スポーツ伝説

4月3日~7日の放送内容

【メジャーリーグ 上原浩治投手】

 今年からシカゴ・カブスでプレーする上原投手は、メジャー入りして9年目。2013年には抑えの切り札としてレッドソックスを世界一に導き、カブスが4球団目となります。この間、先発・セットアッパー・クローザーと求められる役割も目まぐるしく変わりました。
 4月3日に42歳の誕生日を迎えた上原投手は、年齢ではメジャーの中で上から5番目。まさに大ベテランの域に入ってきました。巨人時代は最速150キロを誇ったストレートも、今では140キロ前後。しかし一般的なメジャーリーグ投手の平均回転数が1分間あたり約2200回なのに対し、上原投手は2400~3000回転を超えることもあるといいます。そのためボールが沈みにくくなり、バッターはボールが浮き上がってくるような錯覚を覚えて、次々と空振りしてしまうのです。昨シーズンは9イニングあたりの平均奪三振数が12.06個を記録。これは、世界一のクローザーとなった13年に次ぐ高い数字で、球速は落ちてもボールの質は落ちていないことがわかります。年齢を重ねても衰えることのない回転数と投球術を武器に、今年はシカゴ・カブスにとって2年連続、自身にとっては2度目となるワールドチャンピオンの座を目指します。



【プロ野球 ホセ・ロペス選手】

 2013年・14年と巨人でプレー、15年から横浜DeNAベイスターズに移籍し、チームの主軸として活躍するベネズエラ出身のロペス選手。巨人では1年目に打率3割3厘、ホームラン18本と好成績を残し、リーグ優勝にも貢献しました。しかし2年目は、チーム最多の22ホーマーを放ちながら、打率は2割4分3厘と低迷。オフに自由契約となりました。15年、DeNAでクリーンアップに起用されたロペス選手は、開幕から快調に打ちまくり、来日後最多の25ホーマーを放つなど、打線の中心となってチームを支えました。
 ところが去年6月、試合前の練習中に、他の選手の打球がロペス選手の左足を直撃して骨折。7月まで長期離脱を余儀なくされ、8月中旬には30打席連続ノーヒットというスランプに陥りましたが、ラミレス監督はスタメンから外そうとしませんでした。ラミレス監督自身も現役時代の経験から、不振に陥りチームに貢献できない外国人選手の辛さをよく分かっていたからです。同じベネズエラ出身で日本の野球をよく研究し、チームに馴染もうとする姿勢もかつての自分と同じ。そんな指揮官の期待に応え、ロペス選手はスランプから脱出。9月18日の広島戦で29号サヨナラホームランを打ち、翌19日は30号先制ツーランを放つ大活躍で、悲願のCS進出が決定したのです。残念ながら優勝チーム・広島に敗れ、日本シリーズ進出はなりませんでしたが、去年のシーズン中に2年の契約延長を勝ち取ったロペス選手。今シーズンは19年ぶりのリーグ制覇に向けて燃えています。
  


【プロ野球 ブランドン・レアード選手】
 
 ワシントン・ナショナルズ傘下の3Aのチームから、2015年に北海道日本ハムファイターズに入団したレアード選手。メジャー経験はあるもののマイナー暮らしが多く、前評判は決して高くはありませんでした。しかも1年目の開幕直後は、日本のピッチャーとタイミングが合わず、打率も低迷。しかし栗山英樹監督は、我慢して下位打線で使い続けました。すると、後半戦から持ち前の打撃が爆発。ホームランを連発し、終わってみれば来日1年目はチーム最多の34ホーマー。打率こそ2割3分1厘でしたが、ここぞという場面で打ってくれる勝負強さと陽気なキャラクターで、たちまち人気者になりました。
 迎えた来日2年目の昨シーズン、日本のピッチャーの配球をしっかり研究して臨んだレアード選手は春先から打ち続け、交流戦前に17ホーマーを打つ好調ぶり。最終的に、去年はシーズン143試合すべてに出場し、前年を上回る39ホーマーをマークして初のホームラン王を獲得。首位を独走していたソフトバンクをかわし、逆転優勝を飾る原動力になりました。その勝負強さは、広島カープとの日本シリーズでも大いに発揮され、チームは10年ぶりの日本一に。レアード選手はシリーズMVPに輝きました。今年はベンチ前で、“寿司ポーズ”を何回見られるのか。チームの日本一連覇は、レアード選手のバットに懸かっています。



【プロ野球 デニス・サファテ投手】

 昨年は、北海道日本ハムファイターズが優勝したパシフィック・リーグ。その日本ハムからの王座奪還を目指すのが、福岡ソフトバンクホークスです。昨年はリーグ2位の座に甘んじましたが、2014年・15年とリーグ連覇。ここ3年間は安定した成績を誇っています。そしてこの3年間、ソフトバンクの絶対的守護神として君臨しているのが、“史上最強助っ人クローザー”サファテ投手です。
 サファテ投手を獲得した13年、ソフトバンクはシーズン4位と、Bクラスに転落していました。しかし迎えた14年シーズン。サファテ投手は交流戦で古巣・広島相手にセーブを挙げ、史上3人目となる全12球団からのセーブを達成。この年、64試合に登板し、7勝1敗37セーブを記録。両リーグでの30セーブ以上は、史上初の快挙でした。この活躍もあって、ソフトバンクは3年ぶりにパ・リーグを制覇。日本一にも輝いています。翌15年はさらに数字を上げ、シーズン41セーブを記録して自身初の最多セーブのタイトルを獲得。チームも連覇を達成します。昨年はセーブ数を43まで伸ばし、2年連続でパ・リーグの最多セーブ王に。昨シーズン終了時点で通算セーブ数を175まで伸ばし、今季中の通算200セーブ達成に大きな期待が寄せられています。
   


【卓球 平野美宇選手】

 2020年の東京オリンピックに向け、若手選手の活躍が目覚ましい日本卓球界。中でも注目を集めているのが、この春に高校2年生になったばかりの平野選手、伊藤美誠選手です。幼い頃からしのぎを削ってきたライバルであり、親友でもある二人。ダブルスでコンビを組むことも多く、「みうみまコンビ」として人気です。ただ、中学時代の3年間は伊藤選手が大きく勝ち越し、その差は徐々に開きつつありました。その結果、リオデジャネイロオリンピックには伊藤選手が代表として選ばれ、女子団体で銅メダルを獲得。15歳でのメダル獲得は、オリンピック卓球史上最年少記録として大きな注目を集めました。
 しかしオリンピック以降、今度は平野選手が輝き始めます。10月に行われた卓球女子ワールドカップで大会史上最年少優勝を達成。ワールドカップにおいて中国勢以外が優勝するのは初めての快挙でした。昨年12月に行われたワールドツアー上位選手で争うグランドファイナルでも、ベスト4に進出した平野選手。今年1月の全日本卓球選手権では決勝に進出し、大会3連覇中の女王・石川佳純選手をゲームカウント4-2で破り、悲願の初優勝。16歳9カ月での優勝は、史上最年少記録となっています。
   
  
   
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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