作曲家、編曲家、ピアニストの谷川賢作さんが登場。
谷川さんの音楽との出会いや
日本アカデミー賞優秀音楽賞を3度受賞している映画音楽の作曲について
詩人である、父・谷川俊太郎さんの存在について伺いました。
※ 下にスクロールしていただくと放送内容をご覧いただけます。
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(岐阜県 サラマンカホール)
2024年11月23日(土・祝) 13:30開場 14:00開演
パイプオルガン作曲:谷川賢作
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父・谷川俊太郎の存在
父が詩人ということで、小さい時から詩にコンプレックスがあった。
学生の頃、当時1960年代半ばで「詩人」という職業が
学校内で認知されてなく、よく友達にからかわれた。
また、無言のプレッシャーのようなものもあり、
国語の授業などで詩を書けなかった。
自分の書いた詩を父に見せても、息子を傷つけたくなかったのだろう
ふーんふーんという感じだった。
音楽の道に行ったのは、向いてると思ったから。
音楽の方が向いているのではないかと母親が背中押してくれた。
父はひとりっ子で、祖父は哲学者で法政大学の総長
をやってた人なので、蝶よ花よと育てられたぼんぼんだった。
母は6人兄弟の末娘で、ランドセルも着るものも
姉たちのお下がりという人。
そんな2人が、文学座の、1人芝居で、出会った。
父が台本を書いて、新進女優の母が抜擢された。
同じエンターテインメントの世界ということでの
谷川家の土壌はあったのかもしれない。
音楽との出会い
母親に背中を押され、小学校の1年でピアノを習い始めたのが
音楽との出会い。自分向いてるのではないかと意識した。
ピアノ弾いてるの好きだし、歌うのも好きだった。
小学校6年はクラシックをやったが、
そのうち、譜面通りに弾いてるのが飽き足りなくなり、
自然とポピュラーミュージックの方に向かっていった。
谷川家でかかっていたのは洋楽かクラシックで、歌謡曲はかかってなかった。
テレビも見せてくれなかった。
そこから自分はジャズへ。佐藤允彦氏に師事。
最初ジャズにいったとき、“なんじゃこりゃ”と思った。
何が行われてるのかを理解できるまでに時間がかかった。
佐藤さん以外にも何人か先生いて、ジャズの理論、音楽理論を
丁寧に教えてくれた。
こういうことが行われているのだと、ルールが分かると、
すごく面白くなってきて、はまった。
映画音楽のきっかけは父。
父は、こいつ才能あるから ちょっと聞いてやってくださいというタイプで、
市川崑監督の市川組の音響担当の方に、カセットテープを渡した。
それが映画音楽へのきっかけ。26歳の時だった。
映像作品と音楽
映画音楽を最初に手がけたのは、
1986年公開の市川崑監督の映画「鹿鳴館」。
そのあともほとんどの市川崑監督の作品で映画音楽を担当。
市川監督の場合、生の音楽は録り直しができないので、
自分はシンセサイザー導入し、
砧の大きいダビングステージの隣に
小さい小部屋があって、そこに詰めていた。
監督がとても凝る方で、編集も変わっていく。
そうすると、音楽の尺も変わってくる。
もっとそこに合うように、編集のたびに変えていかなければならなかった。
市川監督はミキシングも、メロディーとリズムと、
ストリングスのバランスとか非常に細かく監督される方。
当時はよく、夜、監督が宿題を書かれて、帰られた。
朝、監督がいらっしゃる10時までにその宿題をあげておく。
合格が出るのか出ないのか、ドキドキだった。
しかし、「よし、賢作君のこれで行ってみよう」と言われた時の、
喜びを今でも覚えている
映画音楽を作る上での楽しさの1つに、
誰もが聞いたことのない楽器を導入する楽しさというのがある。
例えば、ビリンバウというブラジルの楽器をちょっといれたりすると、
不思議な効果が生まれる。
親子のコラボレーション
ロバの音楽座と谷川親子は20年くらいコラボレーションしている。
YouTubeにもあがっている「ことばとあそぶ おととあそぶ」は
とってもいいコンサートだった。
父の朗読はやはりいい。
年齢相応のおじいさんにもなれるし、赤ん坊にもなれるし、
若い女の子にもなれる。
それがとっても自然で驚かされることがある。
父との音楽と詩のコラボでは、あまり打ち合わせしない、
何らかのDNAがあるかもしれない。
でも音楽側としては、細心の注意を払っている。
言葉と音がモアレ模様になってるというか、
そのようなことを心がけている。
息子から見ると、父は基本的にパンクな人。
「生きる」や、「朝のリレー」など、有名な詩だけひとり歩きしてるが、
堅苦しい学校での学校公演で、
いきなり「学校が燃えてる」という詩を読み出して驚いたこともある。
挑発的な一面、詩でそこまでいけるというようなアプローチ。
父の詩に曲をつけてもいるが、自分はひらがなの詩が好き。
見た瞬間に、「何かこれいけるかな」という感じで選んでいる。
現在の音楽活動と今後の目標
インストルメンタルの作曲をしてる時は、
別に何か言葉があってというような、タイトルありきではなく、
なんとなく作り始める。
コード進行とメロディーがなんか気持ちいいところ収まっていく。
今、活動の中心は演奏活動の方にシフトしている。
コロナが明け、人前でライブというのは本当に大事だと思っている。
ハーモニカの相方とも、30、40席ぐらいの小さい会場をまわり
連日演奏したりする、股旅演奏家業が楽しくて仕方ない。
演奏曲はその日その日で変わる。
2人という最小ユニットだからこそできる。
目配せ1つで選曲を変えることができる。
意外にこんなことが響くんだというところを、
お客さんからフィードバックで返ってくるのが楽しい。
自分では今日はあんまりうまくいかなかったという日でも
初めて聞いたあなたのオリジナル曲だけどあの曲良かったよと
言われる時は喜び。
この夏、NHK水戸児童合唱団とやった新作を
タイに持ってき、タイの児童合唱団とタイアップするということが
来年実現する。それが一番近々の目標。
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