スポーツ伝説

3月2日~6日の放送内容

【女子ゴルフ 鈴木愛選手】

 昨シーズン、史上3人目となる「ツアー年間7勝」を挙げ、2年ぶり2度目の賞金女王に輝いた鈴木選手。鈴木選手と競り合ったのは、昨年の女子ゴルフを盛り上げた渋野日向子選手と、申ジエ選手。この2人とのデッドヒートを制した最大の要因は、ツアー終盤に達成した3週連続優勝の快挙です。実は昨年まで、鈴木選手が優勝してきたのは、ほとんどが3月~6月までのツアー前半戦。疲労が溜まる夏場以降は毎年、優勝から遠ざかってきました。昨年、その前半逃げ切り型ともいえるスタイルが一変したのは、4月に乗っていたタクシーが交通事故に遭ったのがきっかけ。腰を痛めたほか、指や手首の痛み、体調不良もあって、9月に数週間の休養を決断。ここまでゴルフから離れるのは、鈴木選手にとって初めてのことでした。
 それまでは、休まないことが信条だった鈴木選手。復帰後も練習をセーブし、週に一度は休養日も設定。休む勇気を知ったことでさらに強くなり、ツアー終盤での3連勝につなげたのです。今や、名実ともに日本のトッププロとなった鈴木選手ですが、今年はさらに大きなチャレンジが待ち構えています。日本の女子ツアーでは、2005年の不動裕理選手以来、誰もなし得ていない「日本人の連続賞金女王」。そしてもう一つは、「東京オリンピックに出場すること」。代表になるには、6月までの成績が鍵を握ります。



【女子ゴルフ 勝みなみ選手】

 いま、まさに天井知らずの人気を誇る日本の女子ゴルフ界。メディアでも、女子プロゴルファーは引っ張りだこの人気です。中でも人気、実力ともに女子ゴルフ界を牽引しているのが、1998年度生まれの“黄金世代”と呼ばれる選手たち。アメリカツアーでも勝利を重ねる畑岡奈紗選手。昨年、海外メジャータイトルの全英女子オープンを制する快挙を成し遂げた渋野日向子選手などが筆頭格ですが、最初に活躍した選手は、2014年4月のアマチュア時代に史上最年少の15歳293日でツアー優勝を果たした勝選手なのです。黄金世代が“みなみ世代”と呼ばれるのはそのためで、勝選手の鮮烈なデビューが同世代の選手たちを刺激し、強くしました。
 そんな勝選手も21歳。世間的には若手であっても、キャリアにおいては、女子プロゴルフ界の中心世代になってきました。15歳でのツアー初優勝後、高校時代に日本ジュニア、日本女子アマ、そして日本女子オープンローアマのアマチュア3冠を達成。17年のプロ転向後も安定した成績を残し続けるなど、同世代の顔と呼ぶにふさわしい戦いぶりを見せています。昨シーズンは、序盤戦だけで自己最多となる2勝をマークし一時は初の賞金女王も視界にとらえるほど好調でしたが、6月中旬以降は大失速。「正直、ゴルフが楽しくなかった」という勝選手の今シーズンの目標は、1年間を通じて笑顔でプレーできるようにすること。笑顔でプレーする先の、勝利のスマイルが待たれます。

 

【女子ゴルフ 原英莉花選手】

 “女子ゴルフ界きっての飛ばし屋”と呼ばれ、身長173㎝の長身を生かした伸びやかで豪快なドライバーショットが魅力の原選手。昨年、ツアー初優勝を飾って注目を浴びた原選手も“黄金世代”の一人です。原選手は、決してエリート街道を歩んできたわけではありません。ゴルフを始めたのは10歳の時で、学生時代の優勝経験は、17歳以下の神奈川県アマチュア選手権大会のみ。全国大会でも目覚ましい成績が残せず、プロテストも最初の受験では不合格。同世代が華々しい活躍をする中、悔しさを味わってきました。
 そんな原選手を厳しく、ときに温かく指導してくれた師匠が、日本ゴルフ界の重鎮“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司選手です。ジャンボ門下生になってからは、それまで優勝と縁遠かったのが嘘のように、快進撃が始まりました。2018年には下部ツアーで優勝を重ね、年末の新人戦でも、渋野選手らを抑えて堂々の優勝。そして昨年6月、ついに国内ツアー初優勝を達成したのです。昨年の賞金ランクは14位でしたが、今シーズンは女王争いに加わることを期待されている原選手。まず目指すのは、師匠が大事だと強調した2勝目です。



【大相撲 徳勝龍誠関】
 
 「自分なんかが、優勝していいんでしょうか?」今年1月、大相撲初場所の優勝力士インタビューでそう語って、ファンを沸かせた徳勝龍関。徳勝龍関の初場所の番付は、西前頭17枚目。幕内力士の中で最も番付が低い、幕尻の力士でした。ところが初場所は、3日目から13連勝。千秋楽では大関・貴景勝関を破り、14勝1敗の堂々たる成績で初優勝を飾ったのです。
 幕尻力士の優勝は、2000年春場所の貴闘力関以来、20年ぶり2度目。奈良県出身の力士が優勝したのは、大正時代の1922年の鶴ケ浜関以来、98年ぶりの快挙でした。1986年生まれの33歳は年齢的にはベテランの域ですが、「まだ33歳」とは本人の言。今年は初の三役昇進を目指します。


 
【大相撲 遠藤聖大関】
 
 平幕最下位の伏兵・徳勝龍関の優勝に沸いた、今年1月の大相撲初場所。その前半戦の主役は、前頭筆頭の遠藤関でした。初日に鶴竜関、2日目に白鵬関と、両横綱を撃破。初日から2日連続で金星を挙げたのは、1999年秋場所の栃東関以来、戦後3人目の快挙でした。最終的に成績は9勝でしたが、2横綱撃破が評価されて自身初の殊勲賞を受賞しました。
 実は、この好調の陰にあったのは昨年5月の結婚。これまで人気先行と言われていた遠藤関ですが、家庭を持ったことで、今年はさらなる飛躍と大関獲りを狙います。


        
来週のスポーツ伝説は……

3/ 9(月) プロ野球 高木守道氏
3/10(火) NBA  コービー・ブライアント選手
3/11(水) プロ野球 チアゴ・ビエイラ投手  
3/12(木) プロ野球 エンジェル・サンチェス投手
3/13(金) プロ野球 ジョン・エドワーズ投手 
                       
お楽しみに!!
BACK
NEXT