スポーツ伝説

1月25日~29日の放送内容

【プロ野球 藤波晋太郎投手】

 今年プロ4年目を迎える阪神タイガースの若きエース・藤波投手。プロ3年目の去年は、チーム最多の14勝をあげ、タイガースのエースとして誰もが認める存在になりました。ルーキーイヤーから、10勝・11勝・14勝と、3年連続で2ケタ勝利も達成。これは高卒ピッチャーでは史上9人目で、2001年の松坂大輔投手以来、14年ぶり。セ・リーグでは、タイガースの大先輩・江夏豊投手が達成して以来、実に46年ぶりの快挙でした。
 加えて注目すべきは、最多奪三振のタイトルを初めて獲得したこと。去年奪った三振の数は221個。セ・リーグで日本人投手が200奪三振を超えたのは、04年に阪神のエースだった井川慶投手が228奪三振をマークして以来11年ぶりでした。ただ残念だったのは、エースの証ともいわれる「投球回数200イニング超え」にわずか1イニング届かなかったこと。今年は奪三振・投球回数ともにダブル200超えを狙い、シンのエースを目指します。



【プロ野球 涌井秀章投手】

 去年15勝をあげ、日本ハムの大谷投手と並んで最多勝のタイトルを獲得した、千葉ロッテの涌井投手。西武時代以来6年ぶり3度目の栄冠で、2ケタ勝利をあげたのも5年ぶりでした。
 2004年、横浜高校からドラフト1巡目で高校の先輩・松坂大輔投手と同じ西武に入団した涌井投手。2年目の06年に早くも12勝と2ケタ勝利を記録。翌07年には17勝をあげ、初の最多勝に輝きました。プロ5年目の09年には、16勝で2度目の最多勝と沢村賞も獲得。名実ともに日本球界を代表するピッチャーとなりますが、その後ヒジを痛めたことなどが響き、成績は下降の一途をたどりました。そんな中、ロッテへのFA移籍を決断。ロッテの指揮官の伊東勤監督は涌井選手にとって、西武に入団した時の監督でもあり、エースに育ててくれた恩師でもありました。初心に返っての移籍1年目は8勝どまり。でも先発の感覚を取り戻した去年は15勝。頼れるエースが復活してくれたのは、伊東監督にとっても何よりも嬉しいことでした。
 

 
【プロ野球 高橋光成投手】

 去年、パ・リーグを沸かせた高卒ルーキー投手といえば、埼玉西武ライオンズの高橋投手。昨シーズンは、1軍に初昇格した8月に月間4勝をマーク。月間MVPに選ばれました。18歳6か月での受賞は、西武の大先輩・松坂大輔投手が99年に受賞した18歳10カ月を塗り替える、史上最年少記録。8月23日には、高卒ルーキーでは史上20人目の完封勝利も記録しました。この試合は、3位を争うロッテとの直接対決。クライマックスシリーズ出場をかけた大一番で最高の結果を残せたのは、ピンチで開き直れるタフな精神があったからこそでした。
 


【プロ野球 安樂智大投手】

 去年10月5日、コボスタ宮城で行われた楽天対ソフトバンク戦。イーグルス期待の星・安樂投手が1軍デビュー戦で、初先発・初勝利を飾りました。高卒ルーキーがデビュー戦で初勝利をあげたのは、球団初の快挙です。
 安樂投手の名前が知られるようになったのは、2013年、愛媛県の済美高校2年生の時。春の選抜高校野球に出場した安樂投手は、5試合すべてに先発。最速157キロの剛速球を武器に、46イニング・772球を投げ抜き、チームを準優勝に導きました。しかしその年の秋に右ヒジを故障。3年の時は春夏とも甲子園に行けませんでしたが、14年のドラフトで楽天とヤクルトが1位指名。抽選の結果、楽天が交渉権を獲得したのです。入団会見の際は、「1年目から開幕ローテーションを目指します」と宣言。ところが首脳陣は安樂投手をファームでじっくり育てる方針を決め、まずはヒジに負担のかからないフォームへの改造に乗り出しました。シーズン終盤、楽天の新人7選手の内、1軍デビューしていないのは安樂選手だけに。それだけにシーズン142試合目にしてようやく巡ってきた1軍のマウンドには、格別な思いがあったのです。
 


【プロ野球 高橋純平投手】

 去年のドラフトで高校生では1番の目玉候補と言われ、ソフトバンク・日本ハム・中日の3球団が1位指名で競合した、県立岐阜商業高校出身の高橋投手。抽選の結果、ソフトバンクが交渉権を引き当て、工藤監督のもとで常勝軍団のエースを目指すことになりました。
 去年春の選抜高校野球で、150キロを超えるストレートに加え、スライダー・カーブ・スプリットなどの変化球をコーナーいっぱいに投げ分ける高校生離れしたピッチングを披露。高校ナンバーワン右腕として注目されていました。層の厚い投手陣でも1年目からローテーション入りを期待されていますが、高橋投手の将来の夢はもっと大きく、日本のエース。見据える先には、2020年の東京オリンピックがあります。4年後の東京大会では野球の復活が濃厚ですが、その時にマウンドに立っているのは、エースナンバー18をつけた高橋投手かもしれません。
 


来週のスポーツ伝説は……

 2月1日(月) 大リーグ 青木宣親選手
 2月2日(火) プロ野球 若松勉選手
 2月3日(水) プロ野球 鈴木啓示投手 
 2月4日(木) プロ野球 前田智徳選手
 2月5日(金) プロ野球 桜井俊貴選手

                       以上の5選手をご紹介します。
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