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2024.09.06

漫画家の三田紀房さんに聞く!ヒット作を生み出すテクニック!

漫画家の三田紀房さんが登場。

数々の人気漫画を描いてきた三田さんが漫画家になったきっかけや

ヒット作『ドラゴン桜』の誕生秘話、

さらに、ヒット作を生み出すためにおこなったこととは何かを伺うとともに、

三田さんの半生を綴った話題の著書『ボクは漫画家もどき 

イケてない男の人生大逆転劇』についても伺いました。

 

三田紀房 公式サイト コチラ

著書『ボクは漫画家もどき イケてない男の人生大逆転劇』(講談社)

 

「漫画家もどき」

『ボクは漫画家もどき イケてない男の人生大逆転劇』を講談社から出版。

書籍を出す時はタイトルがすごく重要で、

読者の方の心をきゅっと掴むタイトルをつけないと、

なかなか読んでいただけない。

タイトルは、頭の中に、この本なんだろう?

このタイトルってなんで?という疑問がふっと湧くと、

手に取ってもらいやすくなると自分なりに考えている。

今回、タイトルページに、大きな字で“もどき”と入れると、

この人、漫画家なのに、なんでもどきなの?と思ってもらえると考えた。

30歳で漫画家デビュー。人生を振り返って書かれてある本。

自分は小さい頃から漫画を熱心に読んでいたということではなく、

全然、ジャンルが全く違うところで生活をしてたが、

突如、30歳で漫画家に転身した。

そこに皆さんに注目していただけるのかなと思う。

自分ではそんなに変わった人生を送ったつもりはないが、

周りからはいつからそんなことを考えたのかとよくきかれる。

前半部分は20代の毎日、お金の工面の心配ばっかりしてたという、

イケてない人生の話。

 

 

漫画家デビュー

大学を卒業して、百貨店に就職。

1年経った頃、父親の体調が悪くなり、

岩手の実家でやっている衣料品店のうち1店舗見るため退職。

父が亡くなり、その家業に多額の借金があった。

80年代後半で、商店街がどんどん衰退していく中、

地方の路面店で、人通りがどんどん減る、売り上げも落ちる、

借金の返済をしなくちゃならないという三重苦みたいな状態に陥った。

その打開策として、漫画の新人賞に投稿。

たまたま、「雑誌の漫画の新人募集、大賞に100万円」というのをみて

これだと思い、とりあえず、紙に漫画を描いて投稿しようと考えた。

それまでは、漫画を描いたことがなかった。

自分が描けるジャンルは自分の体験したことだと、

自分の身近な、実際、自分がやっていた商売を題材にした

商人の話を描いて投稿したところ、賞をもらい、デビューをした。

デビュー後すぐ、講談社から月1回の連載しませんかと言われ、

とんとん拍子だった。

最初の連載作品は剣道の漫画だった。

自分は大学は剣道部だったので、剣道のエピソードを交えた作品を描いた、

当時はまだ店番しながら 漫画を描いていた。

 

 

ヒット作を生み出す

漫画家は競争が非常に厳しく、ヒット作がないと、

だんだん漫画の世界から退場させられるシビアな環境。

1つ大きな代表作を作らなくてはいけないということで。

自分は非常に高校野球が好きだったので、

高校野球の監督を主人公にした作品を連載しようということになった。

その最初の週刊の長期連載が『クロカン』。

最初、高校野球の監督はプレーをせず、ベンチで座ってるだけなので

動きがなく、漫画としては、面白みがなかなか伝わらないと、ボツになった。

しかし、『週刊漫画ゴラク』という雑誌で連載することになった。

『クロカン』は最初はあまり人気がなかった、

『漫画ゴラク』はいわゆるエンタメの世界の作品が多いので、

高校野球は、読者に少し馴染みがないジャンルだった。

結果を出さないと連載が続かないので、どうやったらこの雑誌の中で

そのポジションを掴めるかを考えた時に、

単純に人気が1位の漫画と同じように描こうと思った。

1位が『ミナミの帝王』という大人気作品で、 その要素を少し取り入れ、

テクニックを少し借りて、それを自分の作品に取り入れて描こうと思い、

やってみたところ結果が出た。

娯楽作品というのは、大衆に受けるということを追求しないと生き残れない

とわかり、そういう作品に自分なりに改革した。

自分の才能っていうものにそれほど確固たる自信はない、

自分からオリジナルで作るということに、自分なりの信念というか、

自信はない。どちらかというと、何かのテクニックを見つけては、

その力を借りて自分の能力を引き出そうというタイプ。

 

 

『ドラゴン桜』

『ドラゴン桜』は編集からの学園教師ものやりたいという、アイデアに対し、

自分が偏差値30ぐらいのいわゆる勉強の不得意な子供が、

1年で東大に入るというような、大逆転の漫画ならどうかなとうちだした。

すると若い編集者から「あんまり面白くない。東大は意外とみんな入る。

東大は簡単なんだ」というようなことを言われた。

その編集者は東大出身で、灘高校の同級生は100人ぐらい

東大に入っているという。

自分はその時の「東大簡単なんですよ」というキーワードに、

インスピレーションを感じた。

「東大は簡単だ」と最初に言わせ、そこから簡単である理由を描いていけば、

読んでもらえるのではないかと思った。

『ドラゴン桜』最初、主人公が弁護士ということもあり、

その当時社会の話題だった学校再生の話からスタートした。

しかし、東大に行く話なのか、どちらの話なのかがわからないという

読者からの反応があり、東大というものに大きくシフトチェンジした。

それで大ヒット

編集者の方の同級生の東大生100人ぐらいに電話かけて、

どうやって勉強していたのかを聞いてもらった。

すると、やはりその人なりのオリジナル勉強法みたいなものがあり、

それを1個ずつ挙げていった。

だから東大に行くのかという、きちんと裏付けが得られたものを描いたことで、

作品の中にリアリティが生まれ、支持が大きく集まったのだと思う。

 

 

今後の目標とこれからの漫画業界

現在66歳。年齢的に、今取り組んでるのは、原作を作ること。

漫画の元になる、キャラクターであったり、物語であったり、設定を

全体的に設計した、設計図を作る取り組みを重点的に行っている。

また、自分は今、AI を使って漫画を制作しようという

実験的な取り組みをしている。

自分の絵柄をAIに学習させ、そのデータをまず作る。

自分はストーリーを作ったものにAIが出力した絵を載せて、

漫画を作る。非常に実験的で先進的なもの。

まずトライ。テクノロジーでどうやって漫画を作れるかというような、

実験をしていて、結果をできれば今年中には出したい。

業界全体がすごく大きな変革期にあり

紙で発表するとが、どんどん電子書籍に置き換わってる時代。

どうやって電子書籍をさらにその国内はもちろん海外に届けるかという、

その仕組み作りが今ものすごく勢いでできつつある。

この流れが、これから日本のエンタメ界を大きく牽引してくのではないか。

また、デジタルの世界とアナログの世界と2つを持っていることが、

日本の漫画の最大の強み。

アナログでも書く作家がいるというのは、世界にはない、

今後もこの2つを合わせて発展させていきたい。

 

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