スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2022.12.30

2022年12月26日(月)

日本に古くから伝わる“お正月の遊び”の1つ

『かるた』についてです。

 

■今週(12/26~12/29)のテーマ:『かるた』

 

12/26(月)  『かるたの歴史』

 

『かるた』とは、“読み札”と“絵札”に分かれた

2種類の札を使って遊ぶ、一種のカードゲームです。

 

そんなかるたの始まりは、『貝覆い(かいおおい)』と呼ばれる

“平安時代の貴族の遊び”といわれています。

これは二枚貝のハマグリを使った遊びで、外した貝殻の中から、

もう片方の貝殻を探し出す・・・というものです。

ハマグリの貝殻の大きさや形は同じものがないので、

こういった遊びが生まれたそうです。

 

その後、貝殻の内側に和歌や絵を描いて、それに合う

もう片方の貝殻を探し出す遊びへと発展していきます。

例えば和歌でしたら、上の句と下の句が描かれている

貝殻同士を探し出すというものです。

 

こうした『貝覆い』など、“合わせ遊び”の一方で、

16世紀にポルトガルから、『carta(カルタ)』と呼ばれるカードゲームが

伝わってきました。

この『carta』とは、ポルトガル語で『四角い紙』とか、

『カード』という意味で、やがて『南蛮カルタ』の名前で、

当時の人たちに受け入れられていきました。

 

このポルトガルの南蛮カルタと、日本の“合わせ遊び”が合わさって

国産の新しいかるたが作られるようになりました。    

このかるたは当時の元号の『天正(てんしょう)』にちなんで、

『天正カルタ』と呼ばれています。

 

【感想】

数年前、お正月の旅行に友達が

かるたを持ってきてくれて、

何十年ぶりかにやってみましたが、おもしろかったなぁ。

 

子どもの頃は家族全員でやりましたよネ。

一種の競争だし、集中して一生懸命探し出す楽しい遊びですよネ。

この寒い冬にピッタリです。

 

 

12/27(火) 『かるたの歴史②』

 

“国産で最も古い”とされるかるた、『天正(てんしょう)カルタ』ですが、

16世紀の終わり頃から作られたといわれています。

この天正カルタを最初に作ったとされているのが、

筑後の三池地方、現在の福岡県大牟田市です。

 

これは現存する天正カルタの裏に、”三池に住む貞次(さだつぐ)”と

書かれてあったことから、この地で日本のかるた作りが始まったと

考えられています。

こうした経緯から、大牟田市は”国産のかるたの発祥の地”と

呼ばれているそうなんです。

 

そんな大牟田市には、『三池カルタ・歴史資料館』というのがあって、

日本や外国のかるたなどが1万点以上、展示されているそうです。

 

この天正カルタですが、“純粋な遊び”としてだけでなく、

“賭けごとの道具”としても使われていたそうなんですネ。

そのため江戸時代には、繰り返し禁止され、

たくさんの天正カルタが処分されてしまったそうです。

 

その一方で、『貝覆い(かいおおい)』といった日本の伝統的文化の

“合わせ遊び”が、ポルトガルから伝わった『carta(カルタ)』と合わさって、

様々な形に変化していきます。

 

その中から『小倉百人一首』などの『歌かるた』や、

『いろはかるた』といったかるたが次々と誕生し、

バリエーションがどんどん広がっていきました。

 

【感想】

へぇ~、博物館に展示されているかるたの数が

1万点以上と聞いて驚きました。

そんなバリエーションが世界中にあるんですネ。

 

私の中では、小倉百人一首が一番古いかるたかと思っていましたが、

天正カルタが最古なんですネ。

 

かるたは初めて会った人とでも、気軽に楽しめますし、

すぐに仲良くなれそうですよネ。

かるた、今年のお正月、どこかでやってみてください。

 

 

12/28(水)  『かるたの種類』

 

日本で独自の形に進化したかるたですが、

いくつかのジャンルに分けられます。例えば、『競技かるた』です。

『小倉百人一首』のかるたの札を使う、1対1の対戦競技です。

 

読み手が読む『読み札』には、短歌の上の句と下の句が

書かれています。

そして『取り札』には、下の句だけが書かれています。

 

競技者は、それぞれが100枚の取り札の中から、

無作為に25枚ずつ選んで、自分の前(自分の陣地)に並べます。

そして、読み手が読む上の句を聞いて、

相手よりも先に札を取ります。

相手の陣地にある札を取った場合は、自分の陣地にある札を

相手の陣地に送ります。

 

これをくり返して、最終的に自分の陣地の札がなくなった人が

勝ちとなります。

短歌を覚える記憶力はモチロンですが、とっさの判断力ですとか、

瞬発力ですとか、様々な能力が求められます。

 

かるたの中には、その地域や街に根付いたものもあります。

その土地の自然や歴史、文化、産業、人物などを読み込んだ

かるたのことで、『郷土かるた』といいます。

 

その数は2000ともいわれていて、その中には群馬県の方なら

誰もが知っているという『上毛かるた』などがあります。

 

 

【感想】

競技かるた、これは映画にもなったり流行りましたよネ。

上手な人たちの速さといったら凄いですよネ。

記憶力、判断力、瞬発力・・・

もはや“超能力では?”と思ってしまうほどです。

 

そして『上毛かるた』、有名ですネ。

私のふるさと(茨城県)にもあるのかな?と調べてみたら、

『水戸かるた』、『牛久かるた』、『鹿島かるた』・・・

たくさんあって嬉しかったな。

皆さんのふるさとにも郷土かるた、あるのではないでしょうか?

