スポーツ伝説

2月26日~3月2日の放送内容

【プロ野球 石井琢朗コーチ】

 一昨年はセ・リーグ5位。昨年は球団ワースト記録を更新する96敗を喫して借金51で最下位と、2シーズン連続で低迷中の東京ヤクルトスワローズ。今シーズンから小川淳司監督が復帰して指揮を執りますが、チームが浮上するためには選手一人一人のレベルアップが必要不可欠です。そこで鍵を握るのが、監督の脇を固めるコーチ陣。中でも注目なのが、広島カープから移籍した石井打撃コーチの存在です。
 石井コーチは現役時代、横浜ベイスターズと広島で活躍。現役最後の2012年、選手兼野手コーチとしてカープで指導者人生をスタートさせます。引退後の13年からは、広島の内野守備走塁コーチを担当。センターの丸佳浩選手、セカンドの菊池涼介選手、ショートの田中広輔選手らを猛練習で鍛え上げ、“日本一のセンターライン”と呼ばれるレベルにまで導きました。強固なセンターラインを中心とした守備力と投手陣の奮起で、15年のカープはチーム防御率が2点台の好成績。にもかかわらず、ペナントレースは4位と低迷します。課題は、得点力不足に悩んだ打撃陣でした。そこで16年、バッティング指導を任されたのが石井コーチです。内野守備走塁コーチから打撃コーチへと転身すると、カープ打撃陣の成績は見事に上向き、チーム打率・得点数・チームホームラン数のすべてで12球団トップを記録。見事、25年ぶりのリーグ優勝を果たしたのです。


 
【プロ野球 佐藤義則コーチ】

 プロ野球界には、球団をいくつも渡り歩き、その都度チームを優勝に導く“優勝請負人”と呼ばれる人物がいます。代表格は、選手時代に西武・ダイエー・巨人の3球団で11回の日本一を経験した工藤公康投手。現在はソフトバンクの監督として、就任後3シーズンで日本一2回。指導者になっても優勝請負人ぶりは変わりませんが、昨シーズンまでのソフトバンクにはもう一人の優勝請負人がいました。今シーズンから楽天に移籍した、佐藤投手コーチです。
 佐藤コーチは現役時代、阪急・オリックスの主力投手として活躍。最多勝や最優秀防御率のタイトルを獲得したほか、40代でノーヒットノーランを達成するなど、息の長い現役生活を送りました。1998年に44歳で現役を引退すると、その翌年からオリックスの二軍投手コーチとして指導者人生をスタート。その後は阪神で3年、日本ハムで2年、楽天で6年、ソフトバンクで3年、一軍投手コーチやヘッドコーチを歴任。一軍コーチを務めたすべてのチームに優勝をもたらしてきた、まさに“優勝請負人コーチ”なのです。
 
      
   
【プロ野球 吉井理人コーチ】

 2015年のオフ、吉井投手コーチが北海道日本ハムファイターズへ4シーズンぶりに復帰して、ファンやマスコミを驚かせました。12年、栗山英樹監督が就任1年目で優勝を果たした年のオフに、5年間務めたコーチを辞任。その際「監督とは意見が対立するところがあり、それによって選手に迷惑を掛けてしまった」というコメントを残していたからです。しかし栗山監督に対して特にわだかまりはなく、栗山監督も球団も吉井コーチの手腕を高く評価。優勝するためにはやはり欠かせない存在と、異例の再招聘に踏み切りました。  
 若手の育成に定評のある吉井コーチ。大谷投手がメジャーに移った今シーズンは、どんなピッチャーを新たに育てるのか。日本一奪回は、その手腕に懸かっています。


  
【プロ野球 高代延博コーチ】
 
 プロ野球界には、引退しても指導者としてずっとユニフォームを着続けているコーチがいます。その代表が、阪神タイガースで一軍作戦総合コーチを務める高代コーチです。現役時代は、日本ハムファイターズで主にショートとして活躍。1989年に移籍先の広島カープで引退すると、翌90年から広島のコーチに転身しました。以後、中日・日本ハム・ロッテ、再び中日を経て、韓国のハンファ、オリックス、そして現在の阪神と、日韓7球団でコーチを経験。どの球団のコーチでもなかった2009年と13年にはWBC日本代表のコーチを務めていたため、高代コーチは引退以来30年近く、ずっとユニフォームを着続けていることになります。
 高代コーチの特長は、高いノック技術と、三塁コーチとしての優れた状況判断。「チームの強さはシートノックと走塁を見れば分かる」という高代コーチ。今シーズン、カープに勝って13年ぶりの優勝を果たすためには、守備と走塁の底上げが不可欠。高代コーチは今年も勝利のために、三塁コーチスボックスに立ちます。

   

【プロ野球 達川光男コーチ】
 
 就任以来2年間、あえてヘッドコーチを置かなかったソフトバンクの工藤監督。しかしそのことで指揮官の意図が選手に十分伝わらなかった面もあり、2年目の2016年は北海道日本ハムファイターズに11.5ゲーム差を逆転され、リーグ優勝をさらわれる原因にもなりました。そこで17年、新たに招聘されたのが達川ヘッドコーチです。
 現役時代は広島カープ一筋、正捕手として活躍。1999年から2年間は監督も務めました。指導者としての能力は他球団にも高く評価され、1995年の福岡ダイエーホークスを皮切りに、阪神・中日でもコーチを務めています。達川ヘッドにとって、ホークスは指導者生活の原点であり、21年ぶりの復帰。「負けず嫌いな監督のもとで、勝てるチームを作る」と明言した達川ヘッドコーチは、今シーズンも陰で指揮官を支え、日本一連覇を目指します。


   
来週のスポーツ伝説は……

  3月5日(月) チェアスキー 大日方邦子選手
  3月6日(火) チェアスキー 村岡桃佳選手
  3月7日(水) チェアスキー 森井大輝選手 
  3月8日(木) 大 相 撲  栃ノ心剛史関
  3月9日(金) 大 相 撲  阿炎政虎関

                       お楽しみに!!
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