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2025.07.04

大城道則さんに聞く、『ACNラムセス大王展 』の見どころ

駒澤大学教授で古代エジプト史がご専門の大城道則さんが登場。

エジプト研究の面白さ、エジプトの象形文字、ヒエログリフについて

そして、現在東京・豊洲で開催中の古代エジプト展として

最大級の『ACNラムセス大王展 ファラオたちの黄金』の

見どころについて伺いました。

 

※ 下にスクロールしていただくと放送内容をご覧いただけます。

 

『ACNラムセス大王展 ファラオたちの黄金』

東京・豊洲「ラムセス・ミュージアム at CREVIA BASE Tokyo」で

9月7日まで開催中  詳しくは コチラ

最新著書:『考古学者だけど、発掘が出来ません。多忙すぎる日常』(ポプラ社)

コチラ

 

ラムセス大王展①~展覧会の見どころ

今回の『ACNラムセス大王展 ファラオたちの黄金』は

エジプト政府が主導となって、すごくいいものだけを集めた展示会。

180点ほど来てるが、どれをとっても日本でいうと国宝級のもの。

選びに選んで持ってこられたもので、

世界ツアーをしてて、アジアでは東京だけで開催。

今後多分50年はないぐらいのレベル。

展示のひとつ、ラムセス大王の棺。

これは、元々のお墓から誰かが古代に移したもので

洞窟の中に隠されていたような感じ。

お墓から盗まれたということでなく、

盗まれるものが多かったので、真面目で信心深い人たちが、

王の棺をもともとのお墓から出して、絶対見つからない場所に

20メートルぐらい穴を掘って、そこに入れて隠した。

それが1881年に見つかった。

日本人はエジプト大好きなので

エジプト展というのは日本にいろいろやってくる。

レプリカ展などは本物と同じように作ってるが、

そこにはやっぱり歴史がない。今回は本物がきている。

 

 

ラムセス大王展②~ラムセス大王の人物像

有名なファラオは何人もいるが、大王と呼んでいいのは、

やはりラムセス2世だけだと思う。

なぜかというと、1番はやはり長寿であること。

94歳ぐらいまで生きたという話で、王位についてたのが67年。

だからたくさん子供もいる。おそらく100人以上いた。

そして、ルックスも多分、かなり重要だったと思っている。

身長が180センチメートルを超えていた。そして金髪。

すごく見映えがよく、見るだけでもカリスマ性を感じるような、

そういう人物だったと思う。

あとは、何より戦争に強いというのがある。

百戦百勝だったことも大王と言われる所以かもしれない。

そして、初めて平和条約も結んだ。これもすごく大事。

当時、エジプトとそのライバル国でヒッタイトという鉄の王国があった。

力が拮抗していたが、両国の王が最終的に平和条約を結んだ。

それがエジプト側の碑文にも残ってるし、ヒッタイトにも残ってる。

両方の国に残ってるということは、

すごく大事な歴史的な契機があったということ。

歴史的事実ということが、

たとえ3000年以上前でも分かるということ。

 

 

ジプト考古学への道

父が埋蔵金が好きで、埋蔵金に関する本がたくさんあった。

そういう謎が好きだった。

謎と言えば有名なものではアトランティスとかムー大陸とかあるが、

その並びと同じように、自分はエジプト史に興味を持った。

ある日、高等学校の授業で、先生が、エジプト史のビデオをみせた。

その最後に都はるみさんが「北の宿から」を歌っていて、

その下にヒエログリフで歌詞が書かれていたのをみて、

こういう文字が読めるんだと思ってすごく感動した記憶がある。

これは読みたいと思った。

こがエジプト史に入った1番大きな理由な気がする。

ピラミッドがすごいとかもよりも、

やっぱり文字とか、人が見えないもの、読めないものなどに

惹かれるところがあったのかなという気がする。

エジプトへは多いときで年に4回ぐらい行くことがある。

発掘作業も許可が出る年は行う。

エジプトの中でまだ7割ぐらいは発掘されてないと言われている。

地方都市とか、ちょっと田舎行くと、

岩場に誰も何もしてない墓がいっぱいある。

 

 

エジプト研究の魅力

エジプト研究の面白さは、

見た目ですごくインパクトがあるのはもちろんだが、

やはり自分たちが調査が入ったり研究するということは、

誰も知らないことをやっぱ知りたいからやる。そこが大きな魅力。

インダスとかインカもあるが、

テレビの露出が多かったりと、

1番、少年として身近なものが、やはりエジプトだったのだろう。

そこで、とにかく行ってみたい、文字を読みたいなとかと思い。

高校生ぐらいの時に。どうやったらなれるのかとか考え出した。

でも、エジプトを専門に教える大学とか、そんなにない。

探したところ、関西出身の自分にとっては運よく、

大阪の関西大学に加藤一朗という先生がいて、

当時日本で、エジプトの文字が1番読めた人だったので

この先生ところで学びたいと思って大学を選んだ。

ラムセス2世は日本人にはあまりなじみがないかもしれないが、

海外では聖書に出てきたりするので圧倒的に有名。

ラムセス2世というのは自分もすごく興味がある人物

奥さんをすごく大事にする。

妻のネフェルタリにエジプト、1番美しい墓を作ったりした。

そういう人間味があるような感じがして好き。

エジプトは道徳感が1番大事だったので、

王は世界の秩序を守る、正義を守るというのが1番の仕事だった。

 

 

エジプトと日本

『ACNラムセス大王展 ファラオたちの黄金』は

多分一生に1回見れないかもしれないようなものが

きているので見逃せない。

アブシンベル宮殿の中に入っていける没入型VRがある。

年に2回、2月22日と10月22日

神殿の奥に4人の像があり、3人だけ太陽の光に照らされる。

そういったものをVR体験で見ることができる。

エジプトの文化と日本文化には共通点がある。

ひとつは、多神教世界であるということ。

もう1つは、来世があるという考え方。

それも川の西側にあの世があるという感覚。

これも日本と同じ。日本では西方浄土といわれる。

自分はエジプト人の心をきっと日本人が

1番理解できるのではないかなと思っている。。

そういったところでもエジプトに魅き込まれる人が

多いのではないかと思う。

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