スポーツ伝説

1月4日~8日の放送内容

【大相撲 千代丸一樹関・千代鳳祐樹関】

 10日から東京・両国国技館で大相撲初場所が始まります。対照的なキャラクターで人気の兄弟関取は、鹿児島県志布志市出身。兄の千代丸関は、中学を卒業後すぐに元横綱・千代の富士が率いる九重部屋に入門。1年後に弟の千代鳳関も全く同じ道を辿り、兄弟弟子となりました。でも出世が早かったのは、弟の千代鳳関。大けがにもめげず、2012年初場所以後、新十両に。一方、千代丸関には幕下でしばらく足踏みが続き、13年名古屋場所後に十両昇進。これで史上17組目の兄弟関取誕生となりました。2人は、十両時代にとても珍しい記録を作ります。13年九州場所で千代鳳関が十両優勝すると、今度は続く14年初場所で千代丸関が十両優勝。史上初の兄弟での十両連続優勝を達成したのです。それと同時に、千代丸関の新入幕も決定し、史上10組目の兄弟幕内力士が誕生しました。
 現在の番付は、千代鳳関が幕内。千代丸関は、今度の初場所で十両に落ちて4場所目。しかし弟は、兄の才能を誰よりも認めています。稽古場で兄に容赦なく張り手を食らわせ、土俵にたたきつけるのも、「兄は泣いたら力を出す」と分かっているから。弟の愛のムチにどう応えるのか、初場所での奮起が待たれます。



【大相撲 嘉風雅継関】

 3場所連続で2ケタ勝利をあげる大活躍。嘉風関は、横綱・大関を何度も倒し、大関を狙ってまい進中です。
 9場所ぶりに小結に復帰した去年の九州場所では、地元・大分出身ということもあり、何度も館内を沸かせました。初日に横綱・鶴竜関を渡し込みで破り、これで対横綱戦4連勝。2日目に稀勢の里関を肩すかし、14日目に豪栄道関を押し倒しで破り、三役で初の勝ち越し。技能賞を受賞し、3場所連続で三賞を獲得しました。色々な技が飛び出す上に、上位力士にも強い嘉風関。横綱・大関以上に、今一番ファンを沸かせてくれる存在と言っても過言ではありません。


 
【大相撲 勢翔太関】

 四股名通りの敢闘精神あふれる取り口の勢関。小学生の時、全く経験がないのに参加した相撲大会で優勝。それがきっかけで、地元のアマチュア相撲の名門「古市道場」に通うようになりました。その時に一緒に通っていた同学年の子が、のちの大関・豪栄道関。豪栄道関はその後、相撲の名門校に入り力士への道を歩んでいきましたが、勢関は相撲部屋から何度も誘われながらも、高校進学すらせず、3年間のニート生活を。実家の寿司店を手伝っていましたが、やがて自分から相撲をやりたいと思うようになりました。
 幕下で足踏みしたため、先に角界入りしてスピード出世を果たしていた豪栄道関には4年半もの遅れを取りましたが、2012年の春場所で新入幕。去年は秋場所で11勝、九州場所で12勝をあげる大活躍をみせ、三役復帰を確定。2場所連続4度目の敢闘賞を受賞し、今年は三役定着と大関昇進を目指します。



【大相撲 琴勇輝一嚴関】

 取組前に吠えるパフォーマンスでおなじみの琴勇輝関。2008年3月の春場所で初土俵を踏んでからは、努力を重ね、順調に出世。13年の初場所でついに新入幕を果たし、小豆島初の幕内力士となりました。三段目の頃から始めた取組前の雄叫びも、だんだん有名に。ところが、これに思わぬ横やりが入ります。横綱・白鵬関が突然、琴勇輝関と千代鳳関を名指しし、「咳払いやめろ!犬じゃないんだから、吠えるな!」と物言いをつけたのです。次の場所の初日は、まさにこの二人の対戦。千代鳳関は横綱に従い自粛しましたが、琴勇輝関は普段よりも大きな声で雄叫びをあげました。「あれは受け狙いのパフォーマンスではなく、自分のリズムであくまでも気合い。そこだけは分かって欲しい」と、信念を語った琴勇輝関。その後、白鵬関から琴勇輝関をとがめる言葉は、特に出なかったそうです。



【ラグビー 松島幸太朗選手】

 南アフリカ生まれの22歳は、ジンバブエ人の父と日本人の母の間に生まれたハーフ。ワールドカップ・南アフリカ戦では、絶妙な突破で五郎丸選手のトライを演出。全身をバネのように使い、一瞬で最高速に入る驚異のスピード、日本人離れした突破力は、世界の注目を浴びました。
 子どもの時からラグビーを始め、神奈川の強豪・桐蔭学園に進学。2010年の全国高校ラグビーでは、優勝に貢献しました。すると全国の名門大学からオファーが殺到。しかし「将来はプロ選手として、海外でプレーしたい」という夢を持つ松島選手が選んだのは、南半球最高のプロリーグ・スーパーリーグでした。南アの強豪・シャークスの育成部門に入った松島選手は、母国で徐々に実力を発揮。ついに南アフリカのU-20代表候補に選ばれます。しかし悩んだ末に、松島選手は代表を辞退。たとえ1試合でも南アフリカ代表でゲームに出てしまうと、日本代表になる資格を失ってしまうからです。憧れの桜のジャージを着てのワールドカップでは、まさのその母国・南アフリカに奇跡の大逆転。これ以上ない恩返しを果たしました。
 


来週のスポーツ伝説は……

 1月11日(月) プロ野球 斎藤隆選手
 1月12日(火) プロ野球 西口文也投手
 1月13日(水) プロ野球 谷佳知選手
 1月14日(木) プロ野球 高橋尚成投手
 1月15日(金) プロ野球 井端弘和選手

                       以上の5選手をご紹介します。
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