高田文夫のおもひでコロコロ

2024.02.15

第85回『浅草キッドの邂逅』

前回の私の書きおろし「ドサクサ キッド」。そこに すぐに「OKです」と書いたビートたけし御大。
「大阪松本」なき東京笑芸界には、この詞の方が相当の衝撃を与えた。

 

2月9日(金)台東区がやっている「ビートたけし杯」(第6回)IN 東洋館。
審査員である私とナイツがいつも通り世にも下らない話で盛り上がっていると すぐにやって来ました元祖フランス座男。生きる「浅草キッド」。
ビートたけし氏も参戦し、バカッ話のてんこ盛り。
30分以上私の楽屋でしゃべっていると なにやら東洋館に流れる変な空気。
たけし追っかけの水道橋博士やらアル北郷らがただならぬフンイキ。
そこへ入って来たのは なっなっなんと相棒ビートきよし。
「ホラッ 今日ここへ来れば二人に会えると思ってさ。これ」と大きな鳩サブレーの缶入りを差し出した。
「みんなで食べて」「どうしたの これ?」「そこで ひとから もらったの」だと。
「ひとから もらった鳩サブレ―」って なにやら藤正樹の「あの娘にもらった塩むすび」みたいだ。ツメエリか!?
しみじみ相棒を見てたけし氏「なに今日 金借りにきたの?やせたなぁ。細くなっちゃって にしきのあきらかと思ったよ」
私が「なに?今日はお別れ言いに来たの?」
「よしなさいって」(出た!)
東洋館(フランス座)の楽屋にて。

ふたりの邂逅。日本の芸能史的にいっても とんでもなく貴重な一瞬だ。本物の「浅草キッド」である。私はすぐ塙に言って「早くツーショット撮っとけ。次は きよしの葬式で会うだけなんだから」「だから よしなさいって」

そして いよいよ夢の3ショットである。
今から45年位前から芸能界の荒波をくぐり抜けてきた青春期の戦友3人である。どれだけの弾をよけてきたか。3人共一度は死ぬような大病大事故を返り討ちしてきた男たちである。ちっとやそっとの事ではおどろかない。

 

8組が登場した「たけし杯」。
満票で「ヤ―レンズ」が優勝した。
手数の多いボケが手練(てだれ)である。

 

 

「ビートたけし」がらみで言えば 現在出ている「昭和50年男」(3月号)。
元・日本テレビ土屋敏男(「電波少年」T部長でおなじみ。鬼である)が「テレビの記憶」という連載をやっていて第5回のゲストが私という訳。
さんざんビートたけしの話をしてからの「電波」松村クンの話。
活字はここでやっていてYouTubeでも「みんなのテレビの記憶」として見られる。
10回を超える私の爆笑トークを楽しんで欲しい。「ビバリー昼ズ」と「電波少年」の関係性があかされる。

 

東京の笑芸にずっと関わっていると自然と面白いものも集まってくる。
「週刊ポスト」やら「月刊HANADA」やら私の連載にチャーミングなイラストをいつも入れてくれる佐野クンが何故かメンコばかり作っていて私に丁ねいに送ってくれる。
これは「笑芸」メンコだな。
「エノケン」「ロッパ」「金語楼」という三大喜劇王から私の大好きな森川信(初期の「男はつらいよ」おいちゃん)まで。近代漫才の祖 大阪のエンタツ・アチャコも居る。この2人が初めて楽器も持たずスーツで話をした名作「早慶戦」である。

ひとつひらめいた。「ビバリー昼ズ」のメンバーで このメンコを作るというのはどうだ?LFのスタッフこれ読んでる?
6月の国際フォーラムの大イベント(5,000人)で売るというのはどうだ?
商売人だなぁオレも。オレへのキックバックも頼むよ。

 

6月のイベントに向けて これから色々打ち合わせをしていく。前売りをとれた人は御確認を。私のマニアは年配の方が多いからチケットをとってある事さえ忘れちゃうから。近づいたら またキチンと告知します。券ある?券ある?(ダフ屋始めようかな)

 

アル北郷から こんなチラシもソッと手渡された。子沢山で売れている(?)お宮の松と ふたり芝居。なんとビートたけし初の舞台脚本とある。「路地裏のゲロ」というタイトルが凄い。

 

さあ そして最後のお知らせ。

東京の笑芸ファンの皆様お待たせ。そして ごくひと握りの「日大フェチ」「ウラグチスト」の皆様もお待たせしました。いよいよ「オール日芸寄席 おっと天下の日大事!」(第6回)です。日大問題がまだまだくすぶる中、満を持して、またまた爆問・太田光の登場です。今年はNHKの大河ドラマにも「ひかり君へ」とタイトルで登場。「ひかり君へ」って何だか太田光代のテーブルメモみてぇだものな。違うの?「光(ひか)る君(きみ)へ」なの?4月27日(土)6時・有楽町よみうりホール。前売りは2月26日です。2・26と覚えて下さい。

出演は高田文夫・立川志らく・三遊亭白鳥・春風亭一之輔〈ゲスト〉爆笑問題・太田光です。

 

さあ いよいよ2月18日は〈オードリー IN 東京ドーム〉だ。楽しみだな。やっぱり あのでかい東京ドーム(4万人)でも私が「最年長リトゥルトゥース」になるのかなァ。

 

出川の横浜アリーナ(1万2千人)も映像で見たけど凄かったね。面白かった。やっぱり最終的に芸人というのは技術、テクニック、ネタではなく、その人の人柄。パーソナルなものが愛されるべきものなのだ。「鶏は鶏ガラ、人は人柄」(私の名言集より)まったくだ。

 

2月16日

 

高田文夫

  • ビバリーHP導線
筆者
  • 高田 文夫
    高田 文夫
    高田 文夫

    高田 文夫

    1948年渋谷区生まれ、世田谷育ち。日本大学芸術学部放送学科在学中は落語研究会に所属。卒業と同時に放送作家の道を歩む。「ビートたけしのオールナイトニッポン」「オレたちひょうきん族」「気分はパラダイス」など数々のヒット番組を生む。その一方で昭和58年に立川談志の立川流に入門、立川藤志楼を名乗り、'88年に真打昇進をはたす。1989年からスタートした「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」は4半世紀以上経つも全くもって衰えを知らず。