スポーツ伝説

4月20日~24日の放送内容

【大相撲 朝乃山英樹関】

 昨年11月の九州場所は小結で11勝、今年1月の初場所は関脇で10勝を挙げた朝乃山関。春場所で12勝以上挙げれば、「直前の3場所通算で33勝」という目安に届き、大関昇進が決まる重要な場所でした。しかし春場所は、新型コロナウイルスの影響で無観客で開催。本来なら観客の大声援を受けて戦えるはずでしたが、歓声は一切なく気持ちの維持が難しい状況になり、最終的に11勝4敗で場所を終えました。
 また来場所にと気持ちを切り替えようとした朝乃山関でしたが、審判部が朝乃山関の安定した相撲内容を評価。臨時理事会での満場一致で、大関に昇進したのです。地元・富山県からは、横綱・太刀山関以来、111年ぶりの新大関誕生となりました。



【大相撲 阿武咲奎也関】

 阿武咲関は、青森県出身の23歳。高校を中退して、阿武松部屋に入門。トントン拍子で番付を上げ、三役の小結になったのは、同じ学年の大関・貴景勝関より先でした。ところが小結となって2場所目、2018年1月の初場所で、右ヒザの後十字じん帯を損傷する大ケガを負ってしまいます。その影響で一時は十両まで落ち、この春場所の番付は西前頭5枚目でした。
 5勝4敗で迎えた10日目、初日から9連勝中の横綱・白鵬関に快勝。八角理事長も「白鵬に勝つのはこういう相撲、というお手本のような相撲」と、阿武咲関を絶賛しました。白鵬関の連勝を止め、優勝争いを混戦に持ち込んだこの1勝が評価され、阿武咲関は自身初の殊勲賞を受賞。復活をアピールした阿武咲は、先を越されたライバル・貴景勝関を追って、大関の座を目指します。



【空手・形 喜友名諒選手】

 今や世界で1億人以上の愛好者がいるといわれる、ワールドスポーツの空手。この競技には「組手」と「形」の2つの種目があります。二人の選手が向きあって“突き”“蹴り”などの攻防で勝敗を決める「組手」。一方、選手が一人で演舞場に立ち、目の前に敵がいると想定して技を繰り出す「形」。こちらは、攻撃技と防御技を一連の流れに組み合わせて演武し、審判による採点方式で勝敗が決まります。
 この「形」で世界に君臨し、金メダル最有力候補と言われるのが、空手の男子日本代表・喜友名選手です。力強さ、流れるような動き、正確な呼吸法、立ち方など、気迫を込めた演武は、世界から高く評価されています。世界選手権は2014年から3連覇。これは師匠の佐久本嗣男さん以来、30年ぶりの快挙でした。


 
【空手・組手 西村拳選手】
 
 “空手界のプリンス”こと西村選手は、体重別にクラス分けされ、蹴りや突きで互いに攻め合う「組手」の日本代表として来年の東京オリンピック出場が内定しています。西村選手が空手を始めたのは3歳の頃。中学3年でアジア大会に初めて日本代表として出場し、みごと2位になりました。15歳で親元を離れ、空手の名門・宮崎第一高校に進むと、インターハイや国体で優勝。“プリンス”の名に恥じない、全国区の選手へと成長を遂げたのです。
 大学進学後も、2年生の時に全日本学生選手権を制覇。3年生で国際大会でも優勝するなど、さらに実力を伸ばしていった西村選手。 昨年9月に行われた、オリンピックの前哨戦となる国際大会では、同じ75キロの階級で世界選手権 5度の優勝を誇る、アゼルバイジャンのラファエル・アガイエフ選手を破って優勝しました。アガイエフ選手は西村選手にとって憧れでもあり、オリンピックの決勝で対戦することを互いに熱望しています。


 
【空手・形 清水希容選手】
 
 空手の全日本選手権では、昨年まで7連覇中。2014年、16年と世界選手権連覇も果たした「形」の女子日本代表、清水選手は誰もが認める空手界のトップ選手です。高校3年生の時、「次、勝てなかったら空手をやめる」と自らプレッシャーをかけ、みごとインターハイで優勝。大学2年生の時には、全日本選手権で最年少優勝を果たしました。
 清水選手の魅力は、下半身と体幹の強さが生み出す無駄のない動きと、技のキレにあります。鍛え上げた下半身の強さが活きるのは、世界トップクラスと呼ばれる、高くて滞空時間のある飛び技の場面です。疲れが出るはずの演武中盤以降でも誰よりも高くジャンプすることで、よりダイナミックな「形」を表現することができています。この強みを武器に、オリンピックでは初代空手女王の座を狙います。


来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
BACK
NEXT