スポーツ伝説

11月23日~27日の放送内容

【プロ野球 内川聖一選手】
 
 圧倒的な強さでペナントレース、クライマックスシリーズ、そして日本シリーズを制覇したソフトバンク・ホークス。工藤監督は自身が胴上げされた後、キャプテンの内川選手の胴上げに加わり、感動のワンシーンを演出しました。
 パ・リーグ3位となったロッテは、レギュラーシーズン終盤から破竹の勢いでクライマックスシリーズ・ファーストステージを勝ち上がり、福岡に乗り込んできました。その勢いをストップさせたのは、4番のサヨナラ打。工藤監督が絶大な信頼を寄せる内川選手でした。内川選手にとって、プロ入り以来、最も悩んだという激動の今シーズン。チームは2012年の小久保選手以来、キャプテンが空席でした。就任した工藤監督がまず行ったのは、選手をまとめるキャプテンの指名。大役を任されることを伝えられた内川選手は当初、戸惑うばかりだったと言います。胴上げ後、工藤監督が「内川にはキャプテンとして僕が背負わせてしまったものもたくさんありました。それを何とか受け止めてあげたいなという思いで胴上げをしました」と、しみじみ語っていたのが印象的です。



【プロ野球 本西厚博選手】

 ユーティリティープレーヤーが求められるのは、現代野球の基本。その先駆者といえば、オリックス、阪神などで息の長い活躍をみせた本西選手。芸術とまで言われたオリックス外野陣を統率し、司令塔として存在感を示しました。
 1985年のドラフト4位でオリックスの前身・阪急から指名されますが、入団したのは86年オフ。外野の他に3塁も守るなど、高い守備能力には定評がありました。89年には、規定打席には達していなかったものの、ゴールデングラブ賞を獲得。当時、若手で同じ外野手だったイチロー選手・田口壮選手に様々な指導を行い、試合中も指示をしていたことから、史上最高といわれる外野陣を作り上げた陰の功労者と言われています。
 
 
 
【プロ野球 井上弘昭選手】

 1966年のドラフト会議で東映から8位指名された井上選手は、評価が低いと入団を拒否。「1位になるまでプロには入らない」と誓い、翌67年に見事広島からの1位指名を勝ち取りました。ところが即戦力として期待されながらも、ルーキーイヤーは守備要員。2年目に山本浩司選手が入団してくると、すぐに外野手のレギュラーになってしまいます。出場機会がない中、73年に中日への交換トレードが決まり、これが井上選手の闘志に火をつけました。1年目から勝負をかけると決め、ポジションにはこだわらず、闘志をむき出しにしたバッティングでファンを魅了。この年リーグ最多の10個のデッドボールは、その意気込みと勇気の表れです。そうした活躍が認められ、移籍2年目には3番が定位置に。巨人のV10を阻むと共に、勲章ともいえる前年を上回る13個のデッドボールを受けました。
 84年限りで現役引退を表明。そのオフには、西武に守備走塁コーチとして迎えられました。ところが右の代打が不足する事態が発生し、急遽、現役に復帰。まさに波乱万丈の選手時代でした。 



【プロ野球 アレックス・ラミレス監督】
 
 現役時代から「日本で監督になるのが夢」と語っていたラミレスさんが、横浜DeNAベイスターズの新監督に就任。来シーズンのセ・リーグ6球団の監督は、すべて40歳代と一気に若返りが進みました。
 メジャーリーガーだったラミレス監督が来日したのは、2000年11月。当初の予定は「購入した自宅と車のローンの代金を稼いで、1年でメジャーに復帰する」。ところが翌01年の春季キャンプで、日本野球のすごさを垣間見ました。腰を落ち着け、日本に馴染むと決めたラミレス選手。13年には外国人枠で入団した選手では初の、日本での通算2000本安打を達成。しかし以降は持ち前のバッティングに陰りが出て、翌年はプロ12球団のどこからもオファーが届きませんでした。独立リーグ群馬ダイヤモンドペガサスのコーチ兼選手を経て、現役を正式引退。今年はシニアディレクターを務める一方、オリックスの巡回アドバイザーを兼務。オリックスからは打撃コーチ就任オファーもあったそうですが、迷わず横浜DeNAの監督となることを決めました。
 


【プロ野球 盛田幸妃投手】

 奇跡のリリーバー・盛田さんが、10月16日に死去しました。現役時代は、史上最多の3度の3冠王を獲得。落合博満選手が最も苦手とした投手で、カミソリを想わせるシュートは、ストレートよりも速いといわれました。1992年には、最優秀防御率のタイトルを獲得しています。
 87年のドラフト1位で大洋へ入団。ところがプロの壁にぶつかり、4年間は思うように成績があがりませんでした。勝負の5年目。高校以来封印してきたシュートを復活。中継ぎとして規定投球回をクリアすると、オールスターへも初出場を果たしました。最終的には14勝をあげると共に、防御率2.05で最優秀防御率のタイトルを獲得。大魔神・佐々木主浩投手とのダブルストッパーは、チーム最大の売り物でした。
 


来週のスポーツ伝説は……

 11月23日(月) プロ野球 リック・バンデンハーク投手
 11月24日(火) プロ野球 オコエ瑠偉選手
 11月25日(水) プロ野球 高山俊選手
 11月26日(木) プロ野球 高橋由伸監督
 11月27日(金) プロ野球 池谷公二郎投手

                       以上の5名をご紹介します。
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