2018年08月18日

認知症サポーター

昨日から、関東地方は秋の空気に。
何だか空も高いような気がします。

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さて、先日、認知症サポーターの養成講座に行ってきました。


私の80代の祖母も認知症ですが、
入院して、はっきりと症状が出るまでは、
仕事も家事もこなしているように見えていて、
認知症が進行していたことに気付くことができませんでした。

今になって思えば、待ち合わせをすっぽかしたり、
古新聞がたくさん入った重い鞄をいくつも持っていたり、
家を片付けられず、家に入れてくれなくなったり、
気付くきっかけはいくつもあったのですが...。

そんな反省もあり、講習を受けたのですが、
認知症について、知らなかったことがたくさんありました。


まず、認知症というのは、一つの病気ではなく、
いろいろな原因で、脳の働きに不都合が生じ、さまざまな障害が起こり、
生活する上での支障が約半年続いている状態のこと。

アルツハイマー病やレビー小体型認知症だけでなく、
脳梗塞や、脳出血、アルコール中毒なども、認知症の原因になるそうです。

認知症の症状を示していても、脳腫瘍や甲状腺疾患など、
手術や投薬で治る場合もあります。

なぜ症状が出ているかを見極めるためにも、
薬やリハビリなどで進行を遅らせるためにも、早期受診が大事です。


また、能の細胞が死んでしまって起こる、記憶障害などは治りにくいのですが、
うつ状態や徘徊、暴力などの、行動・心理症状は、
対応や接し方次第で、おさまる可能性があるのだそうです。

私の祖母が認知症だと分からなかった時、
「どうして先に帰っちゃうの?!」「鞄は軽くしたら?」などと、
一方的にこちらの見方を押し付けてしまいましたが、
きつい言い方は、混乱を招いたり、自尊心を傷つけたりしてしまいます。

祖母の言動の理由が分からず、「しっかりしてよ」等と言ってしまったこともありましたが、
否定的な言葉で自信を失ってしまうと、急速に症状が進行すると言われています。


行動を変えて欲しい時は、
どうしたらスムーズにできるか、原因を考えて、
笑顔で声をかけることが大切なのだそうです。

例えば、トイレに行くのが難しくなってきたら、
トイレの場所を分かりやすくしたり、脱ぎ着しやすい服を選んだり。

物がなくなったと思っているときは、一緒に探してみても。

考え方や接し方をすぐに変えるのは、難しいですが、
実際に、認知症の介護を長くされた講師の方からは、
具体的な例がポンポン飛び出しました。

特に印象的だったのは、「記憶には残らないが、感情は残る」という言葉。

きつく言われた内容は忘れてしまっても、
怖い顔、嫌だなという感情は残ってしまうのだそうです。

「今日は何を食べたの?」「明日の予定はなんだっけ?」
「デイサービスで何をしたい?」といったことを尋ねがちですが
近いことは記憶できないので、答えられないという負の感情になってしまいます。

認知症の方も、昔のことを覚えている場合が多いので、
「小学校の先生の名前はなんだっけ?」等と尋ねて、
そこから「こんなことがあった」「こんな先生だった」といったエピソードを引き出すと、
話をすることができた満足感を得ることができるのだそうです。


ご自宅で介護をしている場合は、特に余裕がなくなりがちですが、
ぜひ、似たような経験をしている他の方と話して、
気持ちを少しでも楽にしてくださいね。


そして、何より大変なのは、認知症になったご本人。
ご本人も自覚症状があるので、不安で堪らないそうです。

私の祖母も「病院には行かない」と強硬に言っていましたが
それは、自分が認知症だと認めたくないという、自衛反応。
自分の身に置き換えて考えると、頷けますよね。

認知症の方に寄り添いつつ、自然に手助けできる社会を作るためにも、
また、運動や趣味、笑うことなど認知症の予防法を知り活かすためにも、
機会があったら、ぜひ講習などを受けてみてくださいね。

プロフィール

箱崎みどり

東京都生まれ。2011年ニッポン放送入社。 東京大学大学院修士課程修了(修士論文のテーマは「日中戦争期における「三国志」ブーム」) 趣味は、読書、プロ野球観戦、お笑いを見ること。特技は遠泳。


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