東日本大震災から明日で5年。
ニッポン放送の各番組でも特集を組み、思いを馳せ、認識を新たにする企画等放送しています。
そんな中、昨日私は、ある防災訓練に参加・取材してきました。
三井不動産が運営管理するオフィスビルで災害が起こったことを想定し、
災害発生直後のエレベーターや、停電、什器の転倒など「災害発生時のオフィス」を再現、
そして備蓄品を実際に使ってみることで、帰宅困難になった場合の数日間の状況を体験しながら、
知識、経験を増やそうという訓練です。
まず震災直後の状態を体験、ということで、エレベーター。
最近のエレベーターは災害時、基本的には一番近くの階で止まり、扉が開くよう設計されているものが多いですが、
その「止まる時」にエレベーターはどう動くのか体験したことはありません。
それを実際に作動させて、機内のアナウンス、電気の消え方、停電になって止まるときの止まり方まで
体験させてもらいました。
また、エレベーター内には万が一閉じ込められた時のために、
水、食料、ラジオ、簡易トイレなどの備品もきちんとあり、それらも見ることができました。
なかなか簡易トイレを使うというのは難しいかも知れませんが、
「ある」、という安心感が大きい、とスタッフの方。
続いて、震災発生から数時間のオフィスビルの状態。
停電時、予備電源で照明が点灯している状態での「暗さ」の体験から、
大きな棚が倒れ、書類などが散乱した状態も再現。
また、倒れてきた棚に挟まれ動けなくなった人を、救助脱出工具を使ってどう助けるかということも
実践形式で見ることができました。
そして震災発生から数日間オフィスにとどまらなければならなくなった時のシミュレーション。
簡易トイレの使い方。
ご自宅などでも用意はしているけれど、実際に使ってみたことがある方は少ないのではないかと思います。
そして、簡易トイレ使用後のゴミのこと。
普段だとゴミは、多くの会社では清掃を担当して下さっている方が捨てて下さっていますが、
震災後は基本的に自分たちで片づけなければいけません。
凝固剤で非常に重くなっているトイレゴミを、エレベーターが使えなくなっている状態で、階段で、
例えば地下のゴミ集積場まで運ぶとするとどうなるか...。
このことを考えておくだけでもいざ、という時に強いですよね。
また、オフィスで寝る場合、膨らませて使う簡易マットも最近では発売されていますが、
これを膨らませるのは男性でも一苦労、
でもこのマットがあるのとないのとでは、体を休められる度合いがまったく違う、ということだったり、
アルミブランケットにも、シャカシャカ音が鳴らないものがあったり、
プライバシーを守ることが出来る間仕切り設備も発売されていたりすることなども。
その他、手回しラジオなどの情報収集機器の大切さ、
寒さに対するブランケットなどは準備していていも、
夏の暑さに対応するための瞬間冷却剤等を備えておくことの大事さ、
女性に配慮した備品について等も説明がありました。
今回の取材は、実際に三井不動産が管理するビルに入っている
テナント、オフィスに勤務している方向けの訓練を見させてもらったもの。
普段、各会社や施設では避難訓練などの防災訓練は行われていると思いますが
このように実際に、災害時を想定した状態を見て、体験できていたり、
備品を使ってみたりという経験が一度でもあれば、そして、その訓練をできている人が社内に数人でもいれば、
本当に震災が起こってしまった時に非常に心強いのだということを実感しました。
改めて、自分の会社の設備も確かめたり、自宅の災害時の備品なども確認してみたりしようと思います。