スポーツ伝説

7月1日~5日の放送内容

【テニス ロジャー・フェデラー選手】

 1877年に始まった世界最古のテニストーナメント・ウィンブルドン。グランドスラムと呼ばれるテニスの4大大会の中で唯一芝のコートで行われるため、この大会の勝者は“芝の王者”と呼ばれます。140年以上の歴史を誇るこの大会で最も多く優勝した“史上最高の芝の王者”は、スイスの英雄・フェデラー選手です。1998年のツアーデビュー以降、数々の栄冠を手にし、4大大会もすべて制したフェデラー選手が、中でも無類の強さを誇ったのがウィンブルドンでした。
 2003年のウィンブルドンで悲願の初優勝を達成。スイス人選手にとって、初のグランドスラム制覇でした。以降、フェデラー選手は2007年まで大会5連覇を成し遂げます。これは1980年に5連覇を成し遂げたビョルン・ボルグ選手以来の快挙でした。2017年には5年ぶり、そして史上最多となるウィンブルドン8度目の優勝を達成。35歳342日での大会制覇は、プロ化以降では最年長記録であり、初戦から決勝まで1セットも失わない“完全優勝”で“芝の王者”完全復活を強烈に印象づけたのです。18年のウィンブルドンでは、「芝のコートで通算175勝」を挙げ歴代最多記録を更新。名実ともに“芝の絶対王者”となったのでした。


   
【テニス ノバク・ジョコビッチ選手】

 2010年代前半から中盤にかけて、テニス界で圧倒的な強さを見せたのが、セルビア出身のジョコビッチ選手です。11年に全仏オープン以外のグランドスラムを制し、世界ランキングもはじめて1位に到達。その後、ライバルのラファエル・ナダル選手や、ロジャー・フェデラー選手らとランキング1位の座を奪い合いながら、グランドスラム制覇を成し遂げてきました。
 16年には、唯一勝っていなかった全仏オープンを制し、史上8人目となる4大大会制覇“キャリア・グランドスラム”を達成。しかし30歳を過ぎた17年以降、大きなスランプに突入してしまいました。原因は、長年悩まされてきた右ヒジ痛。この治療のため、17年後半からツアーを離脱。世界ランクは一時、22位まで落ちてしまいます。そんなジョコビッチ選手が復活をかけて臨んだ舞台が、18年のウィンブルドン。そこで見事に優勝をもぎ取り、4度目のウィンブルドン制覇を果たしたのです。
  


【テニス アンジェリック・ケルバー選手&セリーナ・ウィリアムズ選手】

 昨年のウィンブルドン女子シングルス決勝は、元世界ランク1位同士の復活をかけた戦いとなりました。ひとりは、全豪・全米オープンでそれぞれ1度の優勝経験があるドイツの30歳、ケルバー選手。もうひとりは、グランドスラム獲得数が史上2位の23回、アメリカのウィリアムズ選手、36歳です。ともに元世界ランク1位でありながら、そこの至る道のりは好対照です。
 ケルバー選手が世界ランク1位になったのは16年9月、28歳の時。しかも1位にとどまれたのはわずか4ヵ月。17年1月の全豪オープンで4回戦敗退を喫すると、この大会で優勝したセリーナ選手に1位の座を奪われ、シーズン終了時の世界ランクは21位にまで落ち込みました。一方のセリーナ選手は、02年に弱冠20歳で世界ランク1位の座を獲得。その後、何度もランキング1位を経験し、長きにわたって女子テニス界の“絶対女王”として君臨してきました。しかし17年1月の全豪オープンの後、産休のため1年以上ツアー出場を辞退。18年のウィンブルドンはランキングが183位ながら過去の実績を考慮されてシード選手になり、批判を受けながらもわずか1セットを落としただけで決勝に進出しました。ただし、決勝の舞台で輝いたのはケルバー選手。終わってみればストレートでウィンブルドン初優勝。約2年ぶりのグランドスラム制覇で、復活を印象付けました。


    
【大相撲 朝乃山英樹関】
 
 元号が平成から令和に変わって最初の場所となった、5月の大相撲夏場所。そこで令和最初の優勝力士となったのは、西前頭8枚目の朝乃山関でした。成績は12勝3敗。しかも14日目に優勝を決めるという快挙。それまでの朝乃山関の番付最高位は前頭5枚目で、三役経験のない力士が優勝したのは、のちに横綱になった佐田の山関以来58年ぶり。富山県出身の力士が優勝したのは、元横綱・太刀山関以来103年ぶりのこと。
 新たに設けられた「アメリカ大統領杯」の初代受賞者ともなり、千秋楽を観戦したドナルド・トランプ大統領から直接手渡されるという栄誉に浴しました。

 
 
【大相撲 志摩ノ海航洋関】
 
 力士生命を左右する大ケガを乗り越えて、先場所、待望の新入幕を果たした志摩ノ海関。近畿大学出身の志摩ノ海関は、2012年5月の夏場所で初土俵を踏み、約1年をかけて幕下4枚目まで番付を上げます。ところが13年7月の名古屋場所で左ひざ前十字じん帯を断裂。6場所連続で休場することになり、せっかく上げた番付は序ノ口まで下がってしまいました。
 それでも気持ちを切らさず、2014年7月の名古屋場所で復帰すると、再びコツコツと番付を上げ、2年後の名古屋場所でついに十両に昇進。今年1月の初場所、3月の春場所で2場所連続十両優勝を果たし、ついに幕内力士の座をつかみました。

        
 
来週のスポーツ伝説は……

  7月 8日(月) 競  泳 マイケル・フェルプス選手
  7月 9日(火) 競  泳 カティンカ・ホッスー選手
  7月10日(水) 競  泳 青木玲緒樹選手
  7月11日(木) 競  泳 入江陵介選手
  7月12日(金) プロ野球 オールスターゲーム2018
                       
                        お楽しみに!!
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