あなたが感じる「おもてなし」って、なんですか?
「おもてなし」という言葉を聞くと、すぐに浮かぶのは滝川クリステルさん。
もうあれは9年前の2013年9月にIOC/国際オリンピック委員会の総会で、滝川クリステルさんの東京誘致のプレゼンテーション。あの時に言った「お・も・て・な・し、おもてなし」あれはインパクトがありました。その年の流行語大賞にも選ばれました。あれをきっかけに「おもてなし」という言葉を使う人、増えました。ホテルなどの接客の世界では、昔から使われてきた言葉ですが「もてなす」の語源は「モノを持って成し遂げる」という意味。「もてなす」に、丁寧語の「お」がついて「おもてなし」ということです。一説には、平安・室町時代に発祥した「茶の湯=茶道」から始まったと言われています。
今回は、そんな「おもてなし」にまつわる話題!
舞台は愛媛県。瀬戸内海にある離島「中島」。
ここに「THE BONDS」という宿泊施設があるのですが、心のこもった応対で観光客らに感動を与えた施設などを表彰する「第6回 四国おもてなし感激大賞」で、大賞に選ばれて話題になっています。一体どんな宿なのでしょうか?
「THE BONDS(ザ・ボンズ)」の支配人、古宅守さんにお話し伺います。
晴の輔 「四国おもてなし感激大賞」で大賞を受賞されたということで、その知らせを聞いて、率直にどんなお気持ちでしたか?
古宅「正直ですね、新手の詐欺かと思いました(笑)。」
晴の輔 (笑)それくらいに考えられないことだったってことですか。
古宅「『四国おもてなし感激大賞』があること自体を知らなかったっていうのが一番ですね。何の冗談だろうっていう感じはしました。」
古宅「電話でお知らせを受けた時、実感は無かったのですが、軽い気持ちで賞状を取りに行ったら、すごい場違いだと感じました(笑)。」
晴の輔 大賞を取るには理由があります。「THE BONDS」にはどのような魅力があるのでしょう?
古宅「『中島』は観光資源の少ないところです。直接おもてなしできること『食事に力入れていこう』というコンセプトの宿です。」
晴の輔 「THE BONDS」独自のおもてなしがあると思うのですけど。
古宅「夫婦二人でやっている、そんなに大きくもない宿ですので、お食事の際に、時間を見計らって私たちがグラスを持って『一緒にお晩酌しましょう』というところでしょうか。」
古宅「今でこそ嫌われているかもしれないですけど『飲みニケーション』(笑)。」
晴の輔 (笑)分かります。それも含めて、お客様に対して心がけていることは?
古宅「僕自身が飲食・接客業が長く、その時から思っていたのですけど『お客さんの中にある正解を探すことが一番』であるとずっと思っています。『この人は何がしたいのだろう』『何を聞かれたいのだろう』、」
晴の輔 クイズみたいな感じです。一家族というより、一人一人違います。
古宅「そうですね。」
古宅「はい、何かあったら僕もお客さんに聞くようにしています。『食事の際はお箸がいいのか?スプーンがいいのか?』『ストローは必要なのか?』『おしぼりは必要なのか?』正解はお客さんだと思っているので、マニュアルは当てにならないと思っています。」
晴の輔 「おもてなし大賞」という言葉に引っ張られちゃっていて、マニュアル的なおもてなしもあります。でも「正解を探す旅」が「おもてなし」なのですか?
古宅「そうだと思います。」
晴の輔 古宅さん自身が「THE BONDS」で旅をしていらっしゃる。
古宅「(笑)そうですかね。」
晴の輔 それも楽しみながら。奥様と一緒に。リピーターの方も多い?
古宅「そうですね。月一で来られる方もいらっしゃいますね。」
晴の輔 月一!もう家族!
古宅「ほぼ身内ですね。来られる度に一緒に釣りに行っています。」
晴の輔 おお!…古宅さん、前のお仕事は何をされていたのでしょう?
古宅「ショットバーを経営していました。」
晴の輔 転職された!何が決め手だったのでしょう。
古宅「夫婦で人生変えてみたい、このままだと面白くない、もっと楽しいことしたいなと思っていました。そんな時に『THE BONDS』での募集がありました。離島であると、これは面白いと思いました。」
晴の輔 離島に惹かれた?
古宅「そうですね。」
晴の輔 「おもてなし」とは正解を探すことである。
古宅「そうだと思っております。」
晴の輔 それが「四国おもてなし感激大賞」です。
古宅「(笑)はい。」
晴の輔 いらっしゃった方に、どんなことを感じてもらいたいですか?
古宅「『記憶に残りたい記憶に残したい』ですね。」
【どっちだ!?晴の輔】
毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーでございます。
「晴の輔さんが、THE BONDSに泊まったら・・・
『釣りをたっぷり楽しむ』
それとも
『飲みニケーションをたっぷり楽しむ』
どっちだ!?晴の輔」
釣った魚で飲めれば最高でしょう。…これはね…うん、決めました!
「THE BONDSに泊まったら、飲みニケーションをたっぷり楽しむ」
飲みます。何故か?
今日は「愛媛県の離島・中島にある宿泊施設から学ぶ『おもてなし』のあるべき姿とは?」というトピックスでお届けしました。古宅さんのおもてなしとは「お客様の中の正解を探すこと」だったのですね。正解なんて分からないですよね。でも正解にたどり着いているからこそ「四国おもてなし感激大賞」の大賞受賞だと思います。
そんな「THE BONDSのおもてなし」に
それでは、次回もお会いしましょう!立川晴の輔でした。
-WEB版こぼれ話し1-
晴の輔 記憶に残っているお客様はいらっしゃいます?
古宅「コロナ禍前は海外からのお客様がいらしていました。一緒に年越しをした海外のお客様のことは印象深いですね。一緒に初詣に行こうとお誘いする時の、礼と拍をどう説明すればよいかとまどいました(笑)。」
晴の輔 日本人は当たり前ですけど、海外の方に説明するのは難しい。
古宅「まず『おじぎ』とは英語でどう言うのだろう?と迷いました。」
晴の輔 それもある種のおもてなし。
-WEB版こぼれ話し2-
晴の輔 中島に初めて行かれた時の第一印象はいかがでしたか?
古宅「『昭和』だなと思いました。コンビニが無い、スーパーが6時に閉まる、日曜定休。僕が子どもの頃に過ごしていた街とほとんど変わらないなと思いました。」
晴の輔 時間の流れ方が「昭和」。
古宅「ここだったら暮らしていけると思いました。」
晴の輔 …え?「暮らしていけない」ではなく?
古宅「昔、同じようなところに住んでいたという自負があります。」
晴の輔 不便なところではあるのですよね?
古宅「もちろん不便だと思います。お客様にもそれはお伝えします。」
晴の輔 その不便な島に月一でいらっしゃる方がいる。
古宅「(笑)そうですね。ホントに身内です。」
晴の輔 不便にこそ魅力がある!古宅さんとかみ合うところがあるのでしょうね。
古宅「だったらいいですね。」
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