スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2020.09.04

2020年8月31日(月)

目の前で不思議な現象を起こす『マジック』についてです。

 

■今週(8/31~9/4)のテーマ:『マジック』

 

8/31(月)  『マジックとは』

 

『マジック』を辞書で調べますと“手品”とあります。

マジックは英語(magic)、手品は日本語という違いはありますが、

一般的には“マジックと手品は同じもの”とされています。

ところが厳密には、マジックと手品は違うものなのだそうですよ。

 

『マジック』という言葉には“魔法”という意味があります。

何も仕掛けを使わずに不思議な現象を起こすことから

『魔術』ともいわれ、“マジックをする人”のことは

『マジシャン』と呼ばれています。

 

それに対して『手品』という言葉には

“トリック”や“仕掛け”という意味があります。

そうした仕掛けを使って、巧みな手さばきで不思議なことを見せることから、

『奇術』ともいわれ、“手品をする人”のことは

『手品師』、『奇術師』と呼ばれています。

 

また『手品』という言葉ですが、元々、奇術のことを

『手妻(てづま)』、『品玉(しなだま)』と呼んでいたそうです。

いつしかこの2つの言葉が合わさって、

『手品』と呼ばれるようになったそうです。

 

このようにマジックは“魔法”、手品は“奇術”という違いがありますが、

現在では同じ意味で扱われているそうです。

 

私が出演させていただいているドラマで、

マジックを題材にしたストーリーがあって、

私も興味があったので、今回、『マジック』をテーマにしました。

刑事もののドラマなんですけど、トリックが事件のカギを握ったりして、

おもしろいストーリーになっていくんです。

 

 

9/1(火)  『マジックの歴史』

 

マジックはいつ頃からあったのでしょうか?

それについては諸説あります。

紀元前の古代エジプトの洞窟に、カップとボールを使って、

マジックを演じているように見える壁画があるそうです。

但し、これはマジックをしているのではなくて、

“パンを焼いている姿だ”とする説もあるそうです。

 

同じく紀元前の古代エジプトに

『王様の前で魔術師が、ガチョウの首を切ってつなげた』と書かれた

文献があったそうです。

そんなところから少なくともこの時代に、不思議な力

『マジック』が存在していたと考えられています。

 

そんなマジックを使えるマジシャンは、

時には人々に大きな影響を与えました。

中世の時代、ヨーロッパでは罪のない人を魔女だと決めつけて処刑する

“魔女狩り”が行われるようになります。

それと同時に“マジックは黒魔術、マジシャンは悪魔の手先”として

迫害されるようになりました。

 

そうした誤解を解くために、1584年にイギリス人の

レジナルド・スコットさんが著書『妖術の開示』を出版しました。

『魔術の暴露』というタイトルでも呼ばれています。

 

レジナルドさんの本職は議員で、マジシャンではありませんでしたが、

友人のマジシャンの協力を得て、本の中でマジックのタネ明かしをしました。

こうすることで、マジックへの偏見と迫害をなくそうとしたそうです。

 

不思議な現象を見た人はビックリして、マジシャンのことを

“魔法使いだ!魔女だ!”と思っていた時代があったんですネ。

 

“ネタバレは興ざめ”という一面もありますが、

“仕掛けがあるんですよ”と開示する必要もあったんですネ。

 

 

9/2(水)  『マジックの歴史②』

 

中世の時代、ヨーロッパでは“マジックは黒魔術”、

“マジシャンは悪魔の手先”とされていましたが、

その後、マジックは新しい時代を迎えます。

 

19世紀のフランス・パリ。

マジシャンのロベール・ウーダンさんは、

それまでのマジックのイメージを変えるために、

新しい試みを始めました。

 

例えば服装です。

当時のマジシャンはいかにも“魔法使い”といった格好でしたが、

燕尾服の正装姿で、シルクハットをかぶりました。 

“マジシャンの服装”と聞いて“燕尾服とシルクハット”をイメージされる方、

いらっしゃるかと思いますが、このスタイルを築いたのがロベールさんです。

 

ロベールさんは機械仕掛けの精密な道具と手先の器用さによって、

シンプルで美しい演出を生み出しました。

実はロベールさんは元々、時計職人をされていて、

40歳でマジシャンに転身されたそうです。

ですから、精密な道具を作るのも手先が器用なのも

当然だったそうです。

    

