あなたは「忍者」に憧れたことありますか?
「忍者の里」といえば、三重県伊賀市を思い浮かべますかね。実は昨年、そんな伊賀市のあるニュースが海外で話題になったのです!それが、「忍者が不足しているので、伊賀市が忍者を募集!忍者は8万5,000ドル稼げる!」
8万5,000ドルは日本円でおよそ1,000万円!え?稼げるのと思うでしょ?もちろんフェイクニュース。この誤った情報がインターネットで世界中に拡散され、「応募したい!」、「詳細を知りたい!」といった問い合わせが、スペインやイタリア、アメリカなど10ヶ国以上から100件以上も伊賀市や伊賀上野観光協会などに届いたそうです。
海外での「NINJA」人気恐るべし!その後、伊賀市はホームページに「忍者は募集していません」と否定する文書を日本語や英語など5ヶ国語で掲載して事態は収束したそうです。
実は今年の6月、伊賀市の忍者屋敷「伊賀流忍者博物館」で忍者ショーに出演している「伊賀忍者特殊軍団 阿修羅」が新メンバーを募集しました!
今回は本当に「忍者」の募集で、どんな「忍者」が誕生したのかな?と思いきや未だ合格者無しだそうです。…なんでだろう?
「伊賀忍者特殊軍団 阿修羅」の頭領、浮田半蔵さんにお話しを伺います。
晴の輔 昨年、「伊賀市が忍者を募集する」というフェイクニュースが出ていたことを半蔵さんはご存知でした?
浮田「知っていました。取材に来た記者さんにも話しました。」
晴の輔 既に半蔵さんに取材が来ていたのですね。元々海外で忍者の人気は凄いですよね。
浮田「海外に行けば、『スーパーマン』『スパイダーマン』『忍者』と三巨頭です。」
晴の輔 「スーパーマン」「スパイダーマン」に並んでいるということですか!
浮田「忍者の聖地『伊賀』から来たというので、もう見られ方が違うのですよ。」
晴の輔 (笑)
浮田「特にニューヨーク、ロンドン、パリなどはお客さんが数万人規模で入りましたね。」
晴の輔 もうドーム公演ができてしまうぐらいの大人気!
浮田「それだけ『忍者』をまじかに見たい!という海外の方の気持ちを実感しました。」
晴の輔 「伊賀忍者特殊軍団 阿修羅」でメンバーを募集されたのですよね?
浮田「問い合わせや履歴書などを送ってきたのは、10件ぐらい。」
晴の輔 噂によりますと…合格者はでなかった。
浮田「そうですね。」
晴の輔 かなりハードルが高いということですか。
浮田「『ハードルが高い』というよりは、伝承していかなければならないことが多いので、歴史を覚えたり、技を覚えたり。でも『心得』が最も重要。」
晴の輔 「心得」!
浮田「ですから役者さんを目指している、ということでは務まらないのです。」
晴の輔 今の若い人は、リズム感があって形だけは、そこそこできてしまいます。だからこそ「形だけ」の忍者ではなくて、「心からにじみ出るような」忍者に育てるということですよね。
浮田「海外に行ったら言葉が通じませんから、体からにじみ出るオーラがないと絶対にお客さんには伝わらない。」
晴の輔 体もそうですけど、心の修行。
浮田「『辛抱』がないと、絶対に体に入らない。これがなかなかできない。」
晴の輔 僕も落語家なので、入門してすぐに落語ができるかというと違います。最初は師匠の身の回りのお世話や、運転手をしながら、「落語家」を体で学んでいく。しゃべる練習ではなくて、「生き様」とかを学ぶのですよね。
浮田「全く一緒です。」
晴の輔 伝統芸能、古典芸能の世界。
浮田「歌舞伎の世界とよく似ています。私の長男、次男、三男も跡を継いでいます。また家族以外の者が何人もいます。10代から修行して、一番脂が乗り切っている30代に差し掛かってきており、人員的には焦らなくてもいいのですが、今、次を担う継承者を育てておかないといけないと思い、募集をしたのです。」
晴の輔 育てないと、その先が無くなってしまいますからね。
浮田「継承させていくには、若い時からいろいろな手ほどきをして、一人前に育てるという方針です。」
晴の輔 落語の世界も、志す若い人も多くて嬉しいのですけど、どこか就職感覚で来る人が多い。
浮田「そこも同じですね。続かない。辞めてしまいます。」
晴の輔 就職ではないのですよね。
浮田「中学卒業して、すぐに来てもいい。成人するまでに絶対に一人前にします。」
浮田「何もできなくていいです。覚悟と信念を持って、来ていただきたいです。それだけあれば、絶対に一流に育てます。」
晴の輔 いやあ、私の「志の輔師匠」と話をしているような感じです。(笑) 出会うまでは募集し続ける。
浮田「そうです。興味ある方は是非来ていただきたいです。」
晴の輔 若者は是非行ってもらいたいですね。
「どっちだ!?晴の輔」
毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーです。
今、お題が来ました!「晴の輔さんが来世で入門するのなら?・・・
『忍者の伊賀流に入門する』 それとも 『落語の立川流に入門する』 どっちだ!?晴の輔」
へッへ、またこういう選び辛い質問を…。どっちの世界も行きつくところは同じなのだから…来世でしょ?迷うなあ。悩み過ぎて胃が(伊賀)…
決めました!
