スポーツ伝説

10月15日~19日の放送内容

【プロ野球 近藤一樹投手】

 昨シーズンは、球団ワーストの96敗を喫し、最下位に沈んだ東京ヤクルトスワローズ。今年はクライマックスシリーズ出場争いからいち早く抜け出しました。その躍進を支えたのが、中継ぎ投手としてフル回転した近藤投手です。2001年のドラフト7位で近鉄バファローズに入団。球団合併を経て、05年からはオリックス・バファローズで主に先発投手として活躍、08年には10勝を挙げ、初の2ケタ勝利をマークしました。しかし以降は成績が低迷。度重なる故障から一軍と二軍を行ったり来たりで、一時は支配下登録を外れて育成選手も経験しました。
 そして一昨年、シーズン途中にトレードでヤクルトに移籍。新天地で与えられた役割は、中継ぎでした。昨シーズンは、中継ぎで54試合に登板。今シーズンは9月15日の阪神戦で、プロ17年目で自己最多、球団新記録となる40ホールドポイントを達成しました。


     
【プロ野球 桑原謙太朗投手】

 桑原投手は2007年、大学生・社会人ドラフト3巡目で横浜ベイスターズに入団。10年オフにトレードでオリックス・バファローズに移籍し、14年オフに再びトレードで阪神タイガースに移籍しました。
 移籍1年目は、登板はわずか6試合。2年目の16年は一軍での登板がゼロで終わり、クビを覚悟した桑原投手。ところが3年目の昨シーズンは、中継ぎとしてフル回転。チームトップの67試合に登板して「勝利の方程式」の一翼を担い、阪神の2位躍進に貢献しました。成績は4勝2敗39ホールド、防御率1・51、43ホールドポイント。これで自身初タイトルとなる最優秀中継ぎ投手に輝きました。


   
【プロ野球 山田修義投手】

 今年8月、セ・パ両リーグで、2人の中継ぎ左腕投手が月間登板数の最多タイ記録を打ち立てました。広島カープの新外国人、ヘロニモ・フランスア投手とオリックス・バファローズの山田投手です。この1か月だけで、二人が登板した試合数は18。この数字は、かつて西鉄ライオンズで“鉄腕”と呼ばれた稲尾和久投手らが作ったプロ野球記録に並ぶ記録です。
 山田投手は今シーズンで、プロ9年目。しかし昨年までの過去8年間の登板数は、わずか31試合。戦力外候補に名を連ねたこともありました。そんな状況から、たった1ヵ月で18試合も登板するほどの変身を遂げた秘密は、リリーフへの転向と左バッター封じに有効な決め球の習得。その結果、身につけたのがスライダーでした。山田投手のスライダーは、ストレートの軌道から横滑りする“魔球”のような変化が特徴。山田投手は、このスライダーを武器に中継ぎでフル回転しました。プロ10年目を迎える来シーズンは、一年を通じてチームに貢献できるかどうか。その真価が問われます。


  
【社会人野球 細山田武史選手】
 
 今年の夏、ジャカルタで開催された4年に1度のアジア大会。“アジアのオリンピック”とも称されるこの大舞台に挑んだ野球日本代表は、全員が社会人野球でプレーするアマチュア選手。ですがその中に一人、元プロ野球選手がいました。横浜ベイスターズと、福岡ソフトバンクホークスでキャッチャーとしてプレー。現在は、社会人野球のトヨタ自動車でプレーしている細山田選手です。鳴り物入りで入団した横浜ベイスターズでは、1年目の2009年からキャッチャーではチーム最多となる88試合に出場。プロ野球人生も順風満帆と思われましたが、結果的にこのルーキーイヤーがプロでの絶頂期でした。13年オフに戦力外通告を言い渡されると、合同トライアウトを受けてソフトバンクと育成選手として契約。2年目の15年には支配下登録をされ、4年ぶりの一軍スタメン出場を果たしますが、オフに2度目の戦力外通告を受けます。
 そんな時、声を掛けてくれたのが社会人野球のトヨタ自動車でした。細山田選手は、「社会人でも優勝したい」と現役続行を決意。その目標通り、16年の都市対抗野球でチームを初優勝に導いたのです。そして今回のアジア大会では、プロでは果たせなかった日本代表入りを実現。日本代表は準優勝に終わりましたが、細山田選手は決勝戦も含め、3試合でマスクをかぶり、確かな存在感を示しました。
   

 
【メジャーリーグ ホセ・アルトゥーベ選手】
 
 アメリカンリーグ王者のヒューストン・アストロズ 対 ナショナルリーグ王者のロサンゼルス・ドジャースの対戦となった2017年のワールドシリーズ。開幕前から優勝候補と呼ばれ、共にシーズン100勝以上を記録して勝ち上がってきた両チームの対決は、大きな注目を集めました。球団創設56年目で初の頂点を目指す アストロズのチームリーダーはこの年、史上5人目の「4年連続シーズン200安打」を記録した、二塁手のアルトゥーベ選手。身長168㎝と、現役メジャーリーガーでは最も背の低い選手ですが、14年にはイチロー選手以来13年ぶりとなる首位打者・盗塁王・最多安打の同時獲得を果たし、“小さな巨人”と呼ばれています。この年のディビジョンシリーズ第1戦では、1試合3ホーマーを記録するなど、絶好調のままワールドシリーズに乗り込みました。
 共に2勝ずつを挙げて迎えた第5戦は、メジャーの歴史に残る壮絶な死闘に。この戦いをを制したアストロズが最終的にシリーズも制し、球団創設56年目で初の頂点をつかみました。ワールドシリーズのMVPは、7試合で5本のホームランを放ったアストロズのスプリンガー選手が選ばれましたが、アルトゥーベ選手はシリーズ終了後、記者投票で決まるリーグMVPに選出されています。


   
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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