スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2020.09.11

2020年9月7日(月)

私たちの命に関わる『救急医療や救急業務』についてです。

 

■今週(9/7~9/11)のテーマ:『救急医療や救急業務』

 

9/7(月)  『救命救急センター』

 

10年以上前になりますが、私は救命救急センターを舞台にした

『ジェネラル・ルージュの凱旋』という映画で、

看護師長役を務めたことがあります。

その際、撮影にあたり、実際に救命救急センターに行って、

見学をさせていただいたことがあります。

ICU(集中治療室)には意外にも若い患者さんの姿が多く、

ドクター達は命を削るような思いで、患者さんの命を救おうとされていて、

私の目には神様に見えました。

 

救命救急センターに限らず、どの医療現場もモチロン大変ですし、

特に今年の場合、新型コロナウイルスもあって、

医療従事者の方々のご苦労も、並々ならぬものがあるかと思います。

そんな中、救命救急センターでは命に関わる病気やケガをされている

救急患者を、24時間対応で受け入れています。

 

日本で最初の救命救急センターは、1977年(昭和52年)に、

東京・日本医科大学付属病院に開設されました。

こちらは1993年(平成5年)には、日本で最初の

高度救命救急センターの認定を受けています。

 

高度救命救急センターとは、救命救急センターに運ばれた患者さんの中で、

特に“広い範囲にわたるヤケド”や“指などの切断”、“急性中毒”といった、

特に重い症状の患者さんを受け入れています。

 

イザという時の安心感は、本当にありがたいことですよネ。

 

 

 

9/8(火)  『救急の歴史』

 

救急業務の記録としては、18世紀のナポレオン戦争の時、

フランス軍のお医者さんが戦場に馬車を走らせて、

ケガをした兵士の救護にあたった・・・という記録があるそうです。

 

一般社会では1869年、アメリカ・シンシナティの病院が、

救急馬車で患者を搬送した・・・という記録が残っているそうです。

馬車ではなく、自動車による最初の救急搬送は1899年、

アメリカ・シカゴの病院が最初とされています。

 

日本ではいつ頃、救急業務が始まったのかといいますと、

諸説ありまして、その中で1933年(昭和8年)、横浜の消防署に、

救急車が配置されたのが始まり・・・というのが

通説とされているそうです。

さらに翌1934年には、名古屋の消防署と東京の日本赤十字社でも

救急車による救急業務が始まりました。

 

当時はまだ救急車が珍しかった時代ですから、市民の方々に

救急車の利用を呼びかけるのも、大変な仕事だったそうです。

 

例えば横浜では、新聞や車内に広告を出したり、

ポスターを貼り出したり、電話帳や運転免許証に

救急車の呼び出し番号を印刷したりしたそうです。

名古屋では、ポスターをお風呂屋さんや理髪店、駅などに貼ったり、

ビラをそれぞれのお宅に配ったそうです。

 

東京では主な交差点に救急箱や担架、毛布などを備え付けるなど、

救急車が到着するまでの応急手当ができるようにしたそうですよ。

 

今となっては救急車は当たり前のようになっていますが、

病気やケガをした時、病院まで運んでくださる業務、

本当にありがたいことですよネ。

 

 

9/9(水)  『救急の豆知識』

 

9月9日は、その数字の語呂合わせから『救急の日』です。

“救急医療や救急業務について、キチンと知りましょう”

そして“救急医療関係者の方々の意識を高めましょう”という日です。

 

年々、救急車が出動する件数も搬送される人の数も増えています。

例えば、今年3月に発表されたデータによりますと、

去年1年間に救急車が出動した件数は約664万件。

これは前年に比べると3万5000件ほど増えています。

 

また搬送された人の数は約598万人。

これも前年と比べると1万8000人ほど増えています。

この件数も人数もいずれも過去最多だそうです。

 

さらに、救急車が現場に到着する時間ですが、

2018年のデータでは全国平均で8.7分でした。

この30年間で約3分延びているそうです。

病院に到着する時間は平均で39.5分。

こちらもこの30年間で18分以上、延びているそうです。

 

このように、救急隊の現場までの到着時間が遅くなったり、

病院の受け入れに時間がかかったりと、

“必要な人に必要なサービスが届けにくい”という状況に

なっているのだそうです。

 

