スポーツ伝説

9月12日~16日の放送内容

 今シーズン、カープの快進撃で改めて注目されたのが、過去に優勝した時の名選手たちです。今週は、そんな名選手たちにスポットをあててみました。

【プロ野球 高橋慶彦選手】
 
 70年代後半~80年代のカープ黄金期に活躍した高橋選手は、74年オフにドラフト3位でカープに入団。高校まではピッチャーでしたが、プロ入り後は俊足と強肩を買われ、野手に転向しました。しかし、プロの高いレベルを目にしてすぐに自信を無くしたという高橋選手。そんな高橋選手に目をかけたのが、古葉竹識監督でした。周囲の反対を押し切ってショートを守らせただけでなく、右打者だった高橋選手に、左右どちらでも打つことができるスイッチヒッターへの転向を勧めます。その期待に応えるべく、高橋選手はまさに寝る間も惜しんで無心にバットを振り続けました。
 そしてプロ4年目の78年、背番号が40から2へと変わった高橋選手は、ショートのレギュラーの座を獲得。翌79年には、いまだに破られていないプロ野球記録、33試合連続安打をマークするなど、大ブレーク。さらに55盗塁で盗塁王のタイトルも獲得。高橋選手の活躍もあって、カープはこの79年、4年ぶりにセ・リーグを制覇。日本シリーズでも、パ・リーグ王者の近鉄を倒し、球団初の日本一を達成しました。MVPに選ばれたのは、すべての試合でヒットを打った高橋選手。翌80年にも、2年連続で盗塁王を獲得し、日本一連覇に大きく貢献。まさに、カープ黄金期の“斬り込み隊長”として、チームを牽引し続けたのです。
   


【プロ野球 佐々岡真司投手】

 カープが前回優勝した1991年、17勝を挙げ、優勝に大きく貢献したのが佐々岡投手です。高校時代は甲子園出場こそ出なかったものの、社会人野球・NTT中国で腕を磨き、89年のドラフトでは1位指名候補として注目を集めました。この年は野茂英雄投手・佐々木主浩投手・古田敦也選手らを輩出。“空前の大豊作ドラフト”といわれた年。そんな中、佐々岡投手はカープから単独で1位指名を受け、憧れのチームでプロ野球人生をスタートさせたのです。
 佐々岡投手に用意された背番号は、エースナンバーである18番。しかし当時のカープは、北別府投手・大野投手・川口投手といった名投手たちが鎬を削り、“投手王国”と呼ばれた時代でした。そんな中、とにかく無我夢中で投げ続けた佐々岡投手。その姿勢が首脳陣にも評価され、ルーキーながら先発・抑えにフル回転。当時のプロ野球新記録となる17試合連続セーブポイントを達成し、1年目から、13勝11敗17セーブの好成績を残します。ところがこの成績でも、佐々岡投手は新人王を逃してしまいました。この時に味わった悔しさが、2年目の飛躍につながります。翌91年、先発に専念した佐々岡投手は、シーズンを通して活躍。17勝と防御率2.44はともにリーグ1位。さらにシーズンMVPと、投手にとって最高の栄誉である沢村賞も受賞。チームの優勝に大きく貢献しました。この年以降も、最速150キロを超えるストレートとスライダーを武器に、先発・リリーフと、常にチームの大黒柱としてプレーした佐々岡投手。2006年には「先発で100勝・かつ100セーブ」を達成。江夏豊投手に続く、プロ野球史上2人目の快挙を成し遂げました。
   
 
 
【プロ野球 川口和久投手】

 今シーズン、圧倒的な攻撃力で快進撃を続けたカープ。しかしかつては投手王国と呼ばれ、投手力とディフェンス力で黄金時代を築きました。中でも、左のエースとして長年にわたってチームを支え、25年前の1991年も先発三本柱として活躍したのが川口投手です。川口投手は社会人野球を経て、80年にドラフト1位で広島カープに入団。パワーと強心臓を武器に、プロ入り3年目の83年には15勝を挙げ、柱の一人となりました。
 しかし相手チームに研究されはじめると、伸び悩みの時期を迎えます。そこで川口投手が取り組んだのが、アウトコース低めへのコントロール習得でした。しっかり腕を振りながらアウトコース低めに投げる投球術を身につけると、もともと得意だった右打者のインコースを突く真っ直ぐ、通称“クロスファイヤー”がより活きるようになり、86年から6年連続で2ケタ勝利を記録。87年・89年・91年はリーグ奪三振王に輝くなど、カープの絶対的なエースへと成長を遂げたのです。91年には通算1500奪三振も達成し、リーグ優勝に貢献。広島で3度のリーグ優勝を果たし“投手王国カープ”を支える大黒柱として活躍しました。

    

【プロ野球 達川光男選手】
 
 長年カープの正捕手を務め、1984年・86年・91年とカープを3度も優勝に導いた名キャッチャー・達川選手。東洋大学を経て、77年にドラフト4位で憧れのカープに入団しましたが、当時は75年のチーム初優勝と、79年・80年の連続日本一に貢献した水沼四郎選手が正捕手として健在で、達川選手はしばらく控え捕手に甘んじることになりました。この状況に発奮した達川選手。入団当時はまだ、キャッチャーとしての技術やリード、そしてバッティングも未熟でしたが、持ち前の明るいキャラクターと研究熱心さで、先輩たちに可愛がられ、いろいろ教えを受けていきました。
 その中の一人が、リリーフエースの江夏豊投手です。江夏投手に認められたことが投手陣全体の信頼を得ることにつながり、83年、中日にトレードされた水沼選手に代わって、達川選手はついに正捕手の座をつかみます。翌84年には、チームの日本一にも貢献しました。
  
   
  
【プロ野球 長嶋清幸選手】

 今年、カープを勢いに乗せた出来事といえば、真っ先に思い浮かぶのが、6月の交流戦中に鈴木誠也選手が放った3試合連続決勝ホームラン。特に最初の2本は「2試合連続のサヨナラホームラン」で、これはチーム32年ぶりの快挙でした。その32年前、カープが日本一になった1984年に、「2試合連続サヨナラホームラン」を打ったのが長嶋選手です。ジャイアンツを代表する二人のエース、西本・江川両投手から放っただけに、非常に価値のあるミラクルを演出した長嶋選手。この年、長嶋選手は阪急ブレーブスとの日本シリーズ第1戦でも決勝ホームランを放ち、日本一にも貢献。まさに“ミラクル長嶋”の面目躍如でした。 


   
来週のスポーツ伝説は……

  9月19日(月) バスケットボール 田臥勇太選手
  9月20日(火) バスケットボール 折茂武彦選手
  9月21日(水) 体   操 白井健三選手
  9月22日(木) 7人制ラグビー 桑水流裕策選手
  9月23日(金) サ ッ カー 浅野拓磨選手
            
                       お楽しみに!!
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