スポーツ伝説

12月11日~15日の放送内容

【フィギュア 浅田真央選手】

 今年4月10日、浅田選手が現役引退を表明。国民的ヒロインの引退は世間に衝撃を与えました。2006年12月、地元・名古屋で開催された全日本選手権で初優勝を果たし、名実ともに日本のトップスケーターとなった浅田選手。08年には四大陸選手権と世界選手権でともに初優勝を果たし、グランプリ・ファイナルも制するなど、世界トップの座に君臨します。
 しかしオリンピックとは巡り合わせが悪く、初出場となった10年のバンクーバー大会ではライバル、韓国のキム・ヨナ選手に及ばず、涙の銀メダル。雪辱を誓った4年後のソチオリンピックでは、ショートプログラムでの度重なる転倒が響き、まさかの6位。それでも14年の世界選手権で金メダルに輝くなど、その諦めないスケーティングは世界中のファンから愛され続けました。その後、1年間の休養を経て15年にリンクに戻ってきた浅田選手。来年開催されるピョンチャンオリンピック出場を目指しましたが、復帰後は思うような滑りができず、昨年12月の全日本選手権で12位という結果に終わったことが引退を決める大きな要因となりました。
   


【テニス 伊達公子選手】

 今年8月28日、元世界ランキング4位の伊達選手が現役引退を表明しました。伊達選手にとって、今回が2度目の現役引退。一度目は人気・実力ともに絶頂にあった1996年で、まだ26歳の時。「ツアーに疲れ、テニスが楽しくなかった」と語るなど、精神面での疲労が大きな要因でした。しかし46歳で決断した今回は、世界ランキングは1201位であっても「大好きなテニスと向き合い、ずっと勝負にこだわってきました」と語るなど、テニスへの愛が満ちた引退宣言となりました。
 年齢を超越した挑戦で世界中のファンを勇気づけた伊達選手。その証拠に、引退後の今年10月、イギリスの放送局BBCは、社会に影響を与える「100人の女性」の一人に伊達選手を選出。改めてその影響力の強さを示しました。


      
【サッカー フランチェスコ・トッティ選手】
 
 世界中が移籍マーケットになった昨今のスポーツ界。かつてはどの競技でも、入団から引退までをひとつのチームで全う“フランチャイズ・プレーヤー”がいたものですが、今では稀なケースとなっています。そんな中、四半世紀に渡ってひとつのクラブでプレーし続けた選手が今年、現役引退を表明しました。イタリアのプロサッカーリーグ、セリエAの強豪・ASローマのキャプテンにして永遠の背番号10・トッティ選手です。“ローマの王子様”として人気を集めたトッティ選手は、「サッカー選手としての人生の前半戦が終わった。これからより重要な後半戦をローマのチームフロントとして始める」と宣言。“ローマのトッティ”のまま引退する道を選びました。
 通算5回のイタリア最優秀選手賞、セリエA得点王1回といった輝かしいタイトルのほかに、イタリア代表でも背番号10をつけてエースとして活躍。2006年のドイツワールドカップでは、大会の4ヶ月前に左足首を骨折するという重傷を負いながら、滑り込みで代表入り。帰って来た王子様のもと、イタリアは快進撃を続け、24年ぶりとなる優勝を果たしたことでも知られています。619試合・250得点という公式戦通算成績は、共にASローマの最高記録です。
  


【サッカー フランク・ランパード選手】

 元イングランド代表のミッドフィルダー、ランパード選手が今年2月2日、現役引退を発表しました。引退表明時は、まだ38歳。フットボール選手としての能力はまだまだ高く、世界中からさまざまなオファーがある中で決めた引退でした。
 ランパード選手の偉業を振り返る上で外せないのは、プレミアリーグの名門・チェルシー時代の活躍。そして、イングランド代表としてのプレーです。2012年には、ミッドフィルダーでは史上初となるプレミアリーグ通算150ゴールを達成。最終的にはチェルシーで211ゴール、現役を終えるまでのキャリア通算で303ものゴールを記録しています。また、イングランド代表としても106試合に出場。29ゴールを決めました。「プレミア史上最高のミッドフィルダーのひとり」と称されたランパード選手。今後はその経験を生かし、指導者としての活躍も期待されています。


  
【ウィルチェアーラグビー日本代表】

 障がいを持つ選手が車いすに乗って4対4に分かれ、ボールを奪い合い、敵陣のゴールライン突破を目指すウィルチェアーラグビー。「ウィルチェアー」とは車いすのことで、障がい者スポーツとは思えない、車いす同士の激しいぶつかり合いがこの競技の魅力の一つです。
 日本がパラリンピックに初参加した2004年のアテネ大会は最下位の8位。しかし北京7位、ロンドン4位と着実に順位を上げてきました。そして昨年のリオパラリンピックでは、ウィルチェアーラグビーの3強と呼ばれる、オーストラリア・カナダ・アメリカのひとつ、カナダとの3位決定戦で見事に勝利し、銅メダルを獲得。試合終了の瞬間、キャプテン・池透暢選手とエース・池崎大輔選手は、コートで車いすのまま抱き合って喜びました。しかし、日本代表の最終目標はあくまで金。3年後、東京で一番いい色のメダルを手にするために、選手たちは燃えています。


         
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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