スポーツ伝説

8月31日~9月4日の放送内容

【プロ野球 館山昌平投手】

 ヤクルト・スワローズの館山投手は、6月28日の巨人戦で814日ぶりの復活登板を果たし、続く7月11日の横浜DeNA戦で、1019日ぶりの勝利投手となりました。
 2008年から5年連続の2ケタ勝利をあげ、09年には最多勝のタイトルを獲得。その後の13年は2試合で0勝、昨年はついに登板がありませんでした。4月10日に3度目の右ひじ手術を敢行。手術は成功したものの、寝返りさえうてない苦難の毎日が続きました。館山投手は昨年までで、合計7回の手術を体験。体には151針の縫合跡があるそうです。復活後の目標は、自己最多の17勝と年間189イニング突破。手術明けのために今シーズンの達成は難しいですが、常に1戦必勝の態勢で臨んでいるそうです。
 


【プロ野球 山田哲人選手】

 超一流打者の証明であるトリプルスリーは、打率3割、ホームラン30本、盗塁30個を同時にクリアすること。プロ野球でこれを達成した選手は、過去に8人しかいません。ヤクルトの山田選手は今年、トリプルスリーだけでなく、盗塁王も視野に入れています。
 日本人右打者で最多となる193安打を放った昨シーズンから注目が集まりましたが、今シーズンは開幕直後から不振続き。3・4月の打率は2割6分9厘でした。しかし5月の打率は3割3分7厘と上昇。すっかり調子を取り戻しました。打席で脅威となる山田選手ですが、塁に出てもバッテリーは気を抜けません。50mを5秒8で走る俊足。走塁を担当する福地コーチは「50盗塁できる走力を持っていると思う」と明かします。08・09年と、2年連続セ・リーグ盗塁王を獲得した福地コーチから見ても、その脚力は驚異的のようです。
 

 
【テニス ジミー・コナーズ選手】

 テニス4大大会の最終戦となる全米オープンが開幕しました。ニューヨーク郊外のフラッシングメドウで行われるこの大会は、賞金総額・観客動員数など、テニス界最大級のスケールを誇っています。そんな全米オープンで5度の優勝を誇る名選手が、コナーズ選手です。
 近代テニスのスタートは、1874年と言われています。その100年後、1974年の全豪オープン初出場で決勝に進出したコナーズ選手は、フィル・デント選手を破って一躍世界中にその名を轟かせました。続く全仏オープンは出場停止処分で参戦できなかったものの、ウィンブルドンの決勝ではオーストラリア出身の伝説的なプレーヤー、ケン・ローズウォール選手を下しました。華麗で流れるようなフォームで芸術と言われたローズウォール選手に、パワーテニスで対抗したコナーズ選手。両手打ちのバックハンドやネットへのダッシュなど、現在では当たり前のプレーも、当時は型破りと評されました。74年は年間15勝。7月に世界ランク1位になってから160週間、その座を死守。仮にこの年に全仏に出ていれば、年間グランドスラムは確実だったと言われています。



【メジャーリーグ カール・ヤストレムスキー選手】

 メジャーリーグのレジェンドの一人、“最後の3冠王”と呼ばれたのが、ボストン・レッドソックスで活躍したヤストレムスキー選手。2012年、ミゲル・カブレラ選手が獲得するまで、メジャーリーグでは実に45年間も3冠王が現れませんでした。
 1960年に引退した最後の4割打者、テッド・ウィリアムズ選手と入れ替わるように、フェンウェイパークのグリーンモンスターを背にするレフトの守備位置に入りました。ルーキーには守りにくいと言われるこのポジションで、素晴らしいパフォーマンスを披露。メジャー3年目の63年には、打率3割2分1厘で首位打者に輝くと同時に、ゴールドグラブ賞受賞。オールスター戦にも選出されています。ヤストレムスキー選手が主力に座ると、長い低迷気が続いていた名門チームも息を吹き返し、66年の10チーム中9位から、翌67年には21年ぶりのリーグ優勝。特にラスト12試合の打率が5割2分3厘と活躍したヤストレムスキー選手は3冠王となり、シーズンMVPも獲得しました。レッドソックス一筋に23年。デビュー以来20年連続で100安打以上は、メジャーリーグ記録です。その偉大な足跡から背番号8は永久欠番となり、89年に有資格1年目で野球殿堂入りを果たしました。
 


【大相撲 旭天鵬関・若の里関】

 名古屋場所を最後に、レジェンド2人が現役にピリオドを打ちました。旭天鵬関と、若の里関です。2人は、1992年3月場所が初土俵の同期生。一時は「十両に落ちてもとろうかな」と話していた関取最年長の旭天鵬関は、場所後に引退を表明。これからは年寄「大島」として、後進の指導に当たります。幕内在位は99場所だけに「100場所は達成したい」とも話していましたが、モンゴルでは十両の取り組みがテレビ放送されていないことがネックとなりました。
 一方の若の里関は、7月場所後すぐに引退を発表せず、先送りしました。理由は、夏巡業。今年は故郷の青森で3年ぶりに開催が決まっており、告知ポスターには若の里関の写真が入っていたのです。また巡業中には、今年急逝した元大関貴ノ浪の音羽山親方、入門時の師匠だった元横綱・隆の里の鳴戸親方の追悼式も行われました。律儀な人柄ゆえ、「これだけは何としても」と、周囲に漏らしていたそうです。名古屋場所の千秋楽、敗れた若の里は花道を引き揚げる際、5秒もの間、深々と頭を下げました。そんな姿に送られた観客からの大きな拍手は、何よりの贈り物。2人それぞれの、引退の美学です。
 


来週のスポーツ伝説は……

 9月 7日(月) プロ野球 工藤公康監督
 9月 8日(火) サッカー 武藤雄樹選手
 9月 9日(水) 大相撲  栃煌山関
 9月10日(木) プロ野球 安仁屋宗八投手
 9月11日(金) 大リーグ カル・リプケン・ジュニア選手

                       以上の5名をご紹介します。
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