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2025.02.17

#359 「福井県敦賀市に古くから伝わるある技術が県内初の国登録無形民俗文化財に!」の巻

あなたは「文化財」と聞いて、何をイメージしますか?

編集長の立川晴の輔です。日本全国には、国が指定する大切な「文化財」がたくさんあります。文化財保護法に基づいて、国宝、重要文化財、史跡、天然記念物など、それぞれを指定し・登録という形にして保存を図っています。中には、形のないものもあります。「無形文化財」というやつで、演劇や音楽、工芸技術など、歴史的に価値の高い芸術が指定されています。あと、その土地の人々が、日常生活の中から生み出され継承している慣習や年中行事、衣服などを「民俗文化財」と言います。僕が継承している古典落語も日本の「文化財」です。そうだ、2023年に落語家・五街道雲助師匠が「国の重要無形文化財」の保持者に認定されました。世にいう「人間国宝」ですね。

「国の重要文化財」はどれくらいの数があると思います?令和7年1月1日時点のデータによると、12,354件!都道府県別に見ると、一番多いのが東京都、2位が京都府で、3位が奈良県だそうです。

今回は、そんな「文化財」にまつわる話題!舞台は福井県敦賀市

敦賀市(つるがし)は、福井県南西部の嶺南地方にある市。日本海の敦賀湾に面している。原子力発電所の所在地や昆布の加工地として知られている。気候は季節風の強まる冬でも、日本海沿岸地域では比較的穏やかとされている。嶺南では最多の人口を有する。1937年(昭和12年)市制施行。wikiより引用

敦賀市で継承されているある技術が、国登録無形民俗文化財に登録されることになって話題になっています。なんでも、福井県で初なのだとか。一体、どんな技術なのでしょうか?

敦賀市文化振興課の奥村香子さんにお話しを伺います。

 

晴の輔 国登録無形民俗文化財に登録されることになった、敦賀市で伝承されているある技術とは何でしょうか?

 

奥村「敦賀の『おぼろ昆布製造技術』です」

 

晴の輔 どのような製造技術なのでしょう?

 

奥村「おぼろ昆布というのは、お酢に漬けて柔らかくした昆布の表面を包丁で薄く削って作る加工食品です。薄くシート状に削るのが難しく機械化できないので、今でもすべて手加工で生産されています。1枚1枚厚みや幅、長さが違う昆布に合わせて職人さん一人一人の感覚で削りだされる食べ物です」

奥村「0.0ミリ以下の単位で透けるようなぐらいシート状に削るのが難しいものです」

晴の輔 そうか食べている人は、そうしたことを知らないで普通に食べていますけど、考えてみたらその厚みに削ること自体がすごいことなのですね。

 

奥村 職人さんの作業を観ていると簡単そうなのですけども、体験させてもらうと全く上手くは削れないですね」

奥村「口に入れると、ふわっと昆布の旨味が口の中に広がる食べ物ですね。おにぎりに海苔ではなくてこの『おぼろ昆布』を巻いて食べるのが定番です。お吸い物に入れる、うどんや白身のお魚のお刺身に巻いて『昆布締め風』にするなど、昆布の風味を手軽に口にできる食べ物ですね」

晴の輔 厚みによって味が変わってしまうのでしょうね。敦賀市では古くから食べられてきたものなのですか?

 

奥村「おぼろ昆布は江戸時代中頃に生まれた食べ物です。敦賀では早いうちから生産が始まって、江戸時代には既に特産品として将軍様に献上して、全国に販売していたのが分かっています」

 

晴の輔 敦賀は場所的に北海道の方から来る北前船が、運んできたのですね?

北前船と敦賀湊

奥村「昆布は敦賀では取れません。北海道から敦賀の港に運ばれて来て大阪や京都に出荷する時に加工して価値をつけて出荷するということで盛んになった産業です。敦賀がすごく便利がいい場所だったということなのですね」

 

晴の輔 そのおぼろ昆布の技術を継承している職人さんは、何人ぐらいいらっしゃるのですか?

昆布かき全体(職人歴50年以上、黄綬褒章受章の高橋衛さん)

奥村「残念ながら大分減ってきて、一時は600人ほどいたのが、6年前の調査では120名の職人さんほどになり、現在は数十名の規模まで少なくなっています。それでも全国一の規模なのは変わっていません」

奥村「文化財として継承していかなければならない、すごく大事なターニングポイントの時期だと思っています」

 

晴の輔 奥村さんの活動が未来の敦賀につながります。

 

奥村「(笑)責任重大です」

 

晴の輔 敦賀市としてはどんなことを発信していきたいですか?

 

奥村「すごく美味しい食べ物ですので『皆さんに食べてください、味わってください』ということがまずは一番だと思います。食べてもらうことで、職人さん達の仕事ができ産業として残っていくことになりますので」

 

晴の輔 地元の人に改めて認識していただきたい。

奥村「(笑)それぐらいになりそうなくらいの気持ちですね」

 

【どっちだ!?晴の輔】

毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーです。

晴の輔さんが、おぼろ昆布を使った料理で今、食べたいのは・・・

・おぼろ昆布を巻いたおにぎりを食べたい

それとも

・おぼろ昆布が入ったうどんを食べたい

どっちだ!?晴の輔

 

あぁ、おにぎりか?うどんか?これはね…、決めました!

 

「おぼろ昆布を巻いたおにぎりを食べたい」

 

20年前ぐらいに、おぼろ昆布のおにぎりだったと思うのだけどね。北陸のどこかの旅館で食べたのですよ。

今日は「福井県敦賀市に古くから伝わるある技術が県内初の国登録無形民俗文化財に!」というトピックスでお届けしました。登録されるのは「おぼろ昆布製造技術」だったのですね。昆布をシート状に薄く一枚一枚削り出す技術。これが機械ではできないのですよ。その削り出す厚みによって味が変わっちゃうのです。つまり地元の職人さんの技があってこその味ですよ、その技ずっと継承してほしいです!

そんな「敦賀のおぼろ昆布製造技術」に

それでは、次回もお会いしましょう。立川晴の輔でした。

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    パーソナリティ
    • 立川晴の輔
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      立川晴の輔

      立川晴の輔

      落語立川流 立川志の輔一門
      1972年11月21日兵庫県神戸市生まれ
      東京農業大学農学部卒業

      ◆経歴
      平成 9年(1997) 立川志の輔に入門。志の吉を拝名
      平成15年(2003) 二ツ目に昇進
      平成20年(2008) 東西若手落語家コンペティション グランドチャンピオン
      平成25年(2013) 真打に昇進。志の吉から晴の輔へ改名

      東京八重洲、町田、千葉、川越の独演会をベースに全国各地での落語会、子ども落語会、企業落語講演、結婚式の司会等で活動中。