私はクルマを運転しますが、サイレンの音がすると皆一堂に

クルマを寄せて、救急車両を優先させる行為が普通になっていることに

感動を覚えています。

でも、もっとスムーズにさせるための方法があるとイイですよネ。

 

 

9/10(木)  『救急車の出動』

 

救急車の出動件数や搬送される人が年々、増えていて、

そのため“必要な人に、必要なサービスが届けにくい”という

状況になっています。

    

そこで消防庁では『救急車や救急医療は限りある資源ですので、

イザという時の皆さん自身の安心のために、救急医療の受診について

考えてみませんか』と呼びかけています。

 

さらに“上手に救急車を利用してもらうためのマニュアル”を公表しています。

例えば大人の場合、『ためらわず救急車を呼んでほしい症状』として

『意識がない・・・といったような意識の障害』や『けいれん』、

『冷や汗を伴うような強い吐き気』、『激しい頭痛や腹痛』、

『食べ物をノドに詰まらせて呼吸が苦しい』、『大量の出血を伴うケガ』、

『広い範囲のヤケド』、『顔半分が動きにくい、あるいはシビレる』、

その他、『事故』や『高い所からの転落』といった症状が見られたら、

すぐに119番してください!としています。

 

またお子さんの場合は大人の症状の他に、『手足が硬直している』

『唇の色が紫色で、呼吸が弱い』、『変なモノを飲み込んで意識がない』

『虫に刺されて全身にじんましんが出て、顔色が悪くなった』

『生まれて3ヶ月未満の赤ちゃんの様子がおかしい』

『その他、いつもと違う場合、様子がおかしい場合』といった時は

すぐに119番してください!としています。

 

誰でも具合が悪い時は不安になるものです。

救急車を呼んでイイのか、見極めが難しい時がありますよネ。

このガイドライン、ぜひ覚えておきましょうネ。

 

 

9/11(金)  『救急医療の在り方』

 

“症状に緊急性がない”といったように、明らかに必要のない理由で、

救急車を呼ぶ人がいるそうです。

例えば『病院までの交通手段がないから』、

『今日が病院の予約日だから』、『病院でもらった薬がなくなったから』、

『海水浴に行って、日焼けした足がヒリヒリするから』といった理由で

実際に救急車が呼ばれているそうです。

救急車も救急外来も、重大な病気やケガの可能性がある方や

緊急を要する人のためにあるものです。

 

そうは言いましても、急な病気やケガをした時、

“救急車を呼んだほうがイイのか”、それとも

“自分で病院に行けばイイのか”

“その場合、どこの病院に行けばイイのか”迷うことがありますよネ。

 

消防庁では『そのような時には、お住まいのそれぞれの自治体に

救急相談窓口がありますので、ご相談ください』としています。

例えば『#7119』に電話をすると、看護師さんやお医者さんが

その方の容体を聞いて、救急車を呼ぶべきかアドバイスしてくれます。

緊急性が低い場合は、地域の医療機関を案内してくれます。

 

また、お子さんの急な病気で困った場合、

『♯8000』に電話すると、小児科の専門家の方が応対してくれます。

 

まずは日頃から体調管理をして、健康でいたいものです。

でも突発的なことが起きたら、相談窓口に連絡をして指示を仰ぐという

段取りを準備しておくとイイですよネ。

 

1人ではない。助けてくださる医療がある。

本当に感謝をして、迷惑行為はくれぐれもやめましょうネ。

 

 

■今週の感想 

 

まずは、今回の台風10号で被害に遭われた方々には

心よりお見舞い申し上げます。

少しでも早く普通の日常が戻りますことを、切に願うばかりです。

 

番組でもお話しましたが、私は以前、救命救急センターを舞台にした

映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』で、看護師長役を務めました。

それにあたり、実際に救命救急センターにも行きましたが、

まさに命に関わる現場ですから、その緊張感はすごかったです。

でも、こういった現場で働く方々によって、

一歩違えば失ってしまう命が助かっているんだ・・・と痛感しました。

 

今回、コロナによって救急に限らず、医療現場の方々のご苦労は

ものすごいと思います。

本当に感謝の思いしかありません。

 

 

【お知らせ① 次週(9/14~)からのテーマ】

 

9/19からは秋のお彼岸。そこで『お彼岸』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

 

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/