スポーツ伝説

7月15日~19日の放送内容

【ゴルフ アーノルド・パーマー選手】

 パーマー選手は、ジャック・ニクラウス選手、ゲーリー・プレーヤー選手と並んでゴルフ界の“ビッグ3”と呼ばれ、ゴルフをメジャースポーツにした大功労者のひとりです。インパクトの後に左手を高く上げるハイフィニッシュなどの絵になるプレーや、“パーマー・チャージ”と呼ばれる攻撃的なゴルフでギャラリーを魅了。ゴルフがテレビで生中継されるようになったのは、パーマー選手のお陰とも言われています。
 1955年にプロデビューを果たしたパーマー選手は、58年にマスターズ初優勝。そして60年のシーズン前に「マスターズ・全米オープン・全英オープン・全米プロを制することがプロのグランドスラムである」と宣言しました。グランドスラムの定義がまだ曖昧だった当時、4大大会完全制覇を目標に掲げたパーマー選手。この60年に2度目のマスターズ制覇を果たしただけでなく、全米オープンも初優勝。翌61年には全英オープン初優勝に輝き、続く62年と連覇を成し遂げます。残るグランドスラムは全米プロゴルフ選手権のみでしたが、2位に甘んじること3回。優勝に手が届かずグランドスラム完全制覇は達成できませんでしたが、ゴルフファンからの人気は常にトップクラスでした。


   
【ゴルフ ゲーリー・プレーヤー選手】

 150年以上の歴史を持つ“ジ・オープン”こと、全英オープンゴルフ。南アフリカ共和国出身のプレーヤー選手はこの大会を、1959年・68年・74年と、3度制しました。
 全英オープンは毎年、イギリス国内の名門コースの持ち回りで開催されますが、プレーヤー選手が2度目の優勝を果たした68年の舞台は、スコットランドにあるカーヌスティ・ゴルフリンクス。ここは世界でも屈指の攻略が難しいコースで、この年はさらに強風が吹き荒れる中で開催。選手たちはみな苦戦していましたが、「状況が苛酷なほど、チャンスだと思え」という究極のプラス思考で臨んだプレーヤー選手は、9年ぶり2度目の全英制覇を果たしたのです。



【ゴルフ ジャック・ニクラウス選手】

 “帝王”ニクラウス選手は、1960年代から90年代にかけて活躍。ゴルフをメジャースポーツへと導いた功労者です。
 アマチュア時代からその名を轟かせ、61年にプロへと転向。以降、マスターズ6勝、全米プロゴルフ選手権5勝、全英オープン3勝、全米オープンで通算4勝をマーク。4大メジャー大会の勝利数「18」は、今も歴代トップです。


    
【都市対抗野球 橋戸信氏】
 
 夏の風物詩・都市対抗野球では毎年、大会でもっとも活躍した選手に、MVPにあたる橋戸賞が贈られます。その橋戸賞とは、都市対抗の創設に尽力した橋戸さんの名前から取られた賞です。橋戸さんは学生時代に、東京専門学校(現・早稲田大学)で、第2代野球部キャプテンを務め、慶應義塾大学との早慶戦を生んだ日本の野球史を語る上では、欠かすことのできない人物でもあります。
 それまで日本の野球は学生野球が中心でしたが、1920年に全国実業団野球大会がスタートすると社会人にも裾野がどんどん広がっていきました。こうした野球界の盛り上がりに着目したのが、大学卒業後に新聞記者になっていた橋戸さんです。春と秋は東京六大学野球と早慶戦で盛り上がる東京で、夏の間も注目される野球大会はできないものかと話をしていたところ、新聞社の上司が「アメリカのメジャーリーグが本拠地のある都市を背景に戦っているように、全国の実業団チームやクラブチームを都市の代表にして、神宮球場で試合を行ったらどうか?」と提案。これをきっかけに大会設立準備委員会が設置され、橋戸さんは全国各地を駆け回り、参加チームを呼び掛けました。その甲斐あって12チームが集まり、27年に第1回・都市対抗野球大会が開幕したのです。

 
 
【都市対抗野球 小野三千麿氏】
 
 社会人野球の祭典・都市対抗野球では、人名が付いた3つの特別賞があります。MVPにあたる橋戸賞。敢闘賞に相当する久慈賞。そして大会を盛り上げたチーム・選手・指導者を表彰する小野賞です。小野賞は“都市対抗野球育ての親”と呼ばれ、アマチュア野球の振興に生涯を捧げた小野さんの功績にちなんで創設されました。実は小野さんは現役時代、日本人投手で初めて、メジャーリーグ選抜を相手に白星を挙げた伝説のピッチャーだったのです。
 小野投手は1918年に21歳で慶應義塾大学に入学。大学を離れた21年には大阪毎日新聞社に入社し、会社のクラブチームである大毎球団と、慶應OBで結成した三田倶楽部のふたつのチームで、学生時代以上に登板を重ねます。そんな中、翌22年に来日したメジャーリーグ選抜 対 三田倶楽部との試合で登板のチャンスを得たのです。小野投手の白星はこのシリーズで唯一のものとなりました。その後、小野さんは毎日新聞の記者として都市対抗野球の創設にも尽力。同じ都市にある別のチームから、大会のために選手を借り受けることができる補強選手制度を考案するなど、大会の発展に生涯を捧げました。

        
 
来週のスポーツ伝説は……

  7月22日(月) プロ野球 桜井俊貴投手
  7月23日(火) プロ野球 清水達也投手
  7月24日(水) プロ野球 K-鈴木投手
  7月25日(木) プロ野球 本田圭佑投手
  7月26日(金) プロ野球 山口翔投手
                       
                        お楽しみに!!
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