スポーツ伝説

10月5日~9日の放送内容

【プロ野球 トニー・バーネット投手】

 ヤクルトのバーネット投手は、今年で6シーズン目。メジャー経験はなく、マイナーリーグでも今一つの投手でしたが、日本球界で素質が開花。今シーズンは自己最多セーブを更新した伝説の守護神です。
 2010年、横浜ベイスターズ戦で日本初先発。初勝利を飾りました。ただ、制球に難があり、この年はわずか4勝に終わります。1年契約だったこともあり、フロントもこの時点で自由契約を決断。しかし獲得を予定していた韓国人投手がメディカルチェックで不合格となったことから、バーネット投手と再契約を結ぶことになりました。すると、2年目は中継ぎとして安定感を発揮。3年目には9回を締めくくるクローザーに抜擢され、最多セーブのタイトルを獲得。今年はキャンプ初日から投手陣の中で群を抜いた仕上がりを見せ、開幕から23試合連続無失点。7月は登板した8試合すべてでセーブをマークするなど、月間MVPに輝き、混セを演出した一人と言われました。
 


【プロ野球 中村悠平捕手】

 今シーズンのセ・リーグが大混戦となった一因が、司令塔であるキャッチャーの人材難。そんな中、ヤクルト・スワローズはプロ7年目の中村選手が正捕手として成長したことで、2年連続の最下位から浮上のきっかけをつかみました。
 規定打席をクリアすることは、レギュラーの証明。セ・リーグ各チームのキャッチャーがなかなかできずにいる中、中村捕手はこれをクリア。成長は見せたのは、リード面でした。「リードは何万通りもある。どれがベストか答えを探し、まだ答えは出ていません」と、旺盛な探究心をのぞかせます。去年・今年とオールスターに出場。昨年は打率2割9分8厘と急上昇を見せ、中村選手の入団と同時に横浜ベイスターズからFA移籍した、同じキャッチャーの相川選手を控えに追いやりました。福井商業高校出身の選手は、中村選手が球団初。「後輩たちのためにも頑張らないといけない。古田選手のつけていた27番を下さいと言えるような選手になります」と誓っています。
 

 
【プロ野球 中尾孝義捕手】

 1980年、ドラフト1位で中日に入団した中尾選手には、越えねばならない大きな壁がありました。それは、長い間正捕手をつとめてきた木俣達彦選手。それまでは、キャッチャーといえば大柄でがっしりとしたイメージ。中尾選手は持ち前の闘争心で体格不足を補い、俊足で一発もあるという、誰もが目を見張ったアスリート的な一面をアピール。代打・代走などユーティリティープレーヤーとして、次第に首脳陣の信用を得て行きました。
 2年目の82年には、優勝に貢献。ホームランは18本でしたが、打率は3割に届かず。しかし強気のリードで投手陣の意外性を引き出し、本塁のクロスプレーが見もののひとつに。そしてこの年、南海時代の野村克也選手に続いて、史上2人目のキャッチャーでのMVPを獲得。セ・リーグでは初の快挙となりました。
 


【プロ野球 木田勇投手】

 渾身の1球を投じたピッチャーから飛び出すガッツポーズ。その元祖は、1980年代に活躍したスーパールーキー、日本ハムファイターズの木田投手と言われています。1979年のドラフトの目玉は、阪神へ入団した岡田彰布選手と、社会人野球の大物・木田投手でした。お父さんの体調を考えて在京球団を希望していた木田投手は、2度目のドラフトで、当時は在京球団だった日本ハムに入団します。
 80年、パ・リーグは2シーズン制が敷かれていました。開幕2戦目に初登板して初先発・初勝利・初完投。4月だけで4勝をあげ、月間MVPに輝きます。その後も快進撃は続き、前期と後期合計22勝。優勝こそ逃したものの、木田投手は最多勝・最優秀防御率・最高勝率・最多奪三振など、タイトルを独占。史上初となる新人賞とMVPの同時受賞も果たしました。先発・抑えにも起用され、この年だけで253イニングに登板。ところが2年目は10勝。それ以降は左肩痛のために、プロ11年で通算60勝。実に太く短い現役生活でした。 
 


【陸上 サニブラウン・アブデル・ハキーム選手】

 城西大学付属城西高校2年生のハキーム選手は、今年8月の北京での世界選手権から帰国直後、プロのアスリートになることを示唆。実現するのは早くても高校卒業後の2017年春以降ですが、アメリカに活動拠点を移して、競技に専念する決意を固めました。
 今年の日本選手権で100m・200m共に2位となり、驚異の高校生と日本中を驚かせました。7月に南米コロンビアで開催された18歳未満の世界ユース選手権では、100m・200mそれぞれで大会レコードをマークして2冠達成。高校総体から、北京の世界選手権へと一気にステップアップを果たしたのです。世界選手権200mでは、この種目の大会最年少出場。予選では今季の世界ランク1位、アメリカのガトリン選手と同じ組で走り、2位に。ところが期待された準決勝では自分の走りができず、敗退を喫します。それでも今年は、2020年の東京オリンピックを目指す陸連のダイヤモンドアスリートに認定されるなど、飛躍の一年となりました。 
  


来週のスポーツ伝説は……

 10月12日(月) サッカー  香川慎司選手
 10月13日(火) プロ野球  山内和宏投手
 10月14日(水) プロ野球  山内孝徳投手
 10月15日(木) プロ野球  トニー・ソレイタ選手
 10月16日(金) レスリング 吉田沙保里選手

                       以上の5選手をご紹介します。
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