スポーツ伝説

4月19日~23日の放送内容

【プロ野球 長嶋茂雄選手】

 東京六大学野球のスーパースターとして、立教大学から鳴り物入りで巨人に入団した長嶋選手。公式戦デビューは1958年4月5日に後楽園球場で行われた、国鉄スワローズとの開幕戦でした。マウンドには球界の大エース・金田正一投手。このデビュー戦で長嶋選手が金田投手に4打席連続三振を喫し、プロの厳しさを教えられたのはあまりに有名な話です。
 しかしこの時、金田投手は力でねじ伏せたわけではありませんでした。長嶋選手に投げた19球のうち、ストレートはわずかに7球だけ。剛腕で鳴らした全盛期の金田投手が、ストレート中心の真っ向勝負でなく変化球を駆使して抑えたのは、長嶋選手を並みのルーキーと見ていなかったことの証明でもあります。事実、ルーキーイヤーの成績は打率3割5厘、ホームラン29本、打点92。首位打者こそ逃しましたが、1年目からホームラン王・打点王の2冠に輝き、新人王も獲得。長嶋選手は一躍、球界のスターとなりました。



【プロ野球 野茂英雄投手】

 1989年、平成最初のドラフト会議で史上最多の8球団から1位指名を受けた、新日鉄堺の野茂投手。交渉権を獲得したのは、8球団の中で最後の8番目にクジを引いた近鉄バファローズ・仰木彬監督でした。アマチュア時代から、体を大きくひねる“トルネード投法”で実績を残してきた野茂投手。プロ入り前に、そのままの投法を貫きたいと希望を出しました。投手としては異例の要望。しかし選手の個性を尊重する仰木監督は、「結果を出してくれれば、何も言わない」と、野茂投手の希望をのんだのです。
 ルーキーにもかかわらず、キャンプから独自調整を許された野茂投手。ところがオープン戦でも結果が出ず、公式戦に入っても最初の3試合は合計16イニングを投げて14失点。防御率は7.02と散々な内容でした。トルネード投法に批判が集まりましたが、それでも野茂投手との約束を守った仰木監督。投球イニング数を増やし、試合の中で投げ込ませることで野茂投手の調子を上げていきました。その結果、4月29日のオリックス戦で野茂投手はプロ野球タイ記録となる17奪三振の快投で、待望のプロ初勝利を飾ったのです。野茂投手はこの試合をきっかけに勝ち星を重ねていき、 1年目の成績は18勝8敗、防御率2.91、287奪三振。最多勝・最高勝率・防御率・最多奪三振と、投手部門のタイトルを独占し、史上初めて、新人王・沢村賞・シーズンMVPのトリプル受賞を果たしました。


  
【プロ野球 上原浩治投手】

 上原投手は高校時代こそ控え投手でしたが、1年間の浪人生活を経て入学した大阪体育大学でエースの座をつかみ、1998年のドラフトで巨人を逆指名。大学ナンバーワン投手として、鳴り物入りでプロ入りを果たしました。1年目の99年は開幕から一軍ローテーション入りを果たしますが、4月4日のプロ初登板の阪神戦で、負け投手というほろ苦いデビュー戦となりました。
 この黒星をきっかけに、上原投手のちに“伝家の宝刀”と呼ばれるフォークボールをマスター。上原投手のフォークは、指先の感覚で落とし方を微妙に変えられる独特のフォークでした。このフォークで、上原投手は5月30日の阪神戦から、9月21日の阪神戦まで驚異の15連勝を記録。毎週日曜日に投げたことから“サンデー上原”と呼ばれ、5月末の時点で最下位に沈んでいたチームを、2位に押し上げる原動力となったのです。終わってみれば、20勝4敗で最多勝のほか、最優秀防御率・最多奪三振・最高勝率と、投手タイトル4部門を独占し、新人王・沢村賞にも輝いた上原投手。オフには、座右の銘「雑草魂」が、新語・流行語大賞も受賞しました。



【プロ野球 松坂大輔投手】
 
 横浜高校で甲子園春夏連覇を果たし、“平成の怪物”として注目を浴びた西武ライオンズのドラフト1位・松坂投手。デビュー戦は、1999年4月7日の日本ハムファイターズ戦でした。この試合、松坂投手は150キロを超す速球と鋭い変化球で、6回ワンアウトまでノーヒットに抑えます。結局、8回を2失点に抑え、松坂投手はプロ初先発・初勝利を挙げました。
 この年、松坂投手は16勝を挙げ、高卒新人では45年ぶりとなる最多勝と、33年ぶりとなる新人王に輝いています。



【プロ野球 藤浪晋太郎投手】 

 藤波投手は、大阪桐蔭高校時代に甲子園春夏連覇を達成。2012年のドラフトで地元・阪神の1位指名を受け、鳴り物入りで入団しました。プロ1年目、4月14日の横浜DeNA戦では、最速152キロのストレートを軸にDeNA打線を6回5安打無失点に抑え、プロ初勝利を挙げました。勢いに乗って、4月にいきなり3勝を挙げた藤波投手、高卒新人の「4月3勝」は、1966年のドラフト制導入以降では初の快挙となりました。
 5月26日、甲子園での交流戦では、同期のライバルで投打二刀流の北海道日本ハム・大谷翔平選手と初対決。2本のツーベースヒットを許し、打者・大谷に軍配が上がるも、7回1失点で4勝目を挙げ、高校時代からの甲子園での不敗を継続したのです。藤浪投手は後半戦も好調を維持し、8月には4勝を挙げて、高卒新人では中日の近藤真一投手以来26年ぶり史上2人目の月間MVPに輝きました。1年目は10勝6敗、防御率2.75の好成績をマークし、セ・リーグの新人特別賞にも輝いています。

  

来週のスポーツ伝説は……

4/26(月) サッカー パトリック・エムボマ選手
4/27(火) サッカー レオナルド選手
4/28(水) サッカー ワシントン選手
4/29(木) サッカー サルヴァトーレ・スキラッチ選手
4/30(金) サッカー フリスト・ストイチコフ選手
                       
お楽しみに!!
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