スポーツ伝説

5月18日~22日の放送内容

【女子ゴルフ 樋口久子選手】

 昨年、女子プロゴルフの海外メジャータイトル・全英女子オープンを制して話題になった渋野日向子選手。日本勢42年ぶり2人目のメジャー制覇の快挙でしたが、初めてメジャータイトルを制したのは、1977年に全米女子プロゴルフ選手権を制した樋口選手でした。樋口選手の歩みは、日本の女子プロゴルフの歴史そのものともいえます。67年に日本女子ゴルフの第1期プロテストをトップの成績で合格すると、翌68年7月、女子では国内初のプロ公式戦となる第1回・日本女子プロゴルフ選手権と、日本女子オープンも制覇。その後も試合に出れば優勝が続き、日本選手権は初優勝から7連覇。そんな樋口選手が初めて海外ツアーに挑戦したのは、70年のことでした。
 1年目の最高成績は9位でしたが、2年目には最高2位につけます。74年のオーストラリアオープンでは、ついに海外での初優勝を達成。その後、一時パッティングでスランプに陥りますが、打ち方をガラッと変えて克服すると、76年に海外2勝目を記録。翌77年には、全米女子プロゴルフ選手権で海外メジャー初制覇を果たしたのです。しかもこの勝利は、樋口選手にとってプロ通算40勝目という節目でもありました。
  


【女子ゴルフ 岡本綾子選手】

 昨年11月、日本のトッププロゴルファーのひとり、鈴木愛選手が悲願のアメリカツアー初優勝を果たして話題となりました。このアメリカツアーで断トツの歴代トップ、通算17勝を挙げている日本人選手が岡本選手です。プロゴルファーになる前は、ソフトボールで活躍。1971年には国体で優勝も果たしています。その後、プロゴルファーを目指し、74年のプロテストに合格。国内ツアー1年目の75年に、さっそく初勝利を飾りました。81年には年間8勝を挙げて賞金女王に輝くと、翌82年からアメリカツアーに本格参戦。初年度からアメリカツアーで初優勝と結果を残します。84年には、当時まだメジャー大会昇格前の全英女子オープンで優勝。年間3勝を挙げ、賞金ランキング3位につけました。
 その後は腰痛に悩まされ、歩くこともままならないほどの状態に陥りますが、引退も覚悟で受けた大手術が成功し、翌86年、復帰2戦目にして早くも復活優勝。続く87年は、メジャー4大会ではすべて5位以内。とくに7月の全米女子オープンでは悲願のメジャー初優勝のチャンスを迎えます。プレーオフの激闘の末、残念ながら敗れてしまいましたが、この悔しさをバネに、8月の世界選手権ではみごと優勝。この年は年間4勝を挙げる活躍で、アメリカツアー賞金女王に輝いたのです。アメリカ勢以外の選手が賞金女王になったのは、史上初の快挙で、以降、岡本選手は“世界のアヤコ”と呼ばれるようになりました。
 


【女子ゴルフ 小林浩美選手】

 日本の女子プロゴルフ界の先頭に立って人気拡大を推し進めているリーダー、日本女子プロゴルフ協会の小林会長。大会数を増やし、競技日程も従来の3日制から、海外では一般的な4日制を増やすなど、さまざまな改革を打ち出して女子ゴルフの強化と人気アップに取り組んでいます。改革路線のベースになっているのは、現役時代に海外ツアーで戦ってきた経験です。中学・高校では、ソフトボール部のエースとして活躍した小林選手。高校卒業後に父親の薦めでゴルフを始めると、クラブを握ってわずか3年半でプロテストにトップ合格しました。
 プロ5年目の1989年、メジャータイトルの日本女子オープンを含む年間6勝を挙げ、賞金ランキング2位につけるなど大活躍。さらにアメリカツアー参戦を懸けた最終予選でトップ合格し、翌年からの海外挑戦権を手に入れたのです。日本では“8の字スイング”と呼ばれる独特のスイングを活かし、93年には念願のアメリカツアー初優勝を達成。この年は年間2勝を挙げ、賞金ランキングでも8位となる大躍進を遂げました。97年には、ヨーロッパの女子ツアーで初優勝。現役通算ではアメリカで4勝、日本で10勝、ヨーロッパで1勝の通算15勝をマークするなど、世界を股にかけて活躍しました。


 
【女子ゴルフ 福嶋晃子選手】
 
 1990年代の女子ゴルフ界で“飛ばし屋”の異名をとり、男子顔負けの圧倒的な飛距離を武器に活躍した福嶋選手。父親は、元プロ野球選手の福嶋久晃さん。妹は、姉に次いでプロゴルファーになった福嶋浩子選手というスポーツ一家に育ち、小さい頃から様々なスポーツに打ち込んでいました。小学4年生の時に父親の勧めでゴルフを始めると、すぐに頭角を現し、1988年に15歳で関東ジュニアゴルフ選手権を制覇。89年から日本ジュニアゴルフ選手権3連覇と、アマゴルフ界では敵なしでした。出場したプロトーナメントでも、ベストアマを11度も獲得。92年には全米女子オープンに出場し29位タイと、大健闘を見せたのです。この年の8月、アマ通算28勝タイトルをひっさげてプロテストに挑むと、みごと一発合格。念願のプロ生活がスタートしました。
 するとプロ2年目の94年、早くもツアー初優勝を果たします。この年を賞金ランキング5位で終えると、翌年は3位とさらにステップアップ。プロ4年目の96年、当時の史上最年少記録23歳5ヵ月で賞金女王に輝きました。そし翌年は年間6勝をマークし、2年連続賞金女王に。99年からアメリカツアーに本格参戦すると、初年度にいきなり2勝を挙げる活躍をみせ、日米通算26勝を積み上げました。


 
【女子ゴルフ 宮里藍選手】
 
 2003年、女子プロゴルツアーのミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで優勝したのは、高校3年生のアマチュア・宮里選手でした。沖縄県に生まれ、ゴルフのレッスンプロだった父親の影響で4歳からゴルフを始めた宮里選手。プロツアー優勝後、程なくしてプロ転向を表明。史上初の女子高校生プロゴルファーが誕生しました。プロデビューの翌年、04年3月のツアー開幕戦・ダイキンオーキッドレディスで、宮里選手はさっそくプロ初優勝。この年5勝を挙げ、賞金ランキング2位に入る活躍を見せます。それに刺激されるように、同世代の横峯さくら選手・諸見里しのぶ選手ら、新たな若手選手も台頭。女子ツアーの大会数や、賞金総額も増えて行ったのです。
 05年には、宮里選手は20歳3か月で、日本女子オープンを制覇。史上最年少優勝を飾ると同時に、ツアー通算10勝目を最年少で挙げました。06年からはアメリカへ主戦場を移し、09年のエビアン・マスターズ」でアメリカツアー初優勝。翌10年には年間5勝を挙げ、この年、日本人選手では初となる世界ランク1位に輝きました。


        
来週のスポーツ伝説は……

5/25(月) プロ野球 彦野利勝選手
5/26(火) プロ野球 栗山英樹選手
5/27(水) プロ野球 藤井康雄選手 
5/28(木) プロ野球 岡崎郁選手
5/29(金) プロ野球 片平晋作選手 
                       
お楽しみに!!
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