スポーツ伝説

3月19日~23日の放送内容

【高校野球 滋賀県立膳所高校】

 第90回記念大会を迎える春のセンバツは、いつもより4校多い36チームが出場します。うち3校は、センバツならではの制度「21世紀枠」での出場です。東日本・西日本からそれぞれ1校ずつと、さらに地域の限定なくもう1校が選ばれることになっています。21世紀枠とは、困難な練習環境を克服したりボランティアをはじめとした地域貢献活動など、野球以外の要素を選考条件に加え、甲子園出場のチャンスを広げる目的で2001年から導入された制度です。
 今大会、その21世紀枠で選ばれたのは、東日本からは秋田の由利工業高校。西日本からは佐賀の伊万里高校。そして最後の一校が、今回の出場校の中でひと際注目度の高い、滋賀県立膳所高校です。実は膳所高校は、全国でもトップクラスの進学校。授業が多い日は練習もままならないという学業優先の環境にありながらも、野球部は昨年秋の滋賀県大会でベスト8に進出。この文武両道の取り組みが評価され、21世紀枠でのセンバツ出場をつかみました。


 
【高校野球 大谷拓海選手】

 今シーズンからメジャーリーグに活躍の場を移した“二刀流”大谷翔平選手も高校時代、投げては150キロ、打ってはホームランと存在感を放ったのが、センバツ大会の舞台でした。実は今年のセンバツにも、同じような選手がいます。中央学院高校の“エースで四番”を務める、大谷拓海選手。投げては最速145キロ、打っては高校通算23ホーマーの打棒で、“千葉の二刀流・大谷”として大いに注目されています。
 大谷選手は千葉県の強豪・中央学院高校入学後、すぐに外野手のレギュラーとして活躍すると、1年秋からは投手にも挑戦。秋の関東大会初戦で9回ツーアウトまでノーヒットピッチングを披露し、1安打完封で一躍注目選手となりました。ところが2年生になると調子が上がらず、昨年夏の千葉県大会はまさかの初戦敗退。その後も投手としてはピリッとせず、ショートを守ることが多かった大谷選手。しかし守備範囲が広いショートで足の運び方を学んだことで、体重移動がスムーズになり、ピッチャーに復帰すると、以前よりも伸びのあるストレートが投げられるようになりました。投球フォームもそれまでのオーバースローから、ショートからの送球で身につけたスリークォーターに変更。するとスライダーのキレが一段とよくなり、以前は投げられなかったフォークボールもマスターしました。こうして、ピッチャーとして一皮むけた大谷選手は、秋の関東大会で見事に優勝。センバツへの切符をたぐり寄せたのです。また、打つ方でも準決勝、決勝と2試合連続でホームランを放ち、バッターとしての才能もアピールしました。
   

         
【高校野球 根尾昴投手】

 今年最終学年を迎える球児たちは、西暦2000年生まれの“ミレニアム世代”と呼ばれ、全国各地に有望選手が揃っています。中でも逸材が集結している高校が、昨年のセンバツ優勝校で連覇の期待がかかる、大阪桐蔭高校です。
 そんなスター軍団の中でも特に注目の存在が、根尾選手。四番を打つだけでなく、ピッチャーとしても一級品。さらに内・外野の守備も華麗にこなし、すべてにおいて“超高校級”といわれています。昨年秋の新チーム結成以降、大阪府大会と近畿大会の11試合で5ホーマーと打ちまくり、投げては最速148キロ。近畿大会準決勝では16奪三振の完封勝利を飾るなど、投打で圧倒的な実力を見せつけています。

     

  
【高校野球 馬淵史郎監督】
 
 夏の甲子園で100回大会を数える高校野球。長い歴史を誇るだけに、いくつものジンクスが存在します。そのひとつが、「秋の明治神宮大会で優勝したチームは、翌年の春のセンバツでは勝てない」というもの。今年のセンバツでこのジンクス打破に挑むのが、神宮大会王者・明徳義塾高校です。高知県の明徳義塾といえば、高校野球界きっての名門。センバツ出場は今年で3年連続18回目。夏の甲子園には、昨年の大会が8年連続19回目の出場。誰もが認める常勝軍団です。
 明徳義塾をここまでの強豪校に育てたのが、1990年からチームの指揮を執る馬淵監督です。監督就任翌年の1991年夏の大会で初勝利を飾ると、以降、甲子園で「20大会連続初戦勝利」という金字塔を達成した、高校野球の世界では指折りの名将。春・夏合わせた甲子園での勝ち星は現在49勝で、今年のセンバツで、節目の50勝を目指します。馬淵監督にはもう一つ、今年のセンバツでぜひ達成したい偉業があります。それが、「高校野球主要タイトル全制覇」です。高校野球におけるビッグタイトルといえば、春のセンバツと夏の甲子園。そして秋に行われる国体がありますが、近年はここに、11月に開催される明治神宮大会が加わり、「高校野球4大タイトル」ともいわれています。馬淵監督は過去、2002年に夏の甲子園を初制覇。秋の国体は14年に優勝。そして昨年秋、明治神宮大会も初めて制しました。これでまだ手にしていないビッグタイトルは、春のセンバツのみ。これまでの最高成績は04年大会のベスト4と、なかなか勝ちきれないセンバツですが、今大会では悲願の初制覇を目指します。

      

【高校野球 松坂大輔投手】
 
 今からちょうど20年前の1998年、春のセンバツでその名を全国に轟かせたのが横浜高校のエース・松坂投手です。神奈川県内では以前から名が知られた投手でしたが、甲子園の土を踏んだのはこのときが初めてでした。
 初戦の相手は、地元・兵庫の報徳学園高校。過去に優勝経験もあるこの名門校相手に、松坂投手は2失点を許したものの、8個の三振を奪って完投勝利。そして試合の結果以上に球場をざわつかせたのが、松坂投手がこの試合で投げた、最速150キロのストレートでした。スピードガンの導入以降、甲子園球場で高校球児が150キロを超えたのは、この時が史上初の快挙だったのです。横浜の次の相手は、のちにプロで活躍する村田修一選手がエースを務める、東福岡高校。豪腕同士の投げ合いが予想される中、圧巻のピッチングを見せたのは松坂投手。強打が自慢の東福岡打線を相手に、許したヒットはわずか2本。奪った三振は13個。三塁を踏ませない完璧な内容で、みごと完封勝利を飾ります。続く準々決勝も、2試合連続で完封勝利。準決勝でも完投勝利を収め、決勝でも、久保康友投手がいた関大一高を相手にヒットを4本しか許さない圧巻の投球でまたしても完封勝利をおさめ、センバツ王者に輝いたのです。
   

   
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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