイトルを分け合いました。シーズン途中に入団した選手がホームラン王に輝いたのは、史上初の快挙です。
 期待された来日2年目は、オフの調整に失敗し、前半の不振が響いて27本。3年目の去年は35本をマークし、今年5月4日には、来日4年目で早くも通算100号に到達。強打者が並ぶライオンズ打線の中でも、とりわけ相手ピッチャーに恐れられています。
  
   

【プロ野球 フェルナンド・セギノール選手】

 パナマ出身、左右両打ちの外国人スラッガーとして2002年にオリックス・ブルーウェーブに入団したセギノール選手。左打席と右打席、どちらでもホームランが打てる長打力を武器に、2試合連続、左右両打席でホームランを打つという離れ業も演じました。これは史上初の快挙で、この年23本のホームランも記録しましたが、打率は2割4厘と低迷。ムラの多さが嫌われ、わずか1年でオリックスを解雇されてしまいました。
 翌年はアメリカでプレー。マイナーリーグでホームラン・打点の二冠王を獲得したセギノール選手に、今度は北海道日本ハムファイターズが目をつけました。そして04年、再び来日すると、開幕からケタ外れのパワーでホームランを量産。この年、44本のホームランを記録して、三冠王に輝いた福岡ダイエーホークス・松中信彦選手と同じ本数でホームラン王のタイトルを獲得。主砲として申し分のない活躍を果たしました。ファイターズ加入3年目の06年は、四番打者としてチームを引っ張り、25年ぶり、北海道移転後初となるパ・リーグ制覇に貢献します。さらに日本シリーズでも、第5戦で合を決めるツーランホームランを放ち、チーム44年ぶりの日本一に貢献しました。翌07年限りで日本ハムを退団した後は、2年間、東北楽天ゴールデンイーグルスでプレー。10年にはオリックスと再契約しますが、目立った成績は挙げられませんでした。しかし、左右両打席ホームランを通算9度も記録したのは、セギノール選手が最多です。
     
   
来週のスポーツ伝説は……

  6月26日(月) プロ野球と沖縄
  6月27日(火) プロ野球と青森
  6月28日(水) プロ野球 背番号列伝4番
  6月29日(木) プロ野球 野村克也選手
  6月30日(金) サッカー ワールドカップ決勝戦
            
                       お楽しみに!!
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