 

 

12/29(木)  『かるたの種類②』

 

かるたと聞いて、思い浮かべる方が多いのが『いろはかるた』です。

江戸時代後半に誕生したかるたで、

読み札には『いろはにほへと』で始まる『ことわざ』、

絵札には『ことわざの内容を表した絵』が描かれています。

 

実は同じ『いろはかるた』でも江戸や京都、そして大阪と尾張では

ことわざが違うそうなんです。

例えば、江戸の『いろはかるた』の『い』で始まることわざは、

『犬も歩けば棒に当たる』です。

ところが、これが京都ですと、『一寸先は闇』。

さらに大阪と尾張では、『一を聞いて十を知る』・・・なんですって。

 

中には同じことわざもあるそうですが、

それでもすべての地域で同じ・・・ということではないそうなんです。

 

また、かるたの枚数も違っていて、大阪と尾張の『いろはかるた』は、

全部で47文字・47枚ですが、江戸と京都は48文字・48枚です。

これは江戸と京都の『いろはかるた』には、最後の『す』の文字の後に

漢字の『京』の文字が加わっているからなんですネ。

 

どうして最後に『京』の字を加えたのでしょうか?

“東海道五十三次のゴールが京都だから・・・”など、諸説あるものの、

ハッキリしたことは分からないそうです。

 

【感想】

ことわざ、全国共通じゃなかったんですネ!

地域性を表してるのかな?

例えば江戸っ子には、フラフラ歩いている人が多かったから、

“犬も歩けば棒に当たるよ”とか。

 

京都人には“一寸先は怖いんだよ”と戒めてみたり、

大阪・尾張は商人が多いから、“一を聞いて十を知るようになりなさい”とか、

諭したんでしょうかネ。よく分かりませんネ。

 

 

12/30(金)  『かるたの豆知識』

 

かるたは子どもの教育にも、とても効果的といわれています。

教育学者で、ベストセラー『声に出して読みたい日本語』でもおなじみの、

齋藤孝さんによりますと、かるたは

“絵と言葉を合わせることで、幼いお子さんでも

言葉になじむことができる遊び“だそうです。

そして遊びながら、価値のある日本語を覚えることができるのが、

かるたの良さだそうです。

 

かるたの場合、『読み上げるのを聞く』、『それを記憶にとどめる』、

『その言葉と関連する文字や絵などを連想して探す』、

そして、『これだ!と思った札をできるだけ速く取る』といったことが

求められますから、耳も目も脳も手も使うんですネ。

 

そして子どもは、『競うこと』や『できるようになること』が

大好きだそうですから、かるた遊びはまさに最適ですよネ。

 

そして齋藤孝さんは“幼児の頃からずっとかるた遊びをしていると、

言語力や記憶力、反射神経、適度な競争力、

さらにコミュニケーション力といった様々な能力が磨かれます“と

おっしゃっています。

 

これだけ聞いても、かるたは子どもの教育に良いことばかりですよネ。

そしてお子さんだけでなく、大人の私たちにとっても、

耳も目も脳も手も使うかるたは、老化の防止に良いですよネ。

 

 

【感想】

遊びながら老化防止!これ、一番イイ方法ですよネ。

皆さんもこのお休みに、やってみてはいかがでしょうか。

 

【今週の感想】

子どもの頃から慣れ親しんでいるかるたですが、

その歴史とか成り立ちとか知らなかったので、

学ぶ機会になりました。

 

特に『いろはかるた』のことわざが、地域によって違うというのも

初めて知りました。

京都バージョンや大阪・尾張バージョンのかるたも、

やってみたいです。

 

そして、かるたは郷土食が本当に豊かで、

全国にたくさんあると知って、自分のふるさとのかるたを調べる

イイ機会になりました。

 

そして今年も1年、この番組にお付き合いいただきありがとうございました。

番組メールには感想もいただいていますが、

とても励みになります。

番組でご紹介できずに申し訳ありませんが、

“○○というテーマでやって”というリクエストがありましたら、

番組HPのメールフォーム、またはhada@1242.comまでお送りください。

 

そして皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。

 

 

【お知らせ① 次週(1/2~)からのテーマ】

 

お正月にいただくものの1つ、『お餅』についてです。

 

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/