あなたは「鉄道の廃線」と聞いて、どんな風景をイメージしますか?
日本で最初に鉄道が開通したのは明治5年、1872年。今からちょうど150年前になります。その年の10月14日に新橋~横浜間で開通。ですから10月14日は「鉄道の日」。それをきっかけに全国各地、数多くの鉄道が開通し、日本の経済発展を支えると共に今もなお、私たちの生活の足として欠かせない存在になっています。でも一方で利用者の減少などの理由から廃線となってしまった鉄道がけっこうあるのです。戦後、廃線になった数は、およそ400。さらに今後も増えるのではないかという話しです。鉄道はその町の文化ですから、何とか残してもらいたいとは思うのですが、維持するにはお金がかかるのも現実。残念ながら廃線となり、今後、駅や線路をどうするかと頭を悩ませている自治体も多いのだとか。
今回は、そんな廃線跡を見事活用して、一躍観光スポットに変えた岐阜県飛騨市の取り組みをピックアップ!
飛騨市にはかつて神岡鉄道という鉄道があり、惜しくも2006年に廃線になってしまったのですが、その廃線跡を活用した新しい乗り物が登場しました。その名も「ガッタンゴー」。これが観光スポットとして一躍買っているのだとか。「ガッタンゴー」どんな乗り物なのか?
「ガッタンゴー」を運営している「レールマウンテンバイク事務局」の田口由加子さんにお話し伺います。
晴の輔 「ガッタンゴー」とは面白い名前ですが、具体的にどんな乗り物なのでしょう?
田口「市販の電動アシスト付きのマウンテンバイクを、地元(飛騨市神岡町)の鉄工所が開発したオリジナルのフレームを開発・取り付けまして、廃線になった鉄道のレールの上をスイスイ漕げる乗り物です。線路の上では『ガタンゴトン』という列車みたいな音と振動を感じて頂けますので『ガッタンゴー』というニックネームがついています。」
晴の輔 レールの上を走る自転車なのですね。
田口「そうです。」
田口「そうです。神岡鉄道は全線で20キロぐらいあります。今はその一部区間を使わせていただいています。2つコースを区切り、終着駅の奥飛騨温泉口駅から3キロくらいを走るまちなかコース。
これは鉱山の街並みを楽しんでいただけるコースです。あともう一つが4年ほど前にオープンした渓谷コース。
一番綺麗な渓谷の場所を楽しんでいただけるコースで、ほぼジャングルでして自然がお好きな方にはおススメです。」
晴の輔 渓谷コースは結構スリルのある感じですね?大自然で。実際に「ガッタンゴー」を始められて町の変化はありました?
田口「そもそも神岡鉄道が廃線になることは、普通でしたら暗いニュースでありネガティブな感じだと思うのですけど、神岡鉄道は鉱山の合理化に伴って役目を終えた鉄道です。惜しまれはしないけれど『みんなでありがとうございました』とお礼を言ってお別れをした鉄道です。それを間髪入れずにガッタンゴーが走り始めたので、見ている方々からすると廃線になってからも『何か次がまた始まったぞ!』と、やたらと元気になっている感じですね。」
晴の輔 すごく上手く行ったケースだと思います。年間どれくらいお客様がお見えになっています?
田口「コロナ禍前の2019年ですと、2つのコースと合わせて5万5千人くらいのお客様ですね。」
田口「ありがたいですね。一般の方が、本物を感じられるスポットだとおっしゃっていますね。」
晴の輔 なるほど!
田口「最近、本当に感動したのは廃線になってからもう15年くらい経っているので、その間に生まれたお子さんにとって、神岡鉄道は遺伝子レベルでも知りません。でも子どもたちが神岡の線路を見て『ガッタンゴーの線路だ!』と言ってくれるのです。」
晴の輔 なるほど!なるほど!
田口「この街には線路があってガッタンゴーがある!ということを、ちゃんと認識している事が私どもには感動的です。神岡鉄道はガッタンゴーと名前は変わりましたけど、生きているのだなと実感しています。『この町の宝物です』と言ってくださる方もいらっしゃいます。」
晴の輔 その子たちにとっては廃線という言葉はないわけですね。
田口「廃線にはなってないのです、未だに。」
晴の輔 線路が続くよ~どこまでも♪じゃないけど続いています。ガッタンゴーが神岡町の文化になっています。
田口「ピュアなお子さんたちのおかげで根付き始めています。」
晴の輔 自分たちの街の未来を
田口「ありがとうございます。」
【どっちだ!?晴の輔】
毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーでございます。
「晴の輔さんが、ガッタンゴーに乗って行きたいコースは・・・
『まちなかコースに行きたい』
それとも
『渓谷コースに行きたい』
どっちだ!?晴の輔」
街並みも見たいし、渓谷だから、大自然の谷間も見たいけどね…じゃあね…はい、決めました!
「渓谷コースに行きたい」
鉄道のレールってよく人生に例えるでしょ?人生のレールを行くみたいな。だから渓谷コースに行けば
今日は「鉄道の廃線跡が人気スポットに!岐阜県飛騨市で体験できる新しい乗り物『ガッタンゴー』とは?」というトピックスでお届けしました。ガッタンゴーはレールの上を走る自転車だったのですね。田口さんのお話を聞いていると廃線と言いつつも、要は神岡鉄道が生まれ変わったのですね。列車から自転車になり、新たに地域に貢献しているのですから素晴らしいです。
そんな「ガッタンゴー」に
それでは、次回もお会いしましょう!立川晴の輔でした。
-WEB版こぼれ話し1-
晴の輔 始めるきっかけは何だったのでしょう?
田口「神岡鉄道の廃線になる2年前ぐらいから町の人たちが、廃線後にどうすればいいか?とアイディアを出し合いました。『トンネルの中でもやしを作ったらどうか?』などですね。」
晴の輔 ちょっと待ってください!(笑)トンネルの中でもやし?
田口「もやしとかキノコとか、ワインセラーにしよう!などの意見が出ました。ただ費用がかかります。生産系もいいけど、ちょっと変わって町を元気にするようなことが出来ないか?と考え紆余曲折ありましたが、残された線路・駅舎・トンネルを『限りなくそのままのカタチ』で残すためにも自転車という結果となりました。以来15年、私たちの町では線路の上は自転車が走ることになっております。」
-WEB版こぼれ話し2-
晴の輔 ガッタンゴーを始めたことで地域活性化につながっていますか?
田口「活性化というか『次はどうなっていくのか?』と皆がワクワクしながら見守っています。」
晴の輔 それが一番の活性化です!
田口「そうですね。未だ使っていない線路もありますので、どのように活用するか検討中です。」
晴の輔 新たなコースの新設も?
田口「ひょっとしたらですけど…このまま調子が良ければ出来るかもしれません。元々、鉱山の町なので観光資源には乏しい町ですし、そもそも神岡鉄道自体がその時代の役割を終えてひっそりと幕を引いた鉄道です。それをガッタンゴーというアイディア一つで粘り強く磨いてやれば、案外、地元の宝ものになるものなのだな。…と、体現しているようなモノなので、1人でもお客様にお越しいただき楽しく乗っていただけているうちは、地域活性化につながっていると信じて毎日の営業しております。」
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