スポーツ伝説

7月16日~20日の放送内容

【MLB オールスター】

 ミネソタ・ツインズの本拠地、ターゲット・フィールドで行われた2014年のメジャーリーグ・オールスターゲーム。この年限りでの現役引退を表明していたニューヨーク・ヤンキースのスター選手、デレク・ジーター選手は2安打を放ち、みごとに有終の美を飾りました。
 一方、テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手は、デビュー以来3年連続3度目の選出。過去2回はローテーションの関係などで登板せず、この年が初登板となりました。3回にアメリカン・リーグの3番手で登板していきなり三振を奪うと、続く2人も打ち取って、初の晴れ舞台を三者凡退で飾りました。そして6回、ツーアウト三塁のピンチに7番手で登板したのが、ボストン・レッドソックスの上原浩治投手です。対戦したのは、この時点でホームランを16本も打っていたシンシナティ・レッズのスラッガー、デバイン・メゾラコ選手。上原投手は初球ストレートの後、得意のスプリット・フィンガード・ファストボールを3球続けて投げ、みごと空振り三振に切ってとりました。

  
   
【サッカー ガンバ大阪】

 5月20日以降、ワールドカップのために2ヵ月中断していたJ1リーグ。ここまでの順位は、2位に勝ち点差9の大差をつけてサンフレッチェ広島が首位。しかしまだまだ先は読めません。過去にこの中断をきっかけにして、大逆転優勝を果たしたチームがあるからです。ブラジルワールドカップが行われた2014年に、J1を制覇したガンバ大阪です。この年、ガンバはJ2からJ1に復帰したばかり。しかもワールドカップ中断前までは、J2降格圏内の16位。当時首位の浦和レッズとの勝ち点差は14もありました。まさに“Jリーグ史上最大の逆転劇”だったのです。
 ガンバ大阪がリーグ再開後に躍進できた理由のひとつは、中断期間中に攻撃面のテコ入れができたこと。開幕直前、前年のJ2優勝に貢献した若きエース・宇佐美貴史選手がケガのため離脱。そのため自慢の攻撃力が鳴りをひそめていましたが、2ヵ月の中断が功を奏して戦線復帰し、以降26試合で10ゴールの決定力を見せました。加えて、フォワードのパトリック選手を獲得。ポストプレーなど前線で基点になれる選手が加わったことで、宇佐美選手のゴール量産に繋がったのです。

   

【サッカー 中田英寿選手】

 サッカー界にとって、ワールドカップ・イヤーは大きな節目。新戦術や新しいスターの台頭など、ワールドカップをひとつの区切りとして、新しい時代へと移り変わることがよくあるからです。ワールドカップでの活躍をきっかけに、海外移籍を実現させる日本人選手が現れるようになったのもその現象のひとつ。1998年、日本が初めて出場したワールドカップ・フランス大会で世界に実力を示したのが、代表の司令塔を務めた中田選手でした。フランス大会では、グループリーグでアルゼンチン・クロアチア・ジャマイカと対戦した日本代表。残念ながら3戦全敗に終わってしまい、世界との差を痛感した大会でしたが、そんな中で1人気を吐いたのが中田選手でした。
 「ワールドカップで活躍することが、ヨーロッパに行く近道」という意識で大会に臨み、3試合にフル出場した中田選手。少ないながらも日本の決定機を演出した確かな技術と頭脳が認められ、ワールドカップ終了後には、10を越える海外クラブから獲得オファーの声がかかりました。ビッグクラブからも声がかかった中田選手ですが、選んだ移籍先は、イタリアの1部リーグ・セリエAに昇格したばかりのペルージャ。日本人では三浦知良選手以来、史上2人目のセリエAプレーヤーとなり、鮮烈なデビューを飾ったのでした。

  
    
【サッカー 中村俊輔選手】
 
 “サッカーの見本市”ともよばれる4年に一度の祭典、FIFAワールドカップ。この大舞台での活躍をきっかけに、ステップアップする選手は大勢います。ただし、移籍するのは代表選手ばかりではありません。世界的に移籍市場が活発化するため、ワールドカップに出られなかった選手にも、実力さえあれば海外移籍のチャンスが巡ってくるのです。そのいい例が、2002年の日韓大会で代表落選しながら、大会終了後にイタリア・セリエAのレッジーナへ移籍を決めた中村選手です。
 レッジーナが中村選手に用意した背番号は、日本でも付けていた愛着あるエースナンバー10番。移籍当初こそイタリア流のサッカーになじめず苦労した中村選手でしたが、武器であるフリーキックで目の肥えたイタリア人を魅了。いつしかイタリアサッカー界の至宝、ロベルト・バッジョ選手になぞらえ、“東洋のバッジョ”と呼ばれるようになっていました。中村選手のセリエA1年目は、リーグ戦32試合に出場し7ゴール5アシスト。レッジーナのセリエA残留に大きく貢献しました。
 
 
 
【サッカー アンドレス・イニエスタ選手】
 
 スペインが誇る世界的ビッググラブ、FCバルセロナのトップチームでプレーすること16年。リーグ優勝9回、チャンピオンズリーグ制覇4回、国王杯優勝6回、クラブ・ワールドカップ制覇3回など、キャリア通算で32個のタイトルを獲得。まさに、バルセロナの栄光と共に歩んできた選手。そのイニエスタ選手が、ヴィッセル神戸の一員となりました。
 バルセロナでの活躍以外にも、長年スペイン代表の中盤の要として君臨。“無敵艦隊”と呼ばれながら、実際には国際大会でのビッグタイトルに無縁だったスペイン代表ですが、イニエスタ選手がチームの中心になってからは、2008年と12年のヨーロッパ選手権において連覇を達成。10年のFIFAワールドカップ・南アフリカ大会では、悲願の初優勝を果たしました。この大会の決勝で、優勝を決めるゴールを奪ったのがイニエスタ選手。今年の5月末に、イニエスタ選手のヴィッセル神戸への入団が決まった際は、世界中でそのニュースが報じられました。ヴィッセル神戸には、バイエルン・ミュンヘンやドイツ代表で活躍したスーパースター、ルーカス・ポドルスキ選手もいます。世界の最高峰を知るスター同士がどんな相乗効果を見せてくれるのか。期待が高まります。 
  
  
   
来週のスポーツ伝説は……

  7月23日(月) 高校野球 2014年・全国高校野球石川大会
  7月24日(火) 高校野球 2007年・全国高校野球神奈川大会
  7月25日(水) 高校野球 1998年・全国高校野球青森大会
  7月26日(木) 高校野球 大谷翔平選手
  7月27日(金) 高校野球 清宮幸太郎選手

                       お楽しみに!!
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