今年のお正月にご紹介した東洋文庫ミュージアム。
2月1日から企画展「フローラとファウナ 動植物誌の東西交流」が始まりました。

フローラとファウナというのは、動物と植物を指す言葉なんだそうです。
今年2023年は、シーボルトの来日から200年の節目の年!
シーボルトが日本の動植物を描いた著作をはじめ、
美しい動植物の図鑑・図譜が並びます。
さて、いきなりですが、私が一番気に入ったのが、『紅葉図譜』。

江戸時代に描かれたものなのですが、
紅葉の葉の色の違いが、繊細に捉えられ、見事に表現されています。
写真がぶれてしまっているので、ぜひ実物をご覧ください!
当時の画材で、ここまで表現できること、
そして、今こんなに美しい状態で観ることができることに感動しました。

同じく江戸時代の『桜華八十図』『桜花聚品』も、
白や薄ピンクの透けるような桜の花びらが美しく描かれています。
動植物をじっくり観察し、そのまま描こうという姿勢は、洋の東西を問わなかったようです。
バラ属 エレン・ウィルモット 1914年 ロンドン刊
中国・日本・朝鮮の蝶類 ジョン・ヘンリー・リーチ 1892-94年 ロンドン刊
日本のもの、西洋のもの、どれも、驚くべき精緻さを誇っています。
東洋文庫の池山さんによれば、
動植物を実物大で描こうとして、
大きな本になったり、紙からはみ出すように描かれたりするようになったそうです。
今回ももちろん、東洋文庫ミュージアムおなじみの、個性的で楽しい解説は健在!

「この実、横断面がプロレスのマスクみたい...」というのは、
観ている人が思う感想だと思うのですが、
なぜかガラスケースの中に、既に書かれています(笑)
動植物と向き合い、写し取り残すことに情熱を傾けた人々の息遣いを感じる
「フローラとファウナ 動植物誌の東西交流」は、
駒込の東洋文庫ミュージアムで5月14日(日)まで開催中です。
これからの梅や桜の時期に、お隣の六義園と併せて訪問するのもおすすめです!
なお、会期中には、ページ替えもあるそうですので、
図鑑・図譜とのその時ならではの出会いをお楽しみください!