スポーツ伝説

8月13日~17日の放送内容

【高校野球 1968年甲子園・第50回大会】

 第100回記念大会である今回は、史上最多となる56代表が熱戦を繰り広げている夏の甲子園。記念大会で出場校を増やしたのは1958年の第40回大会からで、このとき史上初めて、全国47都道府県すべてから代表校を選出。沖縄県の高校が夏の甲子園本大会に出場したのも、この時が初めてでした。その後、首里高校は63年の第45回大会で沖縄県勢初勝利を達成。その後、68年の第50回大会で「大会2勝」を目標に掲げ、夏の甲子園に挑んだのが興南高校です。
 興南は初戦を突破すると、続く2回戦も勝利。沖縄勢の念願だった「大会2勝」をみごと実現しました。快進撃はさらに続き、3回戦は完封勝利。準々決勝は10対4の大勝と、誰もが驚くベスト4進出を果たしたのです。沖縄勢初のベスト4進出は“興南旋風”と呼ばれ、大きな話題になりました。そして2010年、春のセンバツで念願の初優勝。さらに夏の選手権は沖縄県勢で初の全国制覇を達成。史上6校目となる春夏連覇の偉業を成し遂げたのです。


     
【高校野球 1998年甲子園・第80回大会】

 『夏の甲子園史上、もっとも切ない幕切れ』と語り継がれる伝説の試合といえば、1998年の第80回大会2回戦、山口県代表・宇部商業高校と愛知県代表・豊田大谷高校の一戦です。
 両校の両先発が共に好投し、試合は延長戦に突入します。投手戦となり、迎えた15回裏。守る宇部商・藤田投手の球数は200球を超え、すでに体力も限界の状態。ヒットとエラー、フォアボールでノーアウト満塁という、一打サヨナラの大ピンチで、その瞬間は訪れました。211球目を投げようとした藤田投手は、プレート板に足をかけたまま投球動作を途中でやめ、手を下に落としてしまったのです。すかさず、林主審は「ボーク」を宣告。三塁ランナーがホームに生還し、豊田大谷のサヨナラ勝ちというまさかの幕切れとなりました。あまりにも暑い試合で起きた、あまりにも悲しいサヨナラボークでした。
   

   
【高校野球 2008年甲子園・第90回大会】

 2008年の第90回記念大会では、55代表が甲子園球場に集結しました。この大会で高校野球ファンを大いに沸かせたのが、北大阪代表の大阪桐蔭高校です。大阪桐蔭といえば、1991年夏の第73回大会で、初出場初優勝の快挙を達成。しかしその栄光は続かず、再び甲子園に戻ってきたのは、西岡剛選手らを擁した2002年夏のことでした。以降は安定した強さを発揮するようになり、平田良介選手、中田翔選手ら、のちにプロでも主力となるメンバーを擁した05年あたりから、大阪でも抜きんでた存在となります。
 そんな中迎えた08年夏。大阪桐蔭は、浅村栄斗選手ら強打者が並ぶ打線が好調で、準決勝では超高校級スラッガー・筒香嘉智選手がいた優勝候補の横浜高校も撃破。決勝の舞台へと駒を進めました。迎えた決勝戦、静岡代表の常葉学園菊川との一戦は、決勝戦では史上最多タイとなる17点差をつけ、17対0で大阪桐蔭が17年ぶり2度目の全国制覇を達成。チーム打率は4割を超えていました。
  
  
    
【サッカー 乾貴士選手】
 
 FIFAワールドカップ・ロシア大会で2ゴールを挙げ、日本のベスト16入りに大きく貢献。一躍脚光を浴びた乾選手。重心の低い高速ドリブルが持ち味で、タテへの突破力は日本人選手の中でも群を抜いています。乾選手は高校を卒業後、横浜F・マリノスとセレッソ大阪でプレーし、2011年にドイツ・ブンデスリーガ2部のボーフムに移籍。その後、1部のフランクフルトなどでの4年間を経て、15年にスペインリーグ1部のエイバルへ移籍。スペインでプレーするという子供の頃からの夢を叶えました。
 世界最高峰のリーガ・エスパニョーラで、乾選手は高速ドリブルにさらに磨きをかけ、スペイン特有の速いパス回しにも適応。献身的な守備も見せ、いつしかチームに欠かせない選手になっていきます。2年目の2016-17シーズンには、それまで大久保嘉人選手が持っていた、日本人最多出場記録を塗り替える通算40試合出場を達成。昨年5月に行われた最終節のFCバルセロナ戦では、最強のチームを相手に1人で2ゴールをマーク。ワールドカップ・ロシア大会の代表の座を掴みとりました。ワールドカップ後、3年を過ごしたエイバルから、昨シーズン6位と躍進したベティスへの移籍を発表した乾選手。今シーズンのさらなる飛躍に注目です。

 
 
【サッカー 柴崎岳選手】
 
 フランスの2度目の優勝で幕を閉じた、FIFAワールドカップ・ロシア大会。その大舞台に、日本代表として4試合すべてに出場したのが、柴崎選手です。ボランチとして試合を組み立て、絶妙なスルーパスで幾度となくゴールチャンスを演出、守備でも献身的な働きを見せ、日本の決勝トーナメント進出に大きく貢献しました。柴崎選手は、日本代表で共にプレーした宇佐見貴史選手・昌子源選手らと同じ“プラチナ世代”と呼ばれる1992年生まれ。高校卒業後に鹿島アントラーズに入団し、順調に実績を積み重ねてきました。柴崎選手が一躍脚光を浴びたのは、鹿島時代の2016年12月に行われた、クラブワールドカップの決勝戦。世界最強クラブ、レアル・マドリードを相手に2ゴールを決め、その名を世界に轟かせました。
 その後は活躍の場をスペインに移し、2部のチームを経て、2017-18シーズンは1部のヘタフェへと移籍。開幕戦に名を連ねリーガ・エスパニョーラデビューを果たすと、レアル・マドリードとバルセロナという二大クラブから得点を挙げた日本人選手第一号となりました。その大舞台での活躍を買われ、ワールドカップ・ロシア大会のメンバーに選ばれた柴崎選手。ワールドカップでの活躍によって、更に評価は急上昇。世界から注目される存在となった柴崎選手の、更なる成長に期待です。

  
   
来週のスポーツ伝説は……

  8月20日(月) 高校野球 2008年甲子園・第90回大会
  8月21日(火) 高校野球 甲子園・優勝旗
  8月22日(水) サッカー 大迫勇也選手
  8月23日(木) サッカー 原口元気選手
  8月24日(金) テ ニ ス ダニエル太郎選手

                       お楽しみに!!
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