スポーツ伝説

9月21日~25日の放送内容

【プロ野球 川越誠司選手】

 川越選手は2015年のドラフトで西武の2位指名を受け、投手として入団。しかしプロ入りから3年間、一軍で登板する機会は一度もありませんでした。転機となったのは3年目、18年のこと。首脳陣が川越選手に野手転向を打診したのです。プロ4年目の昨シーズンは2軍で野手としての基礎をみっちりと叩き込まれ、オフに台湾で行われたウインターリーグに参加。打率3割6分7厘と打ちまくり、野手部門のMVPを受賞しました。
 そして今年、見事に目標としていた開幕一軍入りを果たします。一軍の厚い壁に当たり、打率も1割を切るなど苦しんだ川越選手でしたが、7月23日、本拠地・メットライフドームで行われた千葉ロッテ戦で、9番・ライトで久々に先発出場。1点を追う2回、ツーアウト三塁のチャンスで打席に立つと、ロッテ先発・岩下大輝投手の投げた148キロのストレートをフルスイング。打球はバックスクリーン右に飛び込む逆転ツーランになりました。5年目にしてプロ初のホームランは、チームを勝利に導く貴重な一発になりました。
 
   

【プロ野球 アリエル・マルティネス選手】

 2018年、キューバから育成選手として中日に入団したマルティネス選手。投手陣とのコミュニケーションも要求されるキャッチャーは、言葉の問題もあり外国人選手には難しいとされてきました。ところがマルティネス選手は、チームメイトを先生に見立てて積極的に日本語で話しかけ、分からない言葉は通訳に尋ねるなどして、今では簡単な会話ができるようになりました。
 リードも勉強し、もともと定評のあるバッティングにも磨きをかけたことで、今年7月1日、ついに支配下登録を勝ち取ります。更に、主力のアルモンテ選手が故障で離脱した代わりに一軍に合流。7月3日から東京ドームで行われた巨人3連戦でキャッチャーの守備に就きました。外国人選手が一軍の公式戦でマスクをかぶったのは、2000年、同じ中日のディンゴ選手以来、実に20年ぶりのことでした。



【プロ野球 佐野恵太選手】

 昨年まで四番を務めていた筒香嘉智選手が、今シーズンからメジャーリーグ、タンパベイ・レイズに移籍した横浜DeNA。ラミレス監督が新たに4番兼キャプテンに指名したのは、昨年までレギュラーでもなかった佐野選手でした。2016年のドラフト会議でDeNAの支配下選手最下位の9位で指名され、明治大学から入団した佐野選手。当初は将来の代打要員程度の期待度でした。ところが、ラミレス監督は佐野選手のバッティングを一目見て絶賛。主に代打として、1年目は18試合、2年目は73試合、3年目の昨年は89試合と、着実に出場試合数を増やしていきました。特に昨年は、得点圏打率が3割6分7厘とチャンスでの勝負強さは際立っていました。
 そこでラミレス監督は今年、オープン戦から佐野選手を四番に抜擢。序盤は調子が上がらなかったものの、最終的にオープン戦で12球団トップの11打点を挙げたのです。シーズン開幕後も12球団で唯一、開幕から9試合連続でヒットを放ち、好調を維持した佐野選手。なかなか出なかったホームランも7月22日に放ち、その後は順調に主砲としての活躍を見せています。



【プロ野球 堂林翔太選手】
 
 異例の6月開幕となった今年のプロ野球。開幕から2ヵ月が過ぎた8月末までで、打率3割1分6厘、ホームラン12本、33打点と、目覚ましい活躍を見せたのが広島カープの堂林選手です。2009年、中京大中京高校3年の時、夏の甲子園で優勝投手となった堂林選手。この年のドラフトで広島から2位指名を受け、野手として入団しました。3年目の12年には、一軍の全試合に出場。この年チーム最多となるホームラン14本を放ち、将来の主砲として大いに期待されました。しかし、その後は打撃不振などからライバルにポジションを奪われ、出場機会も激減。昨年の一軍出場はわずか28試合にとどまり、トレードや戦力外の噂も飛び交いました。
 崖っぷちの状態で今シーズンを迎えましたながら、開幕から打ちまくった堂林選手。“11年目の遅咲きプリンス”と注目を浴びます。その復活の背景には、オフの自主トレ期間を一緒に過ごしたカープの不動の四番打者であり、日本代表・侍ジャパンの四番も務めた鈴木誠也選手は、堂林選手の3学年後輩にあたります。堂林選手は、先輩のプライドをかなぐり捨てて鈴木選手の自主トレに参加。鈴木選手に忌憚のないアドバイスを求め、打撃フォーム修正に取り組みました。その努力のお陰で広角打法を身につけたことが、今シーズンの活躍につながっているのです。

  

【プロ野球 高梨雄平投手】
  
 8月26日のヤクルト対巨人戦。ヤクルトに逆転されて1点のリードを許した5回、尚もノーアウト二塁の場面で、巨人・原辰徳監督は左の高梨投手をマウンドに送りました。高梨投手は監督の期待に応え、青木宣親選手を空振り三振に斬ってとるなど、ヤクルトに追加点を与えずピンチを切り抜けます。この好投でチームに流れを呼びこむと、直後の6回ジャイアンツ打線が奮起。一挙3点を挙げる逆転勝利の立役者となり、2イニングを無失点に抑えた高梨投手は、巨人移籍後初勝利をマークしました。
 7月14日に楽天からトレードで加入して以降、この初勝利までなんと15試合連続無失点。しかもこの間に許したヒットは、たったの2本でした。先発陣が不安定で開幕からリリーフ陣の負担が増えていた巨人にとって、高梨投手はまさに救世主になったのです。



来週のスポーツ伝説は……

9/28(月) サッカー ロベルト・カルロス選手
9/29(火) サッカー ルイス・フィーゴ選手
9/30(水) サッカー デニス・ベルカンプ選手 
10/1(木) サッカー デビッド・ベッカム選手
10/2(金) サッカー シャビ・エルナンデス選手
                       
お楽しみに!!
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