高田文夫のおもひでコロコロ

2024.02.29

第87回『東京漫才師・史の顔、顔、顔』

ありがとうございます。
75歳にして この愛され方。自分で自分が恐ろしい。
「オール日芸寄席」(4月27日)、前売りは2月26日だとここで発表したら即日完売。
私の「完売伝説」は もう40年を越えた。空席のある会、ライブに立ったことがない。
すべて超満。「オール日芸」今回は太田光の登場です。チケットとれた人だけ楽しんで下さい。
国際フォーラムから、よみうりホール、東洋館、しのぶ亭まで すべて超満、気持ちいい。
ハッキリ言って人一倍面白いからな、オレ。

 

伝説のテレビマン達と語りあう(元・日本テレビ)電波少年の土屋敏男の「テレビの記憶」。
第5回として「私SP」が彼のYouTubeで現在流れている訳ですが(全11回)、テリー伊藤篇やら菅篇、フジTV三宅恵介篇らの再生回数の3倍4倍は私篇が見られているとチェックをした「さんぽ会」の連中が教えてくれました。言いたい放題、昔の記憶がものすごい私が面白さ天下一品。
見たうちのカミさん「う――ん、勉強になった」

 

2月26日(月)に発売された「週刊ポスト」(まだ本屋さんにあると思います)。
私の連載頁とは別にグラビア頁で8頁頂きまして東京漫才の大特集をナイツ塙と28歳で昔のことにやたら詳しい神保喜利彦との三人で写真もタップリと大いに語りあっています。これだけコアな東京漫才特集は ほぼ今まで一度もなかったと75年の大衆芸能生活者として断言できます。

こやって何でも語り残しておかないとネ。大衆文化ははかなく消えてゆく命だから。

いいライブ、いい芸人・タレント、いい本を紹介しつづける、これも私の使命、仕事なのかもしれない。イヨッ、現代のツタヤジューザブロー!(ブギウギ終わったら、もう来年の大河が楽しみだ)
テレビ評なんてタダで見て何か書いて小銭をもらうような志の低い仕事は大きらいだ。TVは作るか 出るか 見ないかの三択だ。「あ~っ トゥナイト見てぇなあ」。(今出てる『月刊Hanada』にトゥナイトのことタップリ私書いてます)

阿部サダヲの「チョメチョメ」いいネ。不適切!! 
若き日 私は山城新伍の「アイアイゲーム」で この「チョメチョメ」のゆるくて下らない問題を山程考えていた。
「男と女の間には深い××がある」
「犬も歩けば××にあたる」
「タテ笛と××を思わずくわえた彼女」

山城新伍の「アイアイゲーム」では私の下に若手作家として三谷幸喜が居た。山城新伍の大喜利・本音バトルの「笑アップ歌謡大作戦」。漫才ブーム(80年)がくる数年前に本音すぎる女性歌手の教室コント風ののしりあい。和田アキ子、中尾ミエ、佐良直美、由紀さおり、研ナオコ等が大暴れした。この問題と答を考えていたのが私と若き日の秋元康ら。みんな若い頃から場数ふんでるんだ。やはりエンタメは打席数。学歴なんかじゃエンタメは びた一文作れない。

さあ ここで問題だ。
この時代に今だに私がお米を送っているまったく無名の絵描きが居る。
50を過ぎたというのにまったく売れない。(絵はいいと思うのだが)
食べられない。どうにか早朝のバイトなどみつけ、絵ばかり描いている。
こういう性格だから人と交流しない。会話がない。売り込む術も知らない50才。私にだけはなついてくる。仕方がないから米送る。少し喜ぶ。

「50すぎて本の一冊や二冊出さねぇで何が絵描きだ!展覧会もちゃんとやれ。出版社の人間50すぎても知らねぇのか。頭下げるということ知らないの?マスコミに乗りたいっていったって、お前マスとコミュニケーションしないじゃねぇか。人間とからまないとマスコミで暮らせないんだよ。

カモクな男「ながさわたかひろ」
小言がきいたか半年もして急に現れた。
「本ができました!まず先生に渡そうと思って」
「どこの出版社が出してくれたの?」
「自費出版です。自費でコツコツ。千部、これ売り切らないと私破算です」

私が口きいてやって紹介した芸人達をエンピツで丹念に描きつづけた。


メンバーの顔付けだけはみごと。
他にもいいのがいっぱい。

では、この素晴らしい本が一体どこで買えるのか。そんな人の為に展覧会です。(ホラッ 絵描きっぽくなってきた)

3月9日から23日まで神楽坂で「顔、顔、顔」が開かれます。
ちょっと地図が分かりづらいですが。
本は そこで販売するとのことです。

悪気はないので行けたら行ってやって下さい。
高橋幸宏、南伸坊、柄本明、坂田明なんて方々も描かれてます。

 

3月1日

 

高田文夫

  • ビバリーHP導線
筆者
  • 高田 文夫
    高田 文夫
    高田 文夫

    高田 文夫

    1948年渋谷区生まれ、世田谷育ち。日本大学芸術学部放送学科在学中は落語研究会に所属。卒業と同時に放送作家の道を歩む。「ビートたけしのオールナイトニッポン」「オレたちひょうきん族」「気分はパラダイス」など数々のヒット番組を生む。その一方で昭和58年に立川談志の立川流に入門、立川藤志楼を名乗り、'88年に真打昇進をはたす。1989年からスタートした「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」は4半世紀以上経つも全くもって衰えを知らず。