GWのお出かけにおすすめの展覧会紹介、第二弾です。
前回ご紹介した「開館25周年記念展 京都 細見美術館の名品
ー琳派、若冲、ときめきの日本美術ー」に続いてご紹介するのは、
たばこと塩の博物館で開催中の
「没後200年 江戸の知の巨星 大田南畝の世界」

大田南畝という江戸時代の知識人、ご存知でしょうか。
蜀山人という名前の方が、馴染み深いかもしれません。
後世、一休さんと同じように、とんちやユーモアの人として、
本や紙芝居にもなった蜀山人。

彼は、狂歌の名手であり、小説を書くなど、江戸の出版文化の中心人物でありながら、
幕臣としても有能で、仕事に関する文書も多く残しています。
私が思わず笑ってしまったのが、「宝合(たからあわせ)」にまつわる逸話。

家に伝わる宝を見せ合う集まり「宝合」。
実は、家にある日用品を、お宝だと言って見せ合う遊びなんだそうです。
南畝が持参したのは、家にあった海苔。
浅草観音にちなんで、浅草海苔に、
信心せよという歌を、賽銭を呼びかける狂歌に変え、書きつけたんだそうです。
バカバカしい遊びですが、手が込んでいますよね。
のちに、100人以上が集まる会も開かれたんだとか。
江戸の文化の豊かさを感じさせるエピソードです。
南畝は、四角で絵を構成する四角画が得意だったそうで、
弟子が四角画をパロディにしたり、パロディで三角形画が出たり。
ユーモアが光る南畝ですが、役に立つものもたくさん残しています。
まずご紹介したいのが、受験体験記。
南畝が40代のときに、寛政の改革の一環で、
人材登用試験の学問吟味が始まります。
下級武士だった南畝は、その能力を遺憾なく発揮し、
優秀な成績を収めます。
そこで、試験会場の様子や自分の解答などを記録した「科場窓稿」、
今でいう受験体験記を書きました。

ちなみにこのとき、遠山の金さんのお父さんも同じ試験を受け、
その後、試験の虎の巻、参考書を書いているそうです。
展示室で、私が一番驚いたのが、こちら。

バイオリン!
南畝は、古器物の図録『流観百図』を編んでいます。
皆で協力して、珍しいものを集めたそうで、その中に、
バイオリンも入っていたのですね。
オランウータンやミイラなど、古今東西の珍しいものが綴られています。
この他にも、本をまとめた叢書を作るなど「大田南畝の世界」では、
南畝の膨大で豊かな仕事ぶりの一端を垣間見ることができます。

たばこと塩の博物館らしく、当時のタバコ屋さんとのかかわりも。
偉大な江戸時代の知の巨星、大田南畝の世界を覗き見ることができる
「大田南畝の世界」は、たばこと塩の博物館で、6月25日(日)までです。
そして、ゴールデンウィークの真ん中、5月4日12時から
特別番組「まだ間に合う!ゴールデンウィーク」をお送りします。
荘口彰久さんと一緒に、ゴールデンウィークのオススメスポットをお互いにご紹介。
また、旅のプロ、トラベルライターで編集者の星裕水さんをお招きして、最新情報も伺います!
メールでご感想を送ってくださった方向けにプレゼントもありますので、
sh@1242.com
まで、ぜひお寄せください。
さらに、5月5日 こどもの日 13時から、
「こどもたちにつなごう! 豊かな未来」というオンラインイベントに参加します。
こちらのURLから、YouTube Liveでご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=w4VaUL1Cog8
ぜひご覧ください。