スイーツパンなどを手掛ける
「八天堂」代表取締役社長の森光孝雅さんが登場。
看板商品の冷やして食べる「くりーむパン」は、
1日に約3~6万個を製造。
経営危機からの脱却と大ヒット商品の誕生秘話、
森光さんの事業にかける思いや信条、
さらに創業100周年に向けての挑戦も伺いました。
八天堂公式ホームページ コチラ
八天堂の看板商品「くりーむパン」
冷やして食べる「くりーむパン」の誕生
看板商品の冷やして食べる「くりーむパン」は、
パンは普通冷やすと固くなるのにふわふわ。
時間が経てば経つほどしっとりしてくる。
これは18年ぐらい前、全国にないようなものをと思い、
試行錯誤する中で生まれた。
父が洋菓子店を営んでいた影響で、シュークリームは
身近だったが、溶けるようなクリームのパンはなかった。
溶けるようなクリームを作るためには、
生クリームを合わせる必要があり、その結果、
焼きではなく冷蔵で提供する形になった。
パンは焼きたてが美味しいという常識がある中で、
冷やしてもふわふわでしっとりする商品を作るのは
簡単ではなく、開発には1年半かかった。
現在は1日約3~6万個を製造。
もともと店舗展開をしすぎて会社が厳しい状況に陥ったとき
「1品専門店」がブームで、パンにかけてやってみよう
という決断をしたことが転機となった。
最初は「あんパン」から始めたがうまくいかず、
それでも諦めずに挑戦を続けた結果、
「くりーむパン」にたどり着いた。
八天堂の由来と進化を続ける商品
冷やして食べる「くりーむパン」は、冷凍が難しい商品であった。
多くの要望がある中で、試行錯誤を重ね
クリームが分離や離水したりせず、
口どけを保つ状態を実現、
これまで18年の中で、地域素材とのコラボ商品や
季節限定の商品など、さまざまな展開を続けている。
駅ナカでの販売を通じて生まれた惣菜系の商品も、
お客様の声から生まれたもの。
「八天堂」という名前は、祖父が育った家の前にあった
地元に親しまれていたお堂の名前に由来。
地元の方から応援され、許しを得て名付けた。
幼い頃から祖父や父が楽しそうに働く姿が
印象に残っており、それが3代目として継いだ
大きなきっかけになっている。
修行先はスイーツとかチョコレートも含めて
いろんなものやっていたが、その中で一番厳しく、
難しかったが、理屈抜きで魅力に惹かれて
のめり込んだのが「パン」だった。
自分に合う道を探す中でパンの世界を選んだ。
失敗からのV字回復とイノベーション
20年ほど前、店舗を広げすぎたことで経営の危機に直面。
「たかちゃんのぱん屋」として10年で13店舗まで拡大したが、
コンビニや同業の増加で売上は落ち込み、追い込まれた。
そのとき気づいたのは、「何のために働くのか」という原点だった。
口ではお客様のためと言いながら、実際は自分のために
動いていたと反省し、社員や地域のためにと
行動を変えていったことで、周囲の支えが生まれた。
そこからV字回復につながったと感じている。
商品開発は100品作っても長く残る商品はわずか1、2品。
だからこそ「選択と集中」が必要だと考え、
「くりーむパン」に絞った。
単なる改良ではなく、どこにもないものを作っていかないといけない。
イノベーションというのは、
「あるもの×あるもの」で新しいものを作ること。
皆に愛されるスタンダードなパン、「クリームパン」に「口どけ」
という要素を掛け合わせることで、新しい価値が生まれた。
この掛け合わせに1年かかった。
失敗の先にしか成長はない。志をもち、諦めずに続けることが大切。
口どけを実現した革新と地域への広がり
自分は「クリームパン×口どけ」という組み合わせで
イノベーションを起こしたが、
そこに至るまでには明確なコンセプトが不可欠だった。
生クリームを合わせることで口どけは実現できるが、
焼くと流れ出てしまう、さらに冷やすと
パンが固くなるという課題があった。
この2つをどう解決するかを突き詰め、
強力粉ではなく薄力粉を主体にした生地にたどり着いた。
冷蔵しても固くならず、クリームと一体化する感覚を得たとき、
「これだ」と確信した。
この発見までに1年以上かかった。
本社をおく広島・三原市の広島空港前に工場を設立。
現在はこの周辺地域活性化したいという思いから
工場だけでなく集客を図れるように、
パン作り体験やVRを使った見学などができる
体験型の食のテーマパーク「八天堂ビレッジ」を展開。
創業100年に向けて
「八天堂」は広島・三原からスタートし、
今では国内だけでなく海外にも展開している。
日本にないものは世界にもないはずだ。
日本で新たに生まれたこの「くりーむパン」を
世界に知ってもらいたいというという思いで
「くりーむパン」を広げてきたが、実際は簡単ではなく、
各国の味覚や文化の違いに直面した。
美味しいと言ってもらえても、
その国に合ったローカライズがなければ定着しない。
甘さや風味の調整などを重ねながら学び、
現在は約8カ国で展開している。
輸送も当初は空輸だったが、冷凍対応のクリーム開発により
コストを抑えた展開が可能になった。
創業100年に向けては、広島空港前の「八天堂ビレッジ」を軸に、
日本の食文化を国内外に発信していきたいと考えている。
また、農業や福祉との連携も進めながら、
社会に役立つ企業でありたいという思いがある。
商品開発については和菓子・洋菓子・パンを組み合わせた
新しい価値を創出し、
「くりーむパン」を軸にさらなる広がりを目指していきたい。

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