スポーツ伝説

12月17日~21日の放送内容

【プロ野球 矢野謙次選手】

 今年限りで現役引退を表明した、北海道日本ハムファイターズ・矢野選手は、2002年にドラフト6巡目で巨人に入団。プロ生活をスタートしますが、毎年のようにケガに苦しみ、なかなかレギュラーに定着できませんでした。巨人に入って5年目の07年5月。東京ドームで行われた福岡ソフトバンクホークスとの交流戦で、矢野選手に転機が訪れます。矢野選手はこの試合まで、代打での打率が3割8分9厘という飛び抜けた勝負強さを持っていました。打席に入った矢野選手はファーストストライクを振り抜くと、打球はアッと言う間にレフトスタンド中段へ。起死回生の代打逆転満塁ホームランが飛び出したのです。
 15年6月、シーズン中のトレードで日本ハムに移籍すると、直後のDeNA3連戦で2度お立ち台に立つなど、持ち前の勝負強さで北海道のファンの心をワシづかみ。お立ち台で叫ぶ「ファイターズ、サイコー!」の掛け声が入ったTシャツが発売されるなど、ファンの間でもおなじみのフレーズになりました。


     
【プロ野球 小谷野栄一選手】

 プロ野球界で存在感を示した、松坂投手と同学年の“松坂世代”の選手たちも40歳が近づき、多くの選手が今シーズン限りで現役生活に別れを告げています。北海道日本ハムファイターズ、オリックス・バファローズで活躍してきた、小谷野選手もその一人です。2002年のドラフトで日本ハムから5巡目で指名を受けプロ入りするも、入団4年目の06年にパニック障害を発症。辛い日々を救ってくれたのは、当時、日本ハムの2軍監督代行を務めていた福良淳一さんでした。福良さんが辛抱強く、元のようにプレーできる状態へと導いてくれた甲斐あって、翌07年に小谷野選手はレギュラーの座をつかみ、10年には打点王のタイトルを獲得。14年のオフにオリックスにFA移籍したのも、福良さんがオリックスのヘッドコーチに就任していたのが大きな理由でした。
 そんな小谷野選手がここ数年、現役生活を続ける上で目標にしてきたことが二つあります。ひとつは、同級生である松坂投手との再戦。そして、もうひとつは、リーグ優勝シーンで恩師・福良監督を胴上げすること。この目標は、結局実現しないまま、ユニフォームを脱ぐことになりましたが、松坂選手との対決は今年、セ・パ交流戦で13年ぶりに実現。結果は2打数ノーヒットで松坂投手に軍配が上がりましたが、野球少年のように勝負を楽しむふたりの姿は、ファンを大いに喜ばせました。


   
【プロ野球 山口鉄也投手】

 春のキャンプ中に左肩を痛め、今年は1軍登板なしに終わった巨人の山口投手が、今年限りでの引退を表明しました。毎試合のようにマウンドに上がり、2007~09年、12~14年と、2度のリーグ3連覇に貢献。12年には、北海道日本ハムファイターズとの日本シリーズ第6戦で、日本一の胴上げ投手にもなりました。
 史上初の「9年連続60試合登板」というプロ野球記録を打ち立てるなど、長年、巨人のリリーフ陣を支えた山口投手。歴代2位の273ホールド。その鉄腕ぶりは、ファンの記憶に深く刻み込まれています。

      
  
【プロ野球 荒木雅博選手】
 
 中日ドラゴンズひと筋23年、ドラゴンズ黄金期を支え、昨年は史上48人目の通算2000本安打を達成した荒木選手が、今年限りでユニフォームを脱ぎました。
 荒木選手を語る上で欠かせないのは、史上最高の二遊間と称される“アライバコンビ”の相棒、井端選手の存在です。2人は2004~09年まで、6年連続でゴールデングラブ賞を受賞。引退会見で荒木選手は、井端選手について「切磋琢磨という言葉が当てはまる。いいライバルであり、いいチームメート。アドバイスももらい、成長に欠かせなかった」と語りました。

 
 
【プロ野球 田中浩康選手】
 
 東京ヤクルトスワローズで12年間、横浜DeNAで2年間プレー。粘り強い打撃と確かなバント技術、そして堅実なセカンドの守備で2度のベストナインを受賞。プロ野球歴代5位となる通算302犠打を決めるなど、“球界きってのいぶし銀選手”と田中選手が、今シーズン限りで現役生活に別れをつげました。早稲田大学時代は、1学年先輩で、現在東京ヤクルトの青木宣親選手と1・2番コンビを組んで活躍。2005年にヤクルトに入団すると、再び青木選手と1・2番を組み、入団3年目の07年には早くもベストナインに輝きます。12年にはベストナインとゴールデングラブ賞をダブル受賞するなど、リーグを代表するセカンドとなった田中選手。しかしその後、出場機会が激減。同じセカンドで“ミスター・トリプルスリー”山田哲人選手がブレイクしたためでした。
 それでも田中選手は腐ることなく、慣れないファーストや外野に挑戦。その前向きな姿勢と生き様が、ファンの共感を呼びました。そのひとりが、大のヤクルトファンで知られる作家・村上春樹さん。打席での独特の構えを「猫の尻尾振りバット」と表現してエッセーで何度も紹介するほどで、そのことがまた田中選手のファンを増やすことにつながりました。16年オフ、ヤクルトからコーチ就任を打診されますが、現役を続けたいと、DeNAに移籍。若手ばかりのチームを陰でサポートし、19年ぶりの日本シリーズ出場に貢献しました。
   

   
来週のスポーツ伝説は……

  12月24日(月) 卓  球 福原愛選手
  12月25日(火) サッカー 川口能活選手
  12月26日(水) プロ野球 衣笠祥雄さん
  12月27日(木) プロ野球 星野仙一さん
  12月28日(金) 大 相 撲 輪島大士関

                       お楽しみに!!
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