スポーツ伝説

6月7日~11日の放送内容

【NBA 渡邊雄太選手】

 NBA挑戦から3シーズン目を迎えた渡邊選手。今シーズンはトロント・ラプターズのトレーニングキャンプへ参加し、NBAで一定期間プレーできるツーウェイ契約を結び開幕を迎えます。渡邊選手は主にディフェンス面が評価されて出場時間を得ていましたが、課題とされていたオフェンス面も克服。その実力が評価され、4月19日に本契約へと切り替わったことで、晴れて日本人3人目のNBAプレーヤーとなりました。
 今シーズンはケガの影響もあり、一時期は出番も減っていましたが、状態が万全になった4月以降は、何度も1試合のキャリアハイの得点を記録します。特に本契約が決まる直前は、3試合連続で2ケタ得点をマーク。4月16日には3ポイントシュートやダンクを立て続けに決めるなど、自己最多の21得点をマークしました。



【ゴルフ 松山英樹選手】

 今年のマスターズ、松山選手は3日目を終えて2位に4打差の単独首位。このニュースに日本中が沸きました。迎えた最終日、松山選手は出だしの1番ホールをボギーとしますが、続く2番ホールでバンカーから見事なリカバリーを見せ、バーディーとすぐに取り返します。さらに前半でスコアを2つ伸ばし、2位と5打差をつけて折り返し。これで楽な展開かと思われましたが、そうはいかないのがマスターズです。
 後半、松山選手は12番のティーショットをバンカーに入れ、この日2つ目のボギー。さらに、15・16番も連続ボギーとスコアを落とします。ウイニングパットとなる最終18番もボギーでしたが、持ち前の精神力でそれ以上は崩れなかった松山選手。2位を1打差で振り切って、悲願のマスターズ優勝を果たしました。日本人が初めてマスターズに挑戦した1936年から、85年目の快挙。アジア人ゴルファー初の快挙でもありました。


 
【ゴルフ 稲見萌寧選手】

 日本の女子ゴルフを盛り上げる2つの世代といえば、渋野日向子選手や畑岡奈紗選手ら実力者がそろう1998年度生まれの“黄金世代”と、逸材の多い2000年度生まれの“プラチナ世代”です。そこへ新たに名乗りを挙げたのが、2つの世代に挟まれた99年度生まれの稲見選手。明治安田生命レディスヨコハマタイヤゴルフトーナメントでは、稲見選手は首位で最終日をスタート。しかし強風の影響でスコアを落とし、勝負は永井花奈選手とのプレーオフへともつれます。そのプレーオフでも3ホール続けて2打目でグリーンを外しながらも、アプローチでなんとかしのぎ、粘った末に今年1勝目を挙げたのです。
 稲見選手がその真価を発揮したのは、4月の大会でした。まずは1週目、ヤマハレディースオープンは、予選こそ出遅れたものの、トーナメントレコードとなる通算12アンダーで今年2勝目を挙げます。さらに翌週の富士フイルム・スタジオアリス女子オープンでは、最終日の終盤に3連続バーディーを奪う猛チャージを見せ、小祝さくら選手とのプレーオフに突入。賞金女王争いでトップを走っていた好調の小祝選手相手でしたが、稲見選手はプレーオフ2ホール目にバーディーを決め、2週連続優勝を果たしたのです。稲見選手はこの勝利で、国内ツアーでのプレーオフが3戦3勝。これは、史上2人目の快挙でした。稲見選手はその後、フジサンケイレディスクラシックでも優勝し、4月だけで3勝をマーク。これからがますます期待のゴルファーです。



【ゴルフ 上田桃子選手】
 
 新型コロナの影響で多くの大会が中止になり、昨年と今年のシーズンを統合し、年をまたいでの賞金女王争いが繰り広げられている女子ゴルフツアー。注目は、勢い目覚ましい20歳前後の選手たちです。今後の活躍次第では、最年少賞金女王記録・21歳156日の更新にも期待がかかっています。その最年少記録を持っているのが上田選手です。上田選手がツアー初優勝を飾ったのは、まだ20歳だった2007年4月。地元・熊本での初優勝としても注目を集めました。また同じ年の11月には、日本開催のアメリカメジャーツアー・ミズノクラシックでも優勝。年間5勝を挙げる活躍ぶりで、みごと史上最年少での賞金女王に輝きました。その翌年からはアメリカツアーを主戦場としますが、海外では1勝も挙げることができず、14年から日本ツアーに復帰。それでもツアー2勝を挙げ、実力は健在であることを示しました。
 昨年は大会数が少なかったこともあって、優勝なしに終わった上田選手。もう限界なのかと自信を失いかけましたが、ベテランの強みは何かを考え直し、初心に立ち返ることを決意。するとパナソニック・レディースでは、同じ熊本出身の大里桃子選手とのプレーオフに進出。上田選手はこの「同郷の桃子対決」を見事に制し、2年ぶりの優勝を果たしたのです。



【ゴルフ 梶谷翼選手】 

 4月3日、アメリカで開催されたオーガスタ・ナショナル女子アマチュア選手権で、兵庫県滝川第二高校に通う17歳の女子高校生、梶谷選手が優勝を果たしました。オーガスタといえば、この翌週に松山英樹選手が日本男子初のメジャー大会優勝を飾ったマスターズ・トーナメントの会場として知られています。梶谷選手は、その松山選手よりも前に、オーガスタを制した初の日本人ということになるのです。
 この大会に出られるのは、世界各地のアマチュア選手権優勝者や世界女子アマランキングの成績上位者など、限られた選手だけ。そんな世界の強豪相手に、梶谷選手は最終日、2打差の5位からスタートして3つのバーディーを奪うなどして追い上げ、勝負の行方はプレーオフへ。プレーオフでは相手が2度バンカーに入れてしまったのに対し、梶谷選手は2オン2パットの安定したゴルフでウィニングパットを見事に沈め、日本人初だけでなく、アジア勢初優勝の栄冠に輝いたのでした。

 

来週のスポーツ伝説は……

6/14(月) プロ野球 中野拓夢選手
6/15(火) プロ野球 伊藤将司投手
6/16(水) プロ野球 廣岡大志選手
6/17(木) プロ野球 松原聖弥選手
6/18(金) プロ野球 塩見泰隆選手

お楽しみに!!
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