今年初めて観に行った太田記念美術館「浮世絵と中国」に続き、
中国関連の企画展を観て来ました。
しかし、時代も雰囲気もかなり違いますよ!

六本木にある泉屋博古館東京で行われている
「住友コレクション中国青銅器名品選 不変/普遍の造形」。
展示室に入ってまず、「3000年ほど前の殷周時代からの青銅器が、
日本にこんなにあるなんて!」とびっくりしました!

私が好きな中国の古典小説の中で、
殷・周、二つの国の戦いを基にしたファンタジー小説が『封神演義』。
太公望が出てくることでもお馴染みの小説で、太古の神々も交えた世界観ですが、
その題材になった時代の青銅器を、今、東京で、間近でじっくり眺めることができるんです!
泉屋博古館が持つ住友コレクションの中国青銅器は、世界屈指のもの。
普段は京都で展示や研究が行われているそうなので、
東京で観られるこの機会をお見逃しなく!
私も、青銅器について前知識はほとんどなく、一度にたくさん見るのは初めてでしたが、
バラエティに富んだ姿かたちで、見ていて飽きず、とても楽しかったです。
犠首方尊(ぎしゅほうそん)
特に、器の全面はもちろん、取っ手や脚など、色々なところにあしらわれた動物たち!
恐ろしいもの、可愛らしいものなど、様々です。

四不象のような、『封神演義』に出てくる霊獣たちも、
同じような発想から生まれたのかな、と感じました。
鴟鴞尊(しきょうそん)
そもそも、青銅器は、まだまだ分かっていないことが多いそうなのですが、
予備知識がなくても、遥かな時を超えてきた青銅器そのものと対峙するだけで、
その世界に引き込まれました。
ちなみに、今回の企画展「不変/普遍の造形」は、中国青銅器の入門編。
丁寧かつ具体的な解説で、中国青銅器の魅力を伝えてくれます。
さらに、詳しく知りたい方には、「不変/普遍の造形」の公式ガイドブックでもある、
『太古の奇想と超絶技巧 中国青銅器入門』という本がぴったりです!
青銅器とは何か、どんなものがあるのか、といった基本から、
青銅器の作り方や、青銅器が見られる日本国内のミュージアムマップまで、
青銅器について気軽に学べる本です。
このガイドブックを執筆した、学芸員の山本堯さんに伺って驚いたのは、
青銅器は、儀式に使うものでありながら、機能性も兼ね備えたものであるということ。
儀式の中で、実際にお酒や食事を入れたり、スープを煮たりと、
実際に使われていたそうで、蓋もぴしっと閉まるものも多いそうです。

この、様々な動物と人が一体になった「虎卣(こゆう)」も、
山羊の取っ手を掴むと蓋が開くそうで、
中には、お酒の香りをつけるための香草の煮汁を入れていたと考えられています。
「三国志」が大好きな私としては、三国時代の鏡が見られたのも嬉しかったです。
私は、こうした太古の文物が、歴史上の物語と同じ時代から時を経て残っていることに感動します。
漫画『キングダム』にも出てくる、秦の始皇帝が統一した重さの標準器など、
昔の人々の営みが感じられる展示もありますので、ぜひご覧ください。

知れば知るほど面白い、青銅器の世界。
六本木にある泉屋博古館東京で、2月26日(日)まで開催しています。
https://sen-oku.or.jp/tokyo/
さらに、泉屋博古館東京は港区にあるのですが、
同じく港区にある根津美術館・松岡美術館でも、青銅器が見られるそうで、
〝港区の青銅器密度″が高くなっているとのこと!
3館を回るデジタルスタンプラリーも行われています。
https://sen-oku.or.jp/digitalstamp2023/
さて、明日17日(火)21時からは、「三國志覇道公式生放送 ハドウへの道!」
https://www.gamecity.ne.jp/sangokushi_hadou/
新春らしい準備も進んでいますので、ぜひご覧ください。