スポーツ伝説

8月3日~7日の放送内容

【プロ野球 森下暢仁投手】

 日本のプロ野球では、チームのエース級ピッチャーがつけることが多い背番号18。森下選手は、1年目からその18番をつけた広島カープのルーキーです。明治大学時代はキャプテンでエースとして、東京六大学リーグで通算15勝を挙げ、38年ぶりの全日本大学選手権制覇に貢献。昨年のドラフトで広島から単独で1位指名され、入団しました。ところが開幕直前に行われた練習試合で、森下投手は4イニングを投げて9失点。並みのルーキーなら不安になるところですが、森下投手は試合後、大学時代の監督に電話してすぐに修正を図りました。
 そして6月21日、森下投手は横浜DeNAベイスターズとの開幕カード第3戦に先発。このデビュー戦で、7イニングを投げ4安打無失点と堂々のピッチングを披露し、修正能力の高さを示してみせたのです。しかし試合は、抑え投手が打たれて広島が逆転サヨナラ負け。それから1週間後の6月28日、中日戦で2度目の先発をした森下選手は、味方の大量リードをバックに8回まで5安打無失点と、前回以上の好投を見せました。完封を狙った9回に3点を奪われ、惜しくも完封・完投は逃しましたが、プロ2戦目で早くも、プロ初勝利を挙げたのです。
 
 

【プロ野球 岡野祐一郎投手】

 青山学院大学時代からプロを目指していた岡野投手は、卒業後、社会人野球の名門・東芝に入社。1年目の2017年、都市対抗野球に出場し、優秀選手賞に輝きました。ところが、2年目はドラフトで指名されず東芝に残留。3年目の19年、ドラフトで中日が3位指名し、ついにプロの門をくぐりました。今年6月に開幕を迎えた時点で、すでに26歳。入団会見では「3本の矢で、新人王を目指したい」と宣言しました。その「3つの矢」とは、「2種類のフォークボール」、「粘り強さ」、そして「引き出しの多さ」。試合展開に応じてフォームや変化球の曲げ方を微妙に変えるなど、多彩なピッチングができるのです。岡野投手はこの「3本の矢」を武器に、開幕ローテーション入りを果たしました。
 待望のデビュー戦は、6月25日に横浜スタジアムで行われたDeNA戦。岡野投手は初回、オースティン選手に先制ホームランを打たれるなど、5回5失点で降板。負け投手となり、ホロ苦いデビューになりました。その反省を胸に7月2日、本拠地・ナゴヤドームの阪神戦で2度目の登板。3連戦の3 試合目でしたが、第1戦・第2戦に先発した柳裕也投手と山本拓実投手が阪神打線の傾向と対策をアドバイス。青山学院大学の先輩でキャッチャーの加藤匠馬選手が巧みなリードで支え、岡野投手は苦しみながらも嬉しいプロ初勝利を挙げました。


【プロ野球 長谷川宙輝投手】

 長谷川投手は、6月25日の阪神戦9回表、3番手でマウンドへ。ヤクルトが1点リードされている場面ながら、150キロに迫るストレートを軸にリズムよく3者凡退に抑えると、その裏、ヤクルト打線が奮起。代打・西浦直亨選手の劇的なサヨナラスリーランホームランが飛び出し、プロ初勝利を手にしました。今年で高卒4年目のサウスポー。昨年まで3年間、福岡ソフトバンクホークスの育成選手でしたが、目立った活躍ができず自由契約に。しかしその潜在能力を評価したヤクルトが獲得の意思を示し、支配下選手として契約。春のキャンプで首脳陣にアピールし、開幕一軍を勝ち取りました。
 高校時代は“西東京のドクターK”と呼ばれていた長谷川投手。今シーズン、開幕直前に行われた練習試合ではコントロールに苦しみ、打ち込まれて自信を失いかけたこともあったそうです。そんな時、立ち直るきっかけになったのが、高津臣吾監督からのアドバイス。高津監督は「1年かけて色々なことを経験させて、来年、2年後、3年後と成長させていくスタートの年だと思っている」と、長期的な視野で長谷川投手をチームの柱に育てようと考えています。
 


【プロ野球 津森宥紀投手】
 
 6月21日に行われた開幕カード第3戦、ソフトバンク対ロッテ戦。津森投手の一軍デビューは、突然やって来ました。2回、ソフトバンク先発の二保旭投手が危険球で退場になり、投球練習も満足に行えないままマウンドへ。しかも、ノーアウト満塁のピンチの場面。ルーキーにとっては、あまりに酷なプロ初登板となりました。準備不足も災いしたのか、津森投手は井上晴哉選手に満塁ホームランを打たれてしまいます。初登板で最初のバッターに満塁ホームランを打たれたのは、プロ野球史上初めての悲劇でした。
 そんな厳しい“プロの洗礼”を浴びたわずか3日後。6月24日に行われた西武戦で、津森投手に2度目のマウンドが巡ってきます。ソフトバンクが2点リードされた5回から、3番手でリリーフ登板。味方の援護もあり、津森投手は登板2試合目で、嬉しいプロ初勝利をマークしました。しかも、今年の新人ピッチャーのなかで一番乗りの白星。開幕から1週間たたないうちに、天国と地獄の両方を味わった津森投手でした。

  

【プロ野球 鈴木優投手】
 
 高卒6年目、現在23歳の鈴木投手。7月1日の西武戦で、今シーズン初先発すると、5回をノーヒット・無失点に抑える完璧なピッチングを見せ、念願のプロ初勝利を手にしました。2014年のドラフトで、オリックスから9位指名を受け、東京都立雪谷高校から入団した鈴木投手。都立高校から直接プロ入りしたピッチャーが一軍で白星を挙げたのは、これが史上初のことでした。しかし鈴木投手の昨年までの一軍登坂は、わずか3試合だけ。二軍暮らしが長く続きました。
 鈴木投手にとって転機となったのが、昨年オフにおよそ2ヵ月、南米・プエルトリコで開催されたウインターリーグに参加したことです。成績は1勝4敗とパッとしませんでしたが、ストライクゾーンの高低を駆使したり、投球の幅を広げることにつながりました。さらにそこで、野球を楽しむ姿勢も学んだという鈴木投手。鈴木投手が今シーズン初先発のチャンスをつかんだのは、6月26日のロッテ戦。緊急登板でも野球を楽しめたと語る鈴木投手。その姿勢が初勝利をつかむ大きな力になったのは間違いありません。
 

        
来週のスポーツ伝説は……

8/10(月)サッカー ディディエ・ドロクバ選手
8/11(火) サッカー エドガー・ダービッツ選手
8/12(水) サッカー フィリップ・ラーム選手 
8/13(木) サッカー マイケル・オーウェン選手
8/14(金) サッカー エウゼビオ選手 
                       
お楽しみに!!
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