スポーツ伝説

9月10日~14日の放送内容

【プロ野球 今村信貴投手】

 8月5日にナゴヤドームで行われた、中日 対 巨人戦。9回まで一人で121球を投げ抜き今シーズン3勝目を飾ったのが、巨人の若きサウスポー・今村投手です。
 2対0で迎えた9回ウラ・ツーアウト、あと一人でゲームセットの場面から、ビシエド選手・平田選手を塁に出し、ホームランが出たら逆転サヨナラ負けというピンチを迎えますが、続くアルモンテ選手をセンターフライに打ち取りゲームセット。キャッチャーの小林選手と笑顔でガッチリ抱き合った姿が印象的でした。実は今村投手、9回まで一人で投げ抜いたのもこれが初めてなら、完封も初めて。プロ7年目にして、ついに達成しました。


     
【プロ野球 マイク・ボルシンガー投手】

 千葉ロッテマリーンズの新外国人ピッチャー、ボルシンガー投手は、昨シーズンはアメリカ・マイナーリーグで防御率1点台の好成績を残し、メジャーでも11試合に登板。その実績を買われ、先発ローテーションの一角を期待されて来日しました。オープン戦こそいまひとつだったものの、公式戦初登板の3月31日には7回途中1失点と見事なピッチングをみせ、来日初勝利を飾りました。
 さらに圧巻だったのが5月以降。5月4日の日本ハム戦に勝ってから7月21日のオリックス戦まで、なんと2ヵ月半負けなしの11戦11連勝を飾ったのです。外国人投手の11連勝は、1964年の南海・スタンカ投手、2015年の巨人・マイコラス投手に並ぶ、史上3人目の最多記録。球団としても、ピッチャーの11連勝は、ロッテオリオンズ時代にマサカリ投法で人気を博した村田兆治投手が85年に記録して以来、33年ぶりの快挙でした。


   
【ラグビー ダン・カーター選手】

 来年9月20日のワールドカップ日本大会を控え、日増しに盛り上がりを見せる日本のラグビー界。先月末からトップリーグの新しいシーズンも始まりました。そんな盛り上がりをさらに加速させてくれそうなスーパースターが、今シーズンから神戸製鋼コベルコスティーラーズに加入しています。元ニュージーランド代表「オールブラックス」の司令塔、カーター選手です。カーター選手は、精度の高いキックと、リーダーシップを兼ね備える司令塔として長年、世界のトッププレーヤーとして活躍。ニュージーランド代表では112試合に出場し、世界歴代1位となる1598点の個人得点記録を持っています。2011年、自国開催のワールドカップ・ニュージーランド大会では、カーター選手はケガで途中離脱しましたが、ニュージーランドは優勝を経験。15年のイングランド大会では、決勝でオーストラリア代表と対戦。カーター選手は後半30分、貴重な追加点となるドロップゴールを左足で決めるなど活躍し、34対17で勝利。史上初のワールドカップ連覇の立役者となりました。
 世界最高峰の国際ラグビーリーグ「スーパーラグビー」でも、地元のクルセイダーズでプレー。05年・06年・08年と3度も優勝を経験し、04年と06年には年間最優秀選手に選ばれています。スーパーラグビーでは、15年までプレーし続け、141試合に出場。通算1708点は、個人得点では歴代1位の大記録です。そんな歴史的スーパースターがキャリア最後の地に選んだのが日本でした。カーター選手はプロ選手としてのキャリアを日本で終えるつもりです。
   

  
【サッカー ジーコ選手】
 
 この夏、ヴィッセル神戸のアンドレス・イニエスタ選手をはじめ、サッカー界の超ビッグスターが相次いでJリーグ入りして大きな話題になりました。その先駆けといえるのが、Jリーグ発足前に来日した、アルトゥール・アントゥネス・コインブラ選手。“ジーコ”の愛称で親しまれているあの選手です。鹿島アントラーズで選手として活躍し、その後監督も務めたジーコ選手は、Jリーグ誕生前の1991年、アントラーズの前身で日本サッカーリーグ2部の住友金属に入団しました。すでに現役を引退し、ブラジルでスポーツ大臣を務めていたジーコが、プロリーグもない当時の日本の、しかも2部のチームにやって来た理由……それは、81年に国立競技場で行われたクラブチーム世界一決定戦、トヨタカップにブラジルの名門クラブ・フラメンゴの一員として来日したのがきっかけでした。その時、日本の美しい町並みや日本人の温かな心遣いに心を動かされたというジーコ選手。サッカー後進国の日本でゼロから新しい歴史を作ることが、日本のクラブに移籍するモチベーションになりました。
 そんなジーコが、この7月から16年ぶりにアントラーズへ復帰。テクニカルディレクターとして再び辣腕を振るうことになりました。恩人の復帰で常勝軍団の復活なるか、注目です。

 
 
【ハンドボール ダグル・シグルドソン監督】
 
 1988年のソウル大会を最後に、オリンピック出場を逃し続けてきたハンドボール男子日本代表。昨年1月の世界選手権でも24チーム中22位と低迷が続いています。そんな日本代表の変革を託されたのが、ハンドボール界の世界的名将・シグルドソン監督です。現役時代はアイスランド代表として215試合に出場し、ヨーロッパ選手権やアテネオリンピックにも出場した経歴を持っています。現役引退後は、オーストリアやドイツのクラブで監督を務め、2014年にドイツ代表監督に就任すると、15年には世界最優秀監督に選ばれました。16年には、ヨーロッパ選手権で優勝。さらにリオ・オリンピックでも銅メダルを獲得するなど、数々の実績を残し続けました。
 リオ オリンピック終了後、各国代表やクラブチームなど世界中からオファーが舞い込む中、シグルドソン監督が選んだのが日本代表監督の座でした。実は現役時代に3年間、日本リーグの湧永製薬でプレーしており、日本のハンドボール界には並々ならぬ思い入れがあったのです。就任後は、来年開催の世界選手権の切符を勝ち取るなど、一歩一歩着実に成長を遂げている日本代表。今年行われた世界の強豪国とのテストマッチでは連敗が続いていますが、世界的名将の手腕が発揮されるのはこれからです。


   
来週のスポーツ伝説は……

  9月10日(月) プロ野球 ネフタリ・ソト選手
  9月11日(火) プロ野球 青木宣親選手
  9月12日(水) ラグビー レメキ・ロマノ・ラヴァ選手
  9月13日(木) ラグビー 流大選手
  9月14日(金) プロ野球 山本由伸投手

                       お楽しみに!!
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