こうしてロベールさんによって、

マジックはエンターテイメントとして認知されるようになります。

 

ロベールさんの代表的なマジックの1つに、当時6歳の息子さんを

空中に浮かべる・・・というのがあったそうです。

こうした功績から“近代マジックの父”と呼ばれています。

 

確かにマジシャンは、燕尾服にシルクハット、

そして魔法のステッキを持っているイメージってありますよネ。

他にも思い出すのは、Mr.マリックさんのチャイニーズ風の衣装とか、

プリンセス天功さんの華やかな衣装とかも思い出しますよネ。

 

 

9/3(木)  『手品の歴史』

 

手品は奈良時代の頃、仏教と一緒に伝わったと考えられています。

その後、様々な工夫が加えられて、“日本独自の奇術”として

完成しました。

こうした奇術のことを『手妻(てづま)』、『品玉(しなだま)』と

呼んでいましたが、のちに『手品』になったとされています。

 

『手妻』は一説には”稲妻よりも速く手が動く”というところから、

この名前が付いたといわれています。

 

『手妻』の代表的なものとして、例えば『胡蝶の舞(こちょうのまい)』。

これは、紙で作ったチョウチョを扇子であおぐと、

まるで生きているように飛んで見える・・・というものです。

 

『蒸籠(せいろう)』。

何も入っていない木の箱の中から、

いろんな品物が出てくる・・・というものです。

 

『水芸』。

演じ手の方の掛け声や音楽に合わせて、舞台上の花や置物、

さらに演じ手の方の頭や着物の裾など、

様々な所から水が噴き出る・・・というものです。

 

現在もこうした昔からの日本の奇術を受け継いでいる方のことを、

“手品師”ではなく、“手妻師”と呼ぶこともあるそうです。

 

『品玉』は小さな玉や短刀などを空中に投げて、

それを巧みに受け止める・・・という曲芸の一種です。

 

“手妻師”、私は初めて聞く名前でした。

でも日本の手品って、“トリックを使って”というよりも

“練習のたまもの”といった、努力の積み重ねが見えて素敵ですネ。

 

 

9/4(金)  『マジックの種類』

 

マジックは会場の大きさやお客さんの人数などによって、

いくつもの種類に分けられます。

例えば『クロースアップマジック』。

テーブルを挟んで、少人数のお客さんの前で披露します。

お客さんは見るだけでなく、参加する楽しみもあります。

 

同じ『クロースアップマジック』でも、コインやカードが中心の場合、

『テーブルマジック』ともいいます。

 

『サロンマジック』。

30人から50人、または100人規模のお客さんの前で演じます。

カップなど小さな道具を使ったりします。

 

『ステージマジック』。

『サロンマジック』よりも大勢のお客さんの前で、

照明や音響などを交えながら、

ステージ上で様々な道具を使ってマジックを披露します。

その際、マジシャンの服装は正装が基本です。

    

『イリュージョン』。

『イリュージョン』とは“幻想”、“幻影”という意味です。

何百人、何千人規模のお客さんの前で、大掛かりな道具を使って、

様々な演出をしながら披露するマジックです。

『人体の切断』や『巨大な水槽からの脱出』などがあります。

 

一般的に“マジックをする人”は“マジシャン”と呼ばれますが、

“イリュージョンをするマジシャン”の場合、

“イリュージョニスト”と呼ばれています。

 

手品、マジック、イリュージョン。

子供から大人まで、目がキラキラと輝く、

本当に素敵なエンターテインメントですよネ。

これからもたくさんの技が出てくるんだろうな・・・って思って

楽しみですよネ。

 

 

■今週の感想 

 

偶然にも今年、私が出演したドラマで

マジックをテーマにしたストーリーの回が二度あったことから、

今回、マジックをテーマにさせていただきました。

 

見るたびにいつも感動と興奮の連続のマジックですが、

こういった歴史を経て、今に受け継がれているんですネ。

それにしても、いつも集中して見ているのに、

どうしてそうなるのか、本当に分かりません(汗)

 

追伸

とても勢力が強い台風10号が近づいています。

台風の進路にあたる地域にお住まいの方々は、

どうぞ十分にお気を付けくださいませ。

どうか被害が出ませんように・・・

 

 

【お知らせ① 次週(9/7~)からのテーマ】

 

私たちの命に関わる『救急医療や救急業務』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

 

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/