「選ばない」
んふふふッ、今回はね選ばないことにした。何故かというと、僕はこの質問「煙にまく」…
今日は、「三重県伊賀市の忍者集団が新メンバーを募集!しかし未だに合格者ナシ!?」というトピックスでお届けしました。「覚悟と信念があれば、何もできなくていい、必ず一人前に育てますから」今、この言葉をはっきりと言える、社長や上司はそういないと思いますよ。本気で忍者になりたい方は是非応募してみてください。
そんな「伊賀忍者特殊軍団 阿修羅の浮田半蔵さん」に
それでは、次回もお会いしましょう!立川晴の輔でした。
-WEB版こぼれ話し1-
晴の輔 心からにじみ出るような域までは、時間がかかります。そこを耐えて、理解してたどり着いてもらいたい。
浮田「外から見れば、めちゃくちゃ厳しくてきついイメージがありますが、入ってみればそれほどでもなく、実際に10年続いている者が何人もいます。うちに入れば、全てにおいて慣れてもらえる環境があります。拠点地である『伊賀流忍者博物館』で『仕掛けからくり』や、歴史的なことなど、忍者のノウハウを学び、体を鍛え、心を鍛え、いろんなことを修行して一人前になっていくのが、忍者の道のり。『忍者は忍耐』辛抱できる子であれば、必ず一人前になります。」
-WEB版こぼれ話し2-
晴の輔 忍者をやっていると、つい普通の生活で出てしまう癖とかあります?歩くときは忍び足になるとか。
浮田「全然ないです。ただ常日頃から体調・体力の維持管理はしています。」
晴の輔 失礼ながらおいくつでいらっしゃるのですか?
浮田「今、59歳です。12月19日で還暦となります。」
晴の輔 おめでとうございます。でも現役バリバリですね。
浮田「バリバリで動いていますよ。衰えを抑えるためのトレーニング・食事に気を使っています。」
晴の輔 忍者の食生活が気になります。
浮田「身体を鍛えるための『タンパク質』をしっかり摂り、睡眠も大切です。そして無理をしない。規則正しい生活をするのは非常に大切ですね。」
晴の輔 半蔵さんから見て、忍者とはどのようなものなのでしょう?
浮田「神秘の世界。忍者とは得体の知れないもので、様々な古文書とかありますが本当は何であるかは分からないのです。三重大学の教授が凄く研究されていて、解明しつつあります。例えば『手裏剣』。それもあったかどうかは定かではないのです。忍者が使っていたとされる道具、戦国時代から残っていたと言われていますけど、実際には残っていないのですよ。そういったことにロマン・夢があるのですね。」
晴の輔 我々一般素人は、アニメ「忍者ハットリくん」とかでイメージして、それこそ「手裏剣」は絶対に持っているでしょうし、すばしっこいし、身体能力は高いのだろうなと勝手に思い込んでいます。でも実態は分からないということなのですね。
浮田「分からないけど、実際にそういう人はいたと思います。それこそ『太った忍者』もいたと思います。」
晴の輔 (笑) なるほど。
浮田「『忍者らしくない忍者』がいて当然だと思います。スパイであり、根本的な仕事は『戦い』ではないですから。だから『陰の存在』。そのためには目立たないということが大事。」
晴の輔 目立たない、でもきっちりと仕事をする。凄く興味がわいてまいりました!
浮田「三重県の伊賀市にある『伊賀流忍者博物館』に来てください!」
晴の輔 是非「浮田半蔵」さんのお姿を見に行きたいと思います。
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