スポーツ伝説

10月19日~23日の放送内容

【野球 早川隆久投手】

 早稲田大学の早川投手は、千葉県出身の左腕。木更津総合高校時代は通算3回甲子園に出場し、3年生の時には春・夏連続でベスト8入りを果たしました。身長180㎝、体重80㎏という恵まれた体格から繰り出す150キロを超える速球と、切れ味鋭い変化球を武器に、早稲田大学入学から即ベンチ入り。開幕戦で好リリーフを見せ、順風満帆のスタートを切ります。しかし1年生の秋、2年生の春と、チャンスはもらうものの思うように勝てなくなり、苦しい時期を過ごした早川投手。転機になったのは2年生のシーズン終了後、早稲田大学OBで、元・千葉ロッテマリーンズの小宮山悟さんの監督就任でした。
 小宮山監督は早川投手に、早稲田で代々左のエースが背負ってきた背番号「18」を渡し、奮起を促します。それが功を奏し、早川投手は3年生の春に3勝を挙げると、夏には侍ジャパン大学代表に選ばれました。日米大学野球では2試合に先発。アメリカ打線を見事に抑え、防御率0.00で最優秀投手に選ばれる活躍を見せたのです。早川投手は今年から背番号10を背負い、キャプテンに任命されました。新型コロナウイルスの影響で開幕が8月に延期になった東京六大学野球では、初の完投勝利。ドラフト会議へ向けて、準備は万端です。
   

【野球 中森俊介投手】

 最速151キロのストレートに、カーブ・スライダー・チェンジアップ・フォークと多彩な変化球を持つ、明石商業高校の中森投手。“高校生ナンバーワン右腕”と呼ばれ、その名は1年生の時から全国区でした。2018年夏の甲子園第100回大会では、1年生ながらマウンドを経験。2年生の時には、春・夏連続で甲子園ベスト4に導く、明石商業の絶対的エースとして君臨しました。次こそは全国制覇と意気込んだ今年春のセンバツは、新型コロナウイルスの影響で大会が中止に。夏の大会も中止となり、悲願だった全国制覇の夢は戦わずして消えてしまいました。
 しかし8月、センバツ出場校を対象に開催された甲子園交流試合では、甲子園の常連校、群馬の桐生第一を相手に完投勝利を挙げ、高校生活最後の甲子園のマウンドを見事に締めくくってみせました。そんな中森投手が高校3年間を通して刺激を受け続けた存在が、同じ明石商業のキャプテンで、走攻守三拍子揃った超高校級外野手・来田涼斗選手です。今年のドラフト会議では、二人とも1位指名候補と高い評価を集めています。公立高校から、複数の選手がプロ指名を受けるのは13年ぶり、2人とも1位指名となれば、36年ぶりの快挙となります。
  



【野球 小深田大地選手】

 今年は春のセンバツに続き、夏の甲子園大会も中止になる中、各都道府県で高校野球の独自大会が行われました。強豪がひしめく激戦区・大阪は、去年の夏に甲子園を制した履正社高校と、一昨年の夏に甲子園春夏連覇を達成した大阪桐蔭高校が激突。この試合で活躍したのが、履正社高校の小深田選手です。長打力と確実性を兼ね備えた高校球界屈指の好打者といわれる小深田選手は、6打数4安打の固め打ちを見せて勝利に大きく貢献しました。
 名門の履正社高校にあって、小深田選手は1年生の夏からサードを任され、背番号5が与えられます。1年生の夏でひと桁の背番号をつけたのは、ヤクルト・山田哲人選手や、ロッテ・安田尚憲選手など、プロ野球で活躍する偉大なOBでもできなかった快挙でした。全国デビューとなった2年春のセンバツでは、初戦で星稜高校に敗れたものの、のちにヤクルト入りする奥川恭伸投手から痛烈なライト前ヒットを放ち、存在感を示しました。そんな小深田選手が大きく名を挙げたのが、去年の夏の甲子園。全6試合に3番・サードで出場して9安打を放つ活躍で、履正社高校も悲願の全国制覇を果たしました。



【野球 西川僚祐選手】
 
 西川選手は、全国制覇を何度も成し遂げている名門・東海大相模高校で、1年生の夏から4番を任された規格外のスラッガー。2018年に東海大相模に入学すると、デビュー2戦目となる夏の北神奈川大会で4番に抜擢され、両翼95mを遥かに超えるレフト場外への特大のホームランを放って桁外れのパワーを見せ付けます。
 しかしその後はケガもあって伸び悩み、19年、2年生の夏に甲子園出場を果たしますが、自身は2試合に出場して8打数ノーヒット。雪辱を誓った西川選手は、2年生の秋季大会でそれまでの鬱憤を晴らすかのように打ちまくります。神奈川大会ではホームラン3本を放って優勝に貢献すると、関東大会でも好調をキープ。秋季大会9試合で打率は5割2分9厘、ホームラン4本と結果を残し、東海大相模を春のセンバツ出場へと導きました。



【野球 井上朋也選手】 
 
 今年8月に特別に開催された、甲子園交流試合。初日の第1試合が始まる前に選手宣誓を披露したのが、花咲徳栄高校のキャプテン・井上選手です。「今、私たちにできることは、1球をひたむきに追いかける全力プレーです」この言葉は、高校野球の意義を訴えるものとして、大きな反響を集めました。2018年、井上選手は花咲徳栄高校に入学。すぐにレギュラーの座を勝ち取ると、1年生の夏の甲子園ではチームを勝利に導く逆転タイムリーを放ち、2試合で9打数4安打。早くも怪物ぶりを発揮します。
 19年、2年生の夏にはチームの4番として甲子園に帰って来た井上選手。今度はヒット1本だけでチームも初戦敗退。井上選手にとって甲子園は、華々しい活躍と共に、苦い経験も味わった特別な場所でした。悔しさをバネにさらにバッティングに磨きをかけた井上選手は、2年生秋の公式戦で、8試合で打率3割6分11打点と勝負強さを発揮し。チームを春のセンバツ出場へと導きます。結果的に大会は中止になりましたが、コロナ禍で自主練習が続いた期間を「自分のことに集中できる」と前向きに捉え、苦手だったインコース打ちを特訓。高校通算ホームランの数を、50本の大台に乗せるまで成長を遂げました。
  


来週のスポーツ伝説は……

10/26(月) サッカー  内田篤人選手
10/27(火) バドミントン  髙橋礼華選手
10/28(水) バスケットボール 折茂武彦選手
10/29(木) NBA ビンス・カーター選手
10/30(金) ラグビー  大野均選手
                       
お楽しみに